アルマーニも愛するミシュラン一ツ星店がシンガポール上陸!FOO'D by Davide Oldani
ミシュラン一ツ星、ミラノ万博の公式シェフでイタリアを代表するシェフ、Davide Oldani(ダビデ・オルダーニ)シェフの初の海外店舗、Foo'd by Davide Oldaniのグランド・オープニングにお邪魔してきました!
ちょうど翌日にマニラのShangri-laホテルに同じブランドFoo'd by Davide Oldaniの2号店をオープンするとあって、Davideシェフご本人の姿も。
ディナーに先立って行われたカクテルイベントには、多くのイタリア人の姿もあり、その人気ぶりが伺えます。
(大きなガラス窓に面した開放的なバーエリアも雰囲気抜群)
Davideシェフは、モナコのAlain Ducasseの元で働いたほか、ロンドンのMichel Roux Jr.、パリのPierre Herméでペストリーシェフとして働いたほか、イタリアの超有名シェフで初めて三ツ星に輝いたGualtiero Marchesiのすぐそばで働き、海外展開などを助けてきました。
2015年のミラノ万博では公式シェフとして活躍したほか、常連には、ジョルジオ・アルマーニなど、錚々たるメンバーが名を連ねています。アルマーニ氏がパリでイベントを行った際には、Davideシェフを招聘して料理を任せるなど、その信任も厚いのがよく分かります。
2003年にイタリアミラノ郊外ののどかな町、Cornaredoにオープンした自身のレストラン、D'O は、2007年からずっとミシュラン一ツ星に輝くお店でもあります。テーマは、Cucina POP(ポップな料理。POPには、ポピュラー=人気のある、一般の人に楽しんでもらえる、という意味がある)「高級食材を多用せず、シンプルに無駄なく作られた料理、地に足のついた手の届くファインダイニング」がコンセプト。とはいえ、質素で地味な料理という訳では全くありません。斬新なアプローチのクリエイティビティ溢れる料理の数々は、「新しいモダンイタリア料理の境地を開拓した」とイタリアでも高い評価を得ています。
場所は、150年の歴史を誇る優雅な建物が美しい、ビクトリアコンサートホールの内部。天井が高く、また広い素敵な建物です。大きなスクリーンがあるので、イベントやパーティなどの会場としても活用できそう。
ちなみに、工業デザイナーとしても活躍するDavideシェフ、皿やグラスも、自らのデザイン。スープ皿はスプーンですくいやすいように工夫されています。
グラスも「それぞれの飲み物が一番美味しく感じられる角度を研究した」末に、この緩やかにカーブしたデザインにたどり着いたのだとか。両側が高いことで、ワインの香りを逃さないのだそう。また、「中央が窪んでいるから、一緒に食事をとるパートナーと見つめ合えるでしょう?」と、なんともイタリア人らしいチャーミングなコメント。
ワインは、TORMARESCA CHARDONNAY(トルマレスカ・シャルドネ)2015。ハーブや柑橘類の香りがして、綺麗な酸のあるシャルドネ100%のワインと合わせて。
一番最初の一皿は、シグネチャーのオニオンの一皿、Caramelised Onion, 20-months aged Grana Padano, served hot and cold.
