【ミシュランシンガポール2017授賞式】
去年シンガポールに初上陸、2回目を迎えたミシュランシンガポール。
その授賞式が、6月29日に、フラトンホテルで行われました。
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前回は、一ツ星21店、二ツ星6店、三ツ星1店と言う結果、またホーカー(屋台)に星がつき、世界で最も安い星付きの店が生まれ話題となりました。
今回ガラディナーの料理を手がけたのは、ゲストシェフとして、アメリカ・シカゴの三ツ星、GraceのCurtis Duffyシェフ、マカオの二ツ星Jade DragonのTam Kwok Fung シェフ。そして、シンガポール側からは、フラトンホテルとフラトンベイホテルを統括するSandro Falbo エグゼクティブシェフ、フラトンホテルの中国料理、Jade のLeong Chee Yeng シェフ、リッツ・カールトンホテルの一ツ星、Summer PavilionのCheung Siu Kong シェフ、Corner HouseのJason Tanシェフ。
まず、シェフに扮したパーカッション奏者が、鍋などを使った楽器を演奏し、オープニングを盛り上げた後は、いよいよ一ツ星からの発表となりました。
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アルファベット順に発表された一ツ星は以下の30店。新たに11店が加わり、前回一ツ星だった、リゾートワールドセントーサの中華、Forestと、中原勢太シェフの東京イタリアン、Terraが外れました。
※は日本人シェフの店。
一ツ星(11店が新たに星を獲得、新)は新店)
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新)Alma(モダンヨーロッパ料理)
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事故により、車椅子でリハビリをしながらメニュー開発をしているいるHaikal Johariエグゼクティブシェフは、他のシェフたちに運ばれて壇上へ。
※Béni (モダンフランス料理)
新)Braci(モダンイタリア料理)
新)Cheek by Jowl(モダンオーストラリア料理)
新)Chef Kang's (広東料理)
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(左から、Candlenut Malcolm Lee シェフ、Corner House Jason Tan シェフ、Labyrinth LG Han シェフ)
Crystal Jade Golden Palace(中国料理)
Hill Street Tai Hwa Pork Noodle (ストリートフード)
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(Iggy's の Aitor Jeronimo Oriveシェフ)
新)Imperial Treasure Fine Teochew Cuisine (潮州料理)
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(左が Jaan Kirk Westaway ヘッドシェフ、右が Bartek Cywinskiスーシェフ)
新)Labyrinth(イノベーティブ料理)
Lei Garden (広東料理)
Liao Fan Hong Kong Soya Sauce Chicken Rice & Noodle (ストリートフード)
Putien (Kitchener Road) (福建料理)
Rhubarb(モダンフランス料理)
※Shinji (Bras Basah Road)(寿司、カールトンホテル)
※Shinji (Tanglin Road)(寿司、セント・レジスホテル)
新)Summer Palace (広東料理、リージェントホテル)
※鮨一(寿司)
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去年12月に新しくLuke Armstrongシェフにヘッドシェフが変わったものの、一ツ星を維持。
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(左がMural Manjunath シェフ)
新)Whitegrass(現代オーストラリア料理)
二ツ星は7店で、ワクギンが一ツ星からランクアップ。
L'Atelier de Joël Robuchon(モダンフランス料理)
Les Amis(フランス料理)
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(Lepinoy Sebastienシェフと、奥様のOliviaさん)
※小康和(寿司)
三ツ星は、去年に引き続き、
Joël Robuchon (モダンフランス料理)
と言う結果となりました。
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(中央がMichaelシェフ)
今年は少なくとももう一つ三ツ星が生まれるのでは?と期待していた私。
三ツ星を獲得したJoël RobuchonのMichael Michaelidisシェフにお話を伺いました。
「去年は唯一の三ツ星だったが、今年はアジア料理の三ツ星が一店加わることを期待していた」とのこと。
実際、例えば香港・マカオにミシュランが初上陸した際も、三ツ星はマカオのJoël Robuchonに加え、フォーシーズンズホテル香港の中華、Lung King Heen(龍景軒)の2店が受賞しているので、去年三ツ星が1店のみだったシンガポールとしては、2年目の今年、もう一店が期待されていたのは確か。
これに対して、ミシュランガイドの責任者、インターナショナル・ディレクターである Michael Ellis 氏にも同じ質問を投げかけてみると、
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「どうしても1年目は定義づけのために、できる限りの力を入れるので、2年目の結果と言うのは物足りなく感じることはあると思う。しかし、シンガポールの食のシーンは、我々をさらに驚かせるだろうし、将来的にはさらに刺激的な年になって行くと思う」と言う返事でした。
シンガポールを担当する調査員は現在、日本、香港、上海、韓国、フランス、イギリス、イタリア、アメリカなど、10カ国から来ているそうですが、今年の12月には、ミシュランバンコク2018が初出版予定。さらに、去年はシンガポールのみならず、韓国、上海と次々に上陸を果たしたばかり。日本以外は香港・マカオだけだったアジアのガイドブックが急に増えて、アジアエリアの調査員が足りない、と言う内情もあるのかもしれないと感じました。
また、他のメディアからは、ホーカー(屋台)料理が2店ともに引き続き星を得たことに関する質問もあり、Michael Ellis 氏からは「シンガポールのホーカー料理の文化は、ストリートフードを上の次元に持ち上げる魅力を持っているのが、2年目も星を獲得した理由」という答えが返ってきました。
