1000年前から続くファミリーの居城 マントン・サン・ベルナール城
ディズニーの眠れる森の美女に出てくる城のモデルではないかと言われているLe Château de Menthon-Saint-Bernardル・シャトー・ドゥ・マントン・サン・ベルナール。聖ベルナールに由来します。
ヴァカンスでアヌシーのこの地を訪れたウォルト・ディズニー、この城からイマジネーションを得たのかもしれませんね。
日本からの観光はいまだ難しい状況ですが、せめて写真でお楽しみください。
フランス東部オート=サヴォア県アヌシー湖を臨む地にそびえ建つ古城です。アヌシー湖を横目に見ながら城に向かいます。森に囲まれた道を進むと城が見えてきました。
シンデレラ城の華やかなイメージとはまた違い、神秘的な美しさで風格あるたたずまいがまさに眠れる森の美女の世界。
特別な衣装を着けた俳優の方々が、ドラマティックに説明しながら案内してくださいました。
中世の世界に入り込んだようでワクワクします。ただ、もちろんマスク着用ですが......。
城に入ると吹き抜けになっていてここからも塔が見えます。
12世紀には大きな3つの四角い塔があるだけの城塞でしたが、Menthonマントン家によりルネサンス期に居城としてその姿を変えていきます。そのあと18世紀終わりにはアヌシー湖に向かってファサードが築かれます。現在の所有者の曾祖父にあたる、René de Menthon ルネ・ドゥ・マントンの下で城はさらにロマンティックに、美しく変貌します。
なんとこのマントン家、23代目にあたるファミリーがいま現在もこの城で暮らしています。1000年もの間、同じファミリーが城を所有し続けてここで暮らしていることに驚きです。古城が好きな私はいろいろなお城を見てきましたが、ひとつのファミリーが変わらずに暮らす居城、感慨深いです。
さらに城の中へ進んで行きましょう。
礼拝堂。
ここで静かに祈りを捧げ、いつも心を平静に保つ。1000年以上続くファミリーには大事なことです。
次は台所です。ピカピカに磨かれた銅鍋が並んでいます。
テーブルのそばの床には何やら取手が......なんと冷蔵庫でした。
料理はこのトンネルで食堂まで運ばれます。
台所の天井は吹き抜け、上の階から見下ろせるようになっています。木の細工が美しいですね。
図書室。マントン家の歴史のなかで引き継がれてきた膨大な数の本。
次はサロンです。ここは衣装を着けた女性の方が案内してくださいました。
ここでお茶を飲みながら談笑する声が聞こえてきそうです。
ステンドグラスの窓。
手の込んだ細工の家具が置かれた寝室。
騎士の部屋には当時の鎧が。なんだか動き出しそうです。
次の部屋は再び台所?? ここは客人の接待とは別に、この地を通る旅人に食事を提供していた食堂で食卓のそばに石窯や暖炉があります。当時の過酷な旅で疲れ切った旅人も、温かいスープなどで心と体を温めたことでしょう。
城から見たアヌシー湖。
広大な敷地の城、どこを見ても完璧に整えられています。1000年以上も所有し続けるにはいくたの困難もあったと思いますが、地域とのつながり、自然環境を大切にして思慮深いファミリーの努力にほかならないでしょう。歴史を守り続ける姿に感銘を受けました。
■Château de Menthon Saint-Bernard
・住所: Allée du Château
74290 Menthon-Saint-Bernard
・TEL.: +33 7 81 74 39 72
筆者
フランス特派員
ティエリー
南フランス / コートダジュールでフランス人の夫&猫と暮らしています。現地から素敵な写真、おいしい写真もお届けしています。
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