「誰にでも手がとどく良質な料理」がテーマにするDavideシェフ、普段は脇役になるようなタマネギを主役に持ってきます。タルト・タタンやクインニー・アマンを思わせるような、タマネギの甘みを生かしたタルト。タルトの端の部分のキャラメリゼしたカリカリ感、キャラメルトフィーのような、濃厚な甘みがなんとも印象的な一皿。20ヶ月エイジングしたグラナ・パダーノチーズの冷たいジェラートと温かいクリームが、しっかりとした旨味を加えています。オニオングラタンスープをタルト仕立てに再構築したような印象の一品。
続いては、Pea and lemongrass soup, poached egg, almonds
アジアのローカルフードを思わせるようなレモングラスの香りのグリーンピースの温かいスープと、シンガポールで好まれるとろける温泉卵。上には豆苗が飾られ、豆のコクとカリカリとした生のアーモンドの緑っぽさのあるコク感と重なります。
アジアの影響を感じるメニュー、シンガポールのために作られたメニューと思いきや、イタリアの本店の味をそのまま持ってきているのだとか。
続いては、リゾット。Risotto, pistacchio di bronte, coffee and crayfish
お皿が運ばれてくると、ふんわりと漂う香ばしい海の香り。乳製品と相性の良いクレイフィッシュ(ロブスターの一種)を焼いたものに、ピスタチオのクリーム、さらに香ばしく奥行きに甘みのあるローストピスタチオ。全体的に甘い香りのバランスですが、アクセントにコーヒークランブルを使って、苦味がクリームの豊かな味わいとナッツのコクを引き立てます。こう言った甘い味・香りにコーヒーを合わせるのは個人的にも好きで、この日一番気に入った一品でした。
アルデンテに仕上げられた、リゾットに好適なカネロニ米は一年間寝かせてこの独特の食感を生み出したとか。
ここで、ワインを赤に変えていただきました。
Tormaresca Neprica Rosso(トルマレスカ ネプリカ・ロッソ)2013、Negro Amaro (ネーグロアマーロ)、 Cabernet Sauvignon (カベルネ・ソーヴィニヨン)、 Primitivo (プリミティーヴォ)などを使い、しっかりとしたボディとバニラ香のあるワインです。
Beef cheek, salmon pearls, horseradish
牧草を食べて育った牛頰肉の煮込みに、イクラとエリンギを乗せて。
外側はカリッと、内側は柔らかくしっとりとした牛肉。牛肉の肉汁をベースに酸味を効かせたソースには、ホースラディッシュで辛味のアクセントをつけています。
デザートは、シグネチャーのLemon curd, meringue, lettuce ice-cream and cocoa crumble。
すっきりとした生のレタスを食べているような、レタスのソルベはどこか豊かな土壌のミネラル分を感じる味。そこに、ココアクランブルの同じく大地の力を吸い取ったようなコクのある味が合います。
一方のサクッと軽いメレンゲは、あっさりとしたレタスのソルベと違い、甘さがしっかり。中のレモンカードも、本場のしっかりとした甘さと酸味です。
せっかくご本人がいらっしゃったので、日本の話をお聞きしました。Davideシェフは、東京のホテルニューオータニに何度か招聘されてゲストシェフをしたこともあるそうで、「寿司や刺身、しゃぶしゃぶなど、素材の味を生かした料理が好き。神戸の牛肉は美味しいね。そのほか、小豆を使った和菓子も好きだよ」とのことでした。現在D'Oでは、海苔や生姜、緑茶などは日本の食材を使っているそう。
ミラノ万博の際には、京都のイタリアン、イル・ギオットーネとのコラボレーションも行ったDavideシェフ。D'Oには、日本の「道」という意味もあると聞いたので、こちらについてもお聞きしてみると、「幾つもの意味を重ねた言葉なんだ、 まず一番最初に思いついたのは、イタリア語の「脳」という意味、そして自分の名前のイニシャル。それから、もちろん日本の「道」という意味。色々な意味を込めたんだ。料理と同じで、どう受け取るかは受け取り手に任せているよ」とのことでした。
料理を始めたきっかけは、「職人的(アルチザン)な仕事をしたかったから」ということで、そんな職人気質は食器までデザインするこだわりに生きている気がします。ちなみに、母の思い出の味は、ムール貝を使ったシンプルなサフランライスなのだそうです。
深いコンセプトと、アーティスティックな視点から生み出される、職人技の料理。骨太な味付けは、ワインとの相性も抜群です。ランチは3コースでS$45〜と、手の届く価格設定。全ての人が楽しめる "Cucina POP"、ぜひ体験してみてくださいね!
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営業時間:ランチ 12:00~15:00、ディナー 18:00~23:00、日曜休
住所:11 Empress Place, #01-01 Victoria Theatre & Concert Hall Singapore 179558
電話: +65 6385 5588
アクセス:MRTシティーホール駅から徒歩7分ほど
筆者
シンガポール特派員
仲山今日子
趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。
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