パリで「セーラームーン」のパフォーマンスショー上演 現地ファンは大盛り上がり【ジャポニスム2018】
(c) 武内直子・PNP/"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live製作委員会
11月3日と4日の2日間、『美少女戦士セーラームーン』を題材にした2.5次元のパフォーマンスショー「"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live」が行われました。『美少女戦士セーラームーン』とは、月刊誌『なかよし』(講談社刊)にて、1991年から連載を開始した武内直子さん原作の少女漫画のこと。「2.5次元」とは漫画やアニメ、ゲーム(2次元)を原作として、俳優(3次元)によって演じられるミュージカルなどのことです。
フランスにおいても『美少女戦士セーラームーン』は、日本のポップカルチャー愛好者の間では代表的な作品の一つ。知名度は日本の漫画・アニメ作品の中では高いです。そのセーラームーンを題材にしたパフォーマンスショーが、日仏友好160周年「ジャポニスム 2018:響きあう魂」の公式企画として催されるということで、足を運んでみました。
(c) 武内直子・PNP/"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live製作委員会
まずパフォーマンスショーに先駆けて、前日にパリ市内にあるパリ日本文化会館にて『美少女戦士セーラームーン』に登場する主要キャラクターの5人のフォトセッションが行われました。同ミュージカルは1993年に初めてミュージカル化され、演者や演出を変えつつ続いてきた作品です。今回のパリ公演ではセーラームーン役を夢宮加菜枝さん、セーラーマーキュリー役をココナさん、セーラーマーズ役を平井琴望さん、セーラージュピター役を尾花貴絵さん、セーラーヴィーナス役を星波さんが演じています。
フォトセッションには親子連れや、子どもの頃にフランスで『美少女戦士セーラームーン』を見ていただろう世代のフランス人を中心に集まっていました。
(c) 武内直子・PNP/"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live製作委員会
パフォーマンスショーについては、私は3日夜に行われた公演へ。20時開演ということもあり、どちらかというと大人が多め(もちろん子どもも多くいました)。大人は、やはり前日のフォトセッションで見かけたような、おそらく世代であるだろうフランス人が中心です。中にはセーラー戦士のコスプレをして気合十分のフランス人もいました。
(c) 武内直子・PNP/"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live製作委員会
7月に同じくパリで行われた「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞2018 巴里~」と比べて、「"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live」は、客層からもより子どもを意識した作品です。日本人の役者さんがどのようにフランス人(特に子ども)に向けて、舞台で作品を演じるかが注目でした。
私の知人は、もし日本語でのかけ合いが中心だと子どもが字幕を追えないかも、と観劇前に少し不安を述べていましたが、いざショーが始まると、全体を通してセリフは相手への呼びかけなど最小限にして字幕は使わず、歌と踊りとアクションで見せるストーリー展開。これなら子どもにも分かります!
(c) 武内直子・PNP/"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live製作委員会
最後のライブショーの部分では客席も最高潮に。特にアニメ『美少女戦士セーラームーン』の代表曲「ムーンライト伝説」が流れると、大人のファンも子どもも、待っていましたとばかりに盛り上がっていました。出演者が客席の間を手を振りながら巡り、熱気と拍手に包まれて公演を終えました。
(c) 武内直子・PNP/"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live製作委員会
終演後はセーラー5戦士と、タキシード仮面役の立道梨緒奈さんを交えたキャストと、来場者とのハイタッチ会が。来場者はうれしそうに出演者との交流を楽しんでいました。
パリは今「ジャポニスム 2018」のイベント続きで日本の企画が目白押しです。伝統文化から現代美術、ポップカルチャーまで、さまざまなイベントがフランス各所で行われつつ、芸術の秋を彩っています。
筆者
フランス特派員
守隨 亨延
パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。
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