セーヌ河岸が砂浜になるパリ・プラージュ、今年は砂なし&運河で遊泳も!

セーヌ河畔が世界遺産に登録されているパリは、ノートルダム大聖堂、サント・シャペル、ルーブル美術館、コンコルド広場、グラン・パレ、エッフェル塔など、文化財に囲まれた町です。
セーヌ川に浮かぶシテ島からパリの歴史が始まったように、今も昔もセーヌ川はパリの中心。その両河岸は、今まで自動車専用道路として使われてきましたが、2013年から左岸の一部(オルセー美術館〜アロマ橋)が公園に、そして今年4月からはパリ市庁舎前を中心とする右岸部分(シュリー橋〜ポン・ヌフ)も公園になりました。つまり車を気にせずゆっくり散歩できる、セーヌ河岸の範囲が増えました。

加えて、今年もセーヌ河畔とセーヌ川に繋がる運河の一部、ラ・ヴィレット地区でパリ・プラージュを開催中です(2017年は7月8日〜9月3日)。「プラージュ」とはフランス語で「浜辺」のこと。例年であれば、この自動車専用道だった場所に大量の砂を運び込みセーヌ河畔が砂浜に変わるのですが、今年は砂を提供していたスイスに本社を置くセメント会社、ラファージュホルシムとの契約をパリ市が破棄したため、砂なしのパリ・プラージュになっています。
その理由はラファージュホルシムが、トランプ米大統領の公約であったメキシコ国境の壁プロジェクトに、資材供給で参加する意思を表明したこと。さらに先月は、同社がシリアでの事業を保つためイスラム国と取引をした、とも現地メディアで報じられました。

砂がないのは残念ですが、新たな取り組みも始まっています。ラ・ヴィレット地区のパリ・プラージュでは、運河にある貯水池内にプールが設けられ、泳げるようになっています。以前からイダルゴ市長は、セーヌ川を浄化し昔のように泳げるようにしたい、と発言してきました。それが実現された形です。

パリ市内では「Paris l'été」というイベントも開かれており(7月17日〜8月5日)、市内各所で様々な催しが行われています。例えばセーヌ河畔には打ち上げられたクジラが!

じつはこれ、ベルギーのアーティスト集団Captain Boomerによる作品(展示期間は7月21〜23日)です。

今日の時点で、パリの日没は21時半過ぎ。美術館など観光スポットが閉まった後は、近くのお店でいろいろ買い込んで、パリジャンのようにセーヌ河畔でいつまでも明るい夏の夜を楽しんでも良いですね。ただし置き引きが多発しているため、荷物からは常に目を離さずに!

筆者
フランス特派員
守隨 亨延
パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。
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