フランス リヨンの伝統行事「光の祭典」、今年も凄かった!
【フランス リヨン便り n°2】
「ナポリを見ずして死ぬことなかれ」ではないが、「リヨンの光の祭典を見ずして...」と断言できるほど、リヨンが世界に誇る「光の芸術」が今年も世界中から訪れた人々を魅了した。
2018年、4日間で180万人が訪問したというリヨンの「光の祭典(Fête des Lumières)」だが、今年はパリを中心に大規模なストライキが行われている中、それを上回る見込み。リヨンの「光の祭典」は今や、世界屈指のプロジェクションマッピングとイルミネーション技術が結集する、世界最大級の「光のイベント」である。
そもそもの起源を辿れば、中世の時代に疫病ペストからリヨンを救ったとされる聖母マリアへの感謝を示し、窓辺にローソクを灯してリヨンの町を光で包む、「感謝の光」「祈りの光」が由来である。
リヨンと聖母マリアの歴史は古く、フルヴィエールの丘に聖母マリアに捧げる最初の教会が建立されたのは1168年のこと。1562年に、カトリックとプロテスタントの対立によって生じた宗教戦争によって、教会が崩壊されるが、リヨン人の願いで修復が繰り返された。1643年、南フランスから疫病ペストが蔓延し、その被害がリヨンへと広がってくる中、リヨンの人々は「ペストからリヨンの町をお守りください」と、聖母マリアに救いを求め、フルヴィエールの丘の頂上に聖母像を建立することを誓願したという。
それから200年後の1852年、リヨンの人々の念願叶って、彫刻家ジョセフ=ユーグ・ファビッシュ(Joseph-Hugues Fabisch)が手掛けた聖母マリア像がフルヴィエールの丘に建立され、9月に完成式典が予定された。しかし、悪天候によって、12月8日の聖母マリアの「無原罪の御宿り」を祝う日に延期され、そのときから、リヨン人にとって12月8日は特別の日となり、毎年12月8日に、窓辺にロウソクを灯して聖母マリアへの感謝を示すことが慣習となった。1989年12月8日から「光の祭典」と称し、リヨンの町はローソクの灯りに加えて、フルヴィエールの丘、歴史的建造物、川沿いや街並みが色彩豊かなイルミネーションでライトアップされ、1999年からは12月8日を含む4日間に開催期間が延長された。年を経るごとに照明技術が高まり、現在では、リヨン市の厳しい審査によって選ばれたアーティストの作品展示の場となっている。
今年は、12月5日から8日の4日間、リヨン中心部の36ヵ所で65作品が楽しめる。
テロー広場:タイトル「UNE TOUTE PETITE HISTOIRE DE LUMIERE」、制作「Spectaculaires, les Allumeurs d'Images」
市庁舎中庭:タイトル「THEATR'EAUX」、制作「CozTen」
フルヴィエールの丘とソーヌ川岸:タイトル「LES CUEILLEURS DE NUAGES」、制作「CozTen」
サン・ジャン大聖堂:タイトル「GENESIS」、制作「Rhéoriz Studio」
ベルクール広場:タイトル「PRAIRIE EPHEMERE」、制作「TILT et Porté par le Ven」
ジャコバン広場:タイトル「LUCIOLES」、制作「Atelier Erik Barray」
セレスタン広場:タイトル「LIGHTNING」、制作「Jérôme Donna」
レピュブリック広場:タイトル「LES LUMIGNONS DU COEUR」、制作「リヨン市」
サン・ポール駅:タイトル「DAYDREAMS」、制作「Artcom Diffusion」
ローヌ川沿い:タイトル「LUCIOLES」、制作「Atelier Erik Barray」
【データ】
リヨン光の祭典(FETE DES LUMIERES LYON)
場所:リヨン市内36ヵ所
期間:2019年12月5日~12月8日
時間:2019年12月5日、12月8日19時~23時、12月6日、12月7日20時~24時
筆者
フランス特派員
マダムユキ
リヨン在住20年以上。フランス各地の魅力を文化・芸術・建築・食を中心にお届けしたい。
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