パリに新潟・三条の職人箸「MARUNAO PARIS」オープン、こだわりの木工カトラリーがずらり
木製の箸やカトラリー、文具を扱うメーカーのマルナオのパリ店「MARUNAO PARIS」が11月8日にパリ市内にオープンしました。場所はパリ市内左岸の7区。老舗百貨店ル・ボン・マルシェからほど近い高級住宅街で、有名レストランなどが点在する地区です。
現在、マルナオの直営店は本社がある新潟県三条市と東京都内の青山にあります。そして今回のパリ店が、マルナオにとって初の海外店舗です。オープン前に開かれた内覧会と、開店初日にお店へうかがってきました。
MARUNAO PARISは大通りから1本入った、落ち着いた路地にあります。高級箸というと塗り箸をイメージしますが、マルナオの箸は装飾に重きを置いた塗り箸ではありません。黒檀や紫檀などの木材が持つ自然の美しさと、木工技術の追及、口当たりへのこだわりから生まれた"用の美"が特徴です。
手に取ってみると、先端まで八角形の箸は掴みやすく、すっとそれぞれの指に馴染みます。そして極細の先端が、他に無い口当たりの良さをもたらします。商品の価格は30ユーロ台から1000ユーロを超える価格帯の箸まで幅広い品ぞろえです。
創業80年のマルナオは、元は寺社彫刻を請け負う会社でした。初代が仏具屋の仏壇彫刻の仕事を始めたことから派生して、欄間や狛犬などを彫る仕事をしていたそうです。その後、墨坪車という大工道具の製造や、時代の流れと共に木材以外の製品を扱う時期もあったそうですが、現在の社長である3代目の福田隆宏さんが、彫刻・木工技術を生かした箸の生産に取り組むことになり、現在に至っています。
MARUNAO PARISで取り扱う商品は、箸および箸関連の小物だけでなく、スプーンやフォークなどカトラリー類、エスプレッソ用カップや文具もあります。MARUNAO PARISがある7区は、ミシュラン星付きのレストランや有名チーズ屋キャトルオムを始め、食にこだわりがあるお店が集まる地区です。マルナオの商品を提案していくには、良い環境が整っています。
実店舗がパリにできたことで、マルナオの箸の修理などもMARUNAO PARISで受け付けています。
社長の福田さんは「まず使って良さを体験してほしい。私たちの考え方などはその後でいい。なんだこの箸は、と良さを感じてもらえたら、とても嬉しい」とおっしゃっていました。パリでまたひとつ、日本の工芸品の良さを体験できる場所が増えました。
【データ】
住所:33 Rue Rousselet 75007 Paris
営業時間:11〜19時
定休日:日・月曜
最寄り駅:地下鉄10号線Vaneau
筆者
フランス特派員
守隨 亨延
パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。
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