Foujitaの各年代作品を一覧できる「藤田嗣治」展がパリ日本文化会館で開催【ジャポニスム2018】

2019年1月16日〜3月16日、パリ日本文化会館では「藤田嗣治」展が開催されています。同展は3度にわたってパリに滞在(1913〜1931年、1939〜1940年、1950〜1968年)した画家・藤田の60年に及ぶ創造活動を一覧に鑑賞できる企画展。日本を中心に各地から集められた36点の作品を、藤田の第二の故郷であるパリで展示しています。
初日前日に取材の機会をいただけたので、足を運んでみました。

会場はパリ日本文化会館2階にある展示ホール。受付を済ませて入場すると、まず藤田の自画像がお出迎え。この日はキュレーターの林洋子さん(美術史家、文化庁芸術文化調査官)とソフィー・クレブスさん(パリ市立近代美術館チーフキュレーター)によるガイドツアーがありました。

展示はモンパルンスに居を構え、次第にフランスで認められていった享楽的な時代の作品から、南米旅行時のもの、日本へ戻り描いた巨大な戦争画と、藤田の作風の変遷を比較しながら鑑賞できます。
特にパリで名声を得た油彩画に日本画の画法を取り入れ、乳白色の色使いが印象的な作風から、その後日本へ戻って描いた、ロマン主義以前の西洋の戦争画の特徴が濃く暗く巨大な作品との対比は、藤田が過ごした人生を鑑賞者にまざまざと見せつけてくれます。


藤田の作品に限ったことではないですが、実際に絵を前にして、描かれた線やその筆使いを見ていると、当時藤田がキャンバスに向かっていたときの、熱量や雰囲気を感じられます。また藤田が愛したパリの土地で藤田の作品を見ることで、時代は随分変わりましたが、その雰囲気の一端を少しでも感じられる気がします。

さて、展覧会がスタートした週の18日には、同じくパリ日本文化会館で、藤田嗣治を題材にした映画『Foujita』の特別上映会がありました。当日は同作品を撮った小栗康平監督をはじめ、映画の出演者、スタッフなどが招待。上映後には小栗監督が登壇し、観客からの質問を受けながらアフタートークが行われました。
『Foujita』は1月19日〜27日までパリ市内の映画館「L'Arlequin (76 rue de Rennes 75006)」にて上映中ですので、あわせて鑑賞しても良いかもしれませんね。
【データ】
住所:101 bis Quai Branly 75015 Paris
開催期間:2019年1月16日〜3月16日(12〜20時)
定休日:日・月曜
料金:7ユーロ
最寄り駅:地下鉄6号線Bir Hakeim/RER C線Champ de Mars - Tour Eiffel

筆者
フランス特派員
守隨 亨延
パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。
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