韮山反射炉と下田
伊豆・静岡特派員ブログ、今回は江森がお送りいたします。
伊豆に唯一世界遺産に登録された観光地が韮山にあります。それが韮山の反射炉です。韮山の反射炉は世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産のひとつに数えられます。
「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」(当初の名称は「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」)は、当初の名の通り、萩の反射炉(山口県)、集成館(鹿児島県)、高島炭鉱・端島炭鉱(長崎県)、三重津海軍所跡(佐賀県)など九州と山口県が中心に構成されます。その一部として、伊豆韮山の反射炉が登録されました。
☆韮山反射炉の概要
まず、この世界遺産は、幕末から明治時代にかけて(1850年代から1910年まで)に急速な発展をとげた炭鉱、鉄鋼業、造船業に関する文化遺産です。
平成21年1月5日に暫定リストに追加掲載されたときの名称は「九州・山口の近代化産業遺産群-非西洋世界における近代化の先駆け-」でした。手短にいえば、「日本の近代化の先駆けとなった明治時代の遺産」(Japan's Meiji Industrial Revolution)です。
当初の建設予定地は下田港に近い賀茂郡本郷村(現在の下田市西本郷付近)とされ、その年の12月には基礎工事が始められました。しかし、翌安政元年(1854)3月末、下田に入港していたペリー艦隊の水兵が反射炉建設地内に進入するという事件が起こりました。そこで、急きょ、反射炉建設地を韮山代官所に近い田方郡中村(現伊豆の国市中)に移転することになったのです。現在の下田市には反射炉の痕跡は跡形も無く残っていませんが、東海バスのバス停に「反射炉前」というバス停の名前だけが残っています。
☆反射炉とは
反射炉とは、銑鉄(砂鉄や鉄鉱石から作った粗製の鉄で、不純物を多く含む)を溶かして優良な鉄を生産するための炉です。銑鉄を溶かすためには千数百度の高温が必要ですが、反射炉の場合溶解室の天井部分が浅いドーム形となっており、そこに炎や熱を反射させ、銑鉄に集中させることでその高温を実現する構造となっています。そこから、反射炉という名称が与えられました。溶かした鉄は、鋳型に流し込んで大砲などに加工されました。近年の発掘調査では砲弾の鋳型などが発見されています。炉体と煙突の部分を合わせた高さは約15.7m、実際に稼働した反射炉が残っているのは日本でここだけとなっています。
つまり反射炉は、明治の産業革命を支えた「製鉄」の遺産なのです。
☆反射炉裏山にある小高い丘からは名峰富士の勇姿も眺めることが出来、2つの世界遺産を
同時にカメラに収めることもできます!
*基本情報*
★観覧時間:平成29年4月1日以降
4月1日から9月30日までは午前9時から午後5時まで
10月1日から翌年3月31日までは午前9時から午後4時30分まで
※観覧できない日について
毎月第3水曜日(この日が国民の祝日に関する法律に規定する休日である場合はその翌日となります。
→年末年始も観覧出来ます
(注)平成30年2月、3月及び8月の第3水曜日は観覧することができます。
★観覧料金
大人 500円
小人(生徒・児童) 50円
筆者
静岡特派員
休暇村南伊豆
内から見た伊豆、外から見た伊豆、様々な目線で見た伊豆の魅力をお伝えしていきます。
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