シャルトル大聖堂でお坊さんが読経を披露、桜井市との友好都市で真言宗の僧侶ら
パリから列車で約1時間の場所にある大聖堂の町シャルトル。今月2日、同市のシンボルであるノートルダム大聖堂(シャルトル大聖堂)で仏教のお経が鳴り響きました。この催しを行なったのは、真言宗豊山派のお坊さんたち。同派の総本山・長谷寺がある奈良県桜井市とシャルトル市が友好都市の間柄であることから、同日のミサの最後に真言宗豊山派の僧侶を招いて読経を披露するイベントが実現しました。
桜井市とシャルトル市は1989年から友好都市として交流を続けており、今年は30周年に当たります。その節目の年に、真言宗豊山派と地元カトリック教区との間で行われました。日本からは長谷寺第78世化主(真言宗豊山派の管長)を務める田代弘興さんらが来仏しました。
大聖堂のステンドグラスを通して差し込んだ光の中、同宗派の僧侶たちにより披露された声明(しょうみょう)が堂内で反響しながら広がると、普段のカトリックのミサとはまた違った趣を、フランス人の聴衆に与えていました。
ミサでの読経に先立ち、市内の老人ホームおよびマルソー広場では、真言宗豊山派の僧侶・岩田龍誠さんらによる和太鼓の演奏が披露されました。町の中心部の広場で奏でられれる和太鼓の音に、多くの聴衆が集まりました。アンコールでは般若心経に合わせながら太鼓を披露。演奏終了後には、演奏者と市民が一緒に太鼓を叩きながら交流を深めていました。
シャルトル市は中世から巡礼の町として栄えてきました。現在でも市内中心部には古い街並みが保存されています。今回のイベントが行われた同市の中心に鎮座するノートルダム大聖堂は、フランス・ゴシックの代表的な建築物です。
筆者
フランス特派員
守隨 亨延
パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。
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