【今月のお菓子】新年のお菓子ガレットデロワを食べて王様になろう【プチ情報あり!】
Bonne année こんにちは!
2020年もよろしくお願いいたします。
街でBonne année, bonne santé!と新年の挨拶があちこちで交わされるこの時期。フランスのパティスリー、ブーランジェリーにはガレットデロワが並びます。
早いお店ではクリスマス直後から売り出すところも。
ガレットデロワ galette des rois は王様のお菓子と書きます。
さくさくのパイ生地に、アーモンドペーストのフランジパニというクリームを挟んだ、大きなパイのお菓子です。
▲紙製の王冠が付いてきます。
その起源は、キリスト教に由来します。キリストの誕生を祝いに、東方よりユダヤの王様が豪華なお祝いを携えてやってきました。
そのことから1月第一日曜日をエピファニー Épiphanie と呼び、みんなで飲み物(今はシードルcidre りんごのワインが主流です)とガレットデロワを分け合って食べるようになりました。※1月6日という説もあります。
中にはフェーブ fève という小さな飾り物が入っています。
そのフェーブを引き当てた人が王冠を被り、その日一日王様として過ごすことができるのです。
フランスでは宗教に関係なく、みんながこのお祝いに参加します。
家族や友達と分け合って新年のお祝いを楽しむのです。
このエピファニー、なんといっても、やっぱり王様になりたいもの。
もともとフェーブとは豆のこと。起源はギリシャ神話の神様の名前です。昔は豆が入っていましたが、今は陶器の焼き物が主流です。
大統領のためのガレットデロワ にはフェーブが入っていないことが有名です。1975年からの伝統で、大統領が王冠をかぶることがないようにしたのだそう。
子どもたち全員に王冠をかぶせてあげようといくつもフェーブが入ったガレットデロワを焼くお母さんもいます。
切り分けられたガレットからフェーブが見つかると大人も嬉しいもの。
最近では歯にカチンと当たらないように、アーモンドを忍ばせて、フェーブは外付けというお店もあります。
フランスらしいのは、稀にフェーブの入れ忘れがあること。そして二つ入っている時があること。
切り分ける時にフェーブに当たってしまうと、見つける驚きが減ってしまってちょっぴり残念な気持ちになります。
ピエールエルメなど、有名店は金属や陶器の有名ブランドとコラボした凝ったフェーブが付いています。
ちなみに2020年のピエールエルメはmaison de Joaillerie Messika Parisというジュエリー店のフェーブです。
小さなケーキを象ったもの、お店の名前入り、素焼きに絵付けしたものなど、店によって様々。
かわいいものには目がないフランス人。コレクターもいて、蚤の市でも見かけることができます。
アンジェリーナやラデュレのようにフェーブだけの購入もできるお店もあります。
▲今年のラデュレとアーノドラエール Arnaud Larherのフェーブです。
毎年のように話題になる、パリ一番のガレットデロワという記事を見つけたので少しご紹介しますね。フェーブも出来る限り調べてみました!
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◇有名パティスリーのガレット一覧
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◆アンジェリーナ Angelina
フランジパニとマロンの2種類。
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◆ラデュレLadurée
バラとピスタチオの風味。
今年はお花の形のフェーブ4種です。
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◆ピエールエルメ Pierre Hermé
フランジパニ、ショコラ、ブリオッシュ(フランス南部で主流なかたち)の3種類。フェーブはMessika のとコラボ。
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◆ミシャラク Christophe Mishalak
フランジパニ、ジャンドゥーヤ、ピスタチオの3種類。
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◆フレンチバスタード The French Bastards
ノートルダム大聖堂をイメージした形。味はフランジパニ。
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◆サダハルアオキ Sadaharu Aoki
マロンとフランジパニの2種。フェーブはお店のケーキのミニチュア3種。
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◆フォション fauchon
ショコラとフランジパニの2種。
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◆デガトーエジュパン des gâteaux et du pain
バラとピスタチオのクリーム。フェーブは植物を模したもの。
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◆ポワラーヌpoilane
フランジパニ。フェーブは陶器の焼き物に金の絵付け。
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◆トラヤ Toraya paris
ポワラーヌの生地にあんこのクレーム。フェーブは梅の花。
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◆ラメゾンドショコラla maison du chocolat
チョコレートで生地の違いが2種。フェーブはお店の板チョコレートのミニチュア。
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◆ジャンポールエヴァン Jean Paul Hévin
チョコレート味。フェーブはてんとう虫。
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◆セバスチャンゴダール Sébastien Gaudard
チョコレートとフランジパニの2種。
フェーブはファッションブランドChristine Phung とのコラボ。
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パティスリーのものはお値段は四人から六人用でどこも30から40ユーロです。
街中のブーランジェリーでは20ユーロ以下で売っていることが多いです。
ブーランジェリーのものはアーモンド味のフランジパニ、パティスリーではそれに加えてチョコレートや抹茶、マロンやピスタチオ味と趣向を凝らしているようです。
どのお店にも二人用、四人用、六人から八人用に加え、一人用もあります。いろんなお店の食べ比べも楽しいですね。一人用にはフェーブが入っていないこともあるので、買う際に確認してみてください。
▲1ピースのバラ売りもしています。
*1月8日に発表された、パリ(île de France)のパン屋さん部門受賞者はこちら。
1/ Jérémy JOAQUIM - Poudres d'Or - 51, rue du Général Leclerc 95310 SAINT OUEN L'AUMÔNE
2/ Youssef EL GATOU - 14 av Gabriel Péri 95100 ARGENTEUIL
2/ ex aequo - Miki ISHIZWA candidate japonaise hors concours
3/ Sébastien MAUVIEUX - 59, rue d'Orsel 75018 PARIS
4/ Alexandre CHAUVIN - 97, Bld de Créteil 94100 ST MAUR DES FOSSES
5/ Angélique JULIEN - 41, rue de Lévis 75017 PARIS
6/ Vincent JOLY - 52, av. d'Italie 75013 PARIS
7/ Mohamed ZERZOUR - 127, rue de Billancourt 92100 BOULOGNE BILLANCOURT
8/ Hakem BAKOUR - 215, av. du Gal De Gaulle 92200 NEUILLY SUR SEINE
9/ Filipe FERNANDES - 60, rue de la Convention 75015 PARIS
10/ Raoul MAEDER - 158, bld Berthier 75017 PARIS
277の候補のトップ10。
パリ市内で味わえるのは3位Sébastien MAUVIEUX、5位Angélique JULIEN、9位Filipe FERNANDESの3店です!
なお、2位にはお店がまだありませんが日本人ブーランジェの名前がありますね!
おめでとうございます。
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1月下旬までどのブーランジェリー、パティスリーにも並んでいます。フランス人たちも、1年に4個、5個と食べるようです。
日本では食べ物の中にフェーブのような小物をいれて販売はできないそう。
口の中であ!という発見ができるのはフランスでだけ!
季節限定の味ですので、パリにいらっしゃる際にはぜひお試しください。
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それではまた、à bientôt!
筆者
フランス特派員
HIROMI
2018年より在仏。フランスにて妊娠、出産を経て現在子育て中。
【記載内容について】
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