コロナ禍で売り上げを伸ばしたアメリカのブランドとは

公開日 : 2020年08月14日
最終更新 :

NYCでショップはオープンしたけれど

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マンハッタン・ユニオンスクエア・ストリートに人は少ない

ニューヨークシティでは、ショッピングモールのような大型屋内商業施設をのぞき、対面店が7月末からオープンし始めました。洋服や靴、コスメなど。ニューヨークシティの夏はバケーションのため住民が減り、観光客ばかりのシーズンなのですが、2020年の夏は観光客の姿はもちろんなく、ストリートはガラガラです。

店舗はオープンし始めましたが、残念ながらコロナで潰れてしまったものも多く、あまり元気がありません。コロナ禍以来、オンラインショッピングが主流になったため、対面店が始まっても、感染を恐れて客足が伸びていないようです。

対面店に足が向かないニューヨーカー

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ルイヴィトングループでコスメグッズ販売の「セフォラ(Sephora)」は、メイクやスキンケアの新製品が気軽に試せて、店内は常に女性で混み合っていました(もちろん女性の姿をした元男性など、さまざまな方がいます)。コロナ禍で店はクローズし、やっと8月近くになって再開していますが、他人と化粧品を共有して試すのには抵抗があるようです。スタッフが入口で店内に誘導するためスタンバイしていますが、このときは店内に人影はないようでした。

観光都市であるニューヨークの再開は一部であり、まだ自宅勤務や自宅待機がおもです。自宅にいるのであればメイクをする必要もなく、外出するときにはマスクが必須なので、マスクが汚れるファンデーションや口紅は不要。私は3月のコロナ禍以降、メイクアップをしたのはたったの2回だけ(!)。加えて、ものもらいのような目のトラブルがあり、眼科へ通っているので、アイメイクさえしておりません。こんなにメイクをしないのは、かつてないかも。夏にファンデーションを塗らない快適さときたら!

コロナ禍以降売れている商品は

コロナ禍以降売れた商品は、私が見る限り、マスク・ハンドサニタイザーなどPPE(感染防具)用品やハンドソープなどの石鹸類、除菌のため従来より消費量が多い住居および洗濯洗剤、自宅で過ごす時間が長いためリラックスできるルームフレグランスやアロマキャンドルなど。

洋服や靴などのファッションは、自宅で過ごす部屋着やパジャマなど、リラックスできるものが売れたようです。

コロナ禍以降売り上げを伸ばしているブランドは

米ランジェリーブランド「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA'S SECRET)」とVSの妹ブランド「ピンク(Pink)」のLブランズ(L Brands)傘下のバスアンドボディワークス(Bath & Body Works)。フルーティな香りや色のハンドソープやボディシャンプー・ボディローションのバスグッズ、ルームフレグランスなどを取り扱う、オハイオ州発のブランドです。

年に2回のセールがお得で半値から75%引きにもなるので、いつも7月の独立記念日またはクリスマス後の大セール時にまとめて購入しておりました。以前はフリーシッピング(送料無料)はしょっちゅう、値引きも大きく、オンラインで価格をチェックしただけで、「割引するよ」とか「送料無料」とメールが来ていました。過去にはお気に入りの老舗ファーマシーC.O. Bigelowも取り扱っていて、大好きなレモンボディクリームがセール時には半値ほど(3個買うと、おまけで2個無料でサービス)で買えたので、まとめて買っていたものです(残念ながら、現在はC.O. Bigelowシリーズは取り扱わなくなりました)。定価では買わず、オンラインでセールのときに買うと決めていた私のような人が多かったと思います。

ところが、新型コロナウイルスの感染が広まり、品切れになったハンドサニタイザーを皆が血眼で探しているとき、バスアンドボディワークスから、誇らしげに「ここには、ハンドサニタイザーがあります! 」「感染予防のため手を洗いましょう。香りのいいハンドソープがあります! 」などと、オンラインショッピングへ誘導するメールが届いたのです。ああ〜、バスアンドボディワークスの時代が来たのねと正直苦笑しました。

ハンドソープとハンドサニタイザーで、300%以上の増収

オハイオ州のビジネスジャーナル「コロンバス・ビジネス・ファースト」によると、ハンドサニタイザーとハンドソープの今四半期のオンライン売上高は85%急増、オンライン製品の純売上高は3月に60%増、4月に150%増加。ハンドソープとハンドサニタイザーは300%以上の増収だそうです。コロナにより、取り扱い製品がニーズに合い、波に乗ったわけですね。ほとんどの企業が減収するなか、バスアンドボディワークスは大幅な増収をあげたのです。営業できなかった対面店の損失を含めても、増収に振れたのですから大したものですね。

■参考記事

夏の大セールは、オンラインショッピングで

今年2020年の独立記念日(7月4日)のセールがあまり値引いてなかったので、売れているから強気なのだなと思いました。バスルームで愛用しているルームフレグランスが切れかけているので、買うつもりだったのですが、あまり安くない! いつもより高い! 送料無料もない! 今年は買うの止めようかなと考えていたら、セールの後半でやっと、$50以上お買い上げ送料無料、$13.5→$5などが出てきたので、粘り勝ちで購入しました。

定価$13.5のボディソープやローションは$5〜7、定価1パック$14.5(2個入り)のルームフレグランスは3パック$28、さらに送料無料で納得のいく買い物に。2020年の夏はどこへも行けないので、せめてバスタイムを楽しめるバスグッズで自分を慰めることにしましょう。

なお、同じLブランズだったヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA'S SECRET)はオーナーのゴシップや売り上げの激減で、Lブランズから切り離される予定。モデルで一番ギャラが高いと言われたヴィクトリアズ・シークレットのエンジェルのファッションショーも、2019年は行われませんでした。

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粘り勝ちで、オンラインでお得に買ったバスアンドボディワークスの製品

All Photos by [Hideyuki Tatebayashi ] Do not use images without permission.

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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