長大なパレードが市内を進む、パリ中華街で祝う春節
今年は2月16日が春節(旧正月)でした。日本ではあまりなじみのない旧暦のお祝いも、中華系移民が多いパリでは大きなイベントの一つになっています。フランス語ではNouvel an chinois(ヌーベル・アン・シノワ:中国の新年)と呼ばれ、最近は中国人旅行者の増加により、高級ブランド街など中華街以外でも、春節を祝う赤に金の文字の旗を見かけることが増えました。
パリ市内には大きく分けて3カ所に、中華街と呼べるような中華系商店が集まる地区があります。そのうち2カ所がセーヌ川右岸のベルヴィル地区とアール・ゼ・メティエ地区にあり、残りの1カ所が同左岸13区にあるイタリー広場から南に広がる地区です。今週末はその13区にある中華街で、大規模なパレードが行われました。
パレードは日曜の午後からスタート。パリ市内の各華僑グループが民族衣装や祭り装束に身を包み、獅子舞や龍舞を伴って、13区内を練り歩きます。
華僑と言ってもいろいろで、先祖が福建、潮州、海南など中国本土のどこ出身かによっても分かれます。少数民族もいます。装束も「魏」「呉」「蜀」の旗を持った三国志をモチーフにした古代のものから、清代の兵隊を模したものなど、時代行列もあります。
道教で商売の神様である関帝(関羽)が、金を持って観客のそばへ行くと、人々はこぞってご利益に預かろうと金をなでなで。後方では『西遊記』で有名な斉天大聖(孫悟空)が踊ります。
山車に乗せられた普賢菩薩など仏像や、道教の神像も登場。こちらはお線香が配られるので、受け取った人は皆、山車の仏前にお供えします。沿道で見ている子どもには、お菓子がもらえます。
ベトナム出身者などのグループも続きます。
パリは多民族都市です。アジア、ヨーロッパ、アフリカと一見同じような顔に見えても、その中でさまざまな地域の出身者が集まっています。そのパリでしっかりと根付く、華僑のパワーを感じられるのがこの春節のパレードです。
筆者
フランス特派員
守隨 亨延
パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。
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