シンガポールでも、4月に初の、MICHELIN guide Singapore Street Food Festival 2017が行われ、8月には日本でもストリートフードフェスティバルが予定されています。
去年12月には、シンガポールのホーカー、Hong Kong Soya Sauce Chicken Rice and Noodle のChan Hon Mengシェフが、カリフォルニア・ナパヴァレーの三ツ星、MeadowoodのChristopher Kostowオーナーシェフとともに、NY・マンハッタンでコラボレーションディナーを行うなど、ストリートフードの新しい可能性を探っている印象。
「シンガポールには何千というホーカーがある。どんな風に店を探して行くのか」という質問に、「出版物や、オンライン、ソーシャルメディアなどもチェックしている。さらに、地に足をつけた情報を得るために、シェフやサービススタッフに、仕事が終わった後どこに食べに行くかを聞く。これが地に足をつけた調査だ」と語ったMichael Ellis 氏。高嶺の花、ではなく、地に足のついた「美味しい」。ストリートフードに、ビブ・グルマンだけでなく、星を与える、という所が、これからのミシュランの一つの方向性を表しているようで、とても興味深く感じました。
日本人の受賞シェフのインタビューは、以下の通りです(表彰順)。
一ツ星
Béni 山中賢二 エグゼクティブシェフ
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リニューアルし、規模も大きくなったこともあり、プレッシャーはかなりありました。 1度取った星は、翌年はあって当たり前だと思われるし、無くなることはすごくマイナスになります。 僕自身もスタッフもミシュランを意識した中でのスタートでした。その中で、良い評価を頂き大変光栄に思います。 ただ、もう少し時間が欲しかったという思いはありますが、これは来年に向けての励みに、守る姿勢ではなく攻めの姿勢で行きたいです。 評価されたと思う点は、食材やカトラリーなどのこだわり。そしてシンガポールでは珍しく全てが見えるシェフズテーブルではないでしょうか。目の前で、それぞのシェフが最初から最後まで仕上げる楽しさと安心感もあると思います。新たに、秋頃にbéniベーカリーをオープンする予定です。 その後にペストリーショップなど。やりたいこともたくさんあります。 アジア圏で、展開すの話も頂いておりますが、まずは核となるbéniをしっかりと高めていくことが大事になります。
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※Shinji (Bras Basah Road、Carlton ホテル内、写真右端)押野亘一郎 マスターシェフ
ラッフルズホテルの改装のためカールトンホテルに移り、席数も40から52席に増えました。寿司職人もサービスも、人数を増やし、席数が増えても目の届くサービスも心がけています。
色々な賞を受賞していますが、ミシュランは、多くの人が基準にする評価基準ですし、お客様は、星の数同士で店を比べます。これまで、日本で食べるよりも良い寿司を出そうとやってきました。もちろん、上を目指していますし、2つ目、3つ目の星もこれまで通り目指していきます。
※Shinji (Tanglin Road、St.Regisホテル内、写真左端)菊地俊輔 ヘッドシェフ
去年ミシュランの星をいただいて、お店は忙しくなりましたが、星の忙しさに負けずにクオリティーを保てたのが良かったと思っています。
鮨一 川上幸範 ヘッドシェフ
持ち味はチームワーク。鮨や刺身を担当する鮨職人と、前菜やデザートを担当する厨房のスタッッフ・サービスのチームワークが良く、皆が一つの方向を向いています。魚は週に5回日本から仕入れていますが、いい素材を入れても無駄にしては仕方がない。季節の素材の良さを、いい状態で手当てして、そのまま届けたいという思いは、みんな共通して持っていて、それを高いレベルで実現できているからではないかと思います。
2ツ星
四川飯店 陳建太郎 エグゼクティブシェフ
中華系の多いシンガポールで、2年連続で受賞でき、また何よりもスタッフの喜ぶ顔が見られると思うと嬉しいです。ミシュランができたおかげで、ジャンルを超えたシェフ同士の交流も増え、豊かになっていると感じています。最初のうちは。シンガポール向けに、味を濃くしていましたが、だんだんと、四川飯店本来の、食材の持ち味を生かした日本的な味わいに戻していきました。それがきちんと評価されたと嬉しい気持ちでいっぱいです。
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(陳建太郎シェフ、奥様の充子さん)
小康和 石橋正和 エグゼクティブシェフ
2年連続賞を頂き、スタッフ共々サポートをして頂いたお客様や業者様に大変感謝をしております。
日本と変わらないサービス、品質を保つために一人一人のお客様を大切にさせて頂いたことが評価されたかと思っております。
今後も2星の期待そえるようなクオリティーとサービスを今まで以上に心がけていき、すべてのお客様に美味しい、また来たいと思われるように精進していきたいと思っております。
今回、一ツ星からの唯一の二ツ星昇格となったワクギン。
Waku Ghin 和久田哲也 オーナーシェフ
これからも、自分たちのやってきたことを精度高く続けていきます。
Meta のSun Kimシェフ、WhitegrassのSam Aisbetシェフ、Cheek by JowlのRishi Naleendreシェフなど、自分の元で修行したシェフたちが、新しく一ツ星を獲得、それぞれに活躍しているのも嬉しいです。
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さらに
井上正彦 ヘッドシェフ
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去年の結果をモチベーションに、一年間頑張ってきました。こんなに嬉しいことはないです。和久田シェフには、「おめでとう」と一言言われただけですが、それがとても心に響きました。これも、ずっと変わらず支えてきてくださったお客様をはじめ、皆様のおかげだと思っています。これからも更なる向上を目指して、ワクギン一体となって頑張っていきます。
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(左がRishi シェフ、右がSam シェフ)
ガイドブックはシンガポールの書店で購入可能、ウェブサイト(Michelin Guide Singapore Official Website、英文 )も最新のレストラン情報が満載でおすすめです!
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■Michelin Guide Singapore 2017(ミシュラン・ガイド・シンガポール)
発売開始:2017年6月29日
公式ウェブサイト:https://guide.michelin.sg/
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