イギリス国内列車、30分以上の遅延ならば返金クレーム手続きを!
先日ヨークシャー州からロンドン経由で自宅に帰ったときのこと。本来ならばヨーク駅発の列車が、約2時間ちょっとでロンドンのキングス・クロス駅に到着する予定でしたが......。
なんと途中で電車線(電車の頭上を走る電線)の故障が発生し、乗っていた電車が立ち往生してしまいました! 何しろ車両の故障ではなく電力が通らないのですから、かなり深刻。結果的に合計3時間も遅れてしまいました。
気温はあまり高くない日だったので、エアコンが切れても汗だく熱中症にならなかったのは不幸中の幸い。それに車両内トイレの水洗システムは電力を使わないので、支障なく使えたのもホッとしました。笑
もちろん乗客は皆イライラが募っていましたが、動かないものは仕方ない。イギリスの鉄道は日本よりもこういう事態が多いので、溜め息をつきながらも諦めの境地で辛抱強く待つのが、よくも悪くもイギリス流と言えます。
さらにイギリス国内鉄道では、30分以上の遅延に対して返金クレームをすることができるんですよ(ちなみにロンドン交通局が運営する地下鉄などでは15分以上の遅れからですが、ほかの鉄道会社では30分以上からです)。
返金クレームの手続きは基本、その乗車チケットを買ったところで行います。たとえば駅の窓口で買ったならば同じ窓口へ、また各社ウェブサイトでのオンライン購入ならば同じウェブサイトにて。
この点について国内鉄道を統率するナショナル・レイルによる説明があるので、こちらのリンクをご参照ください。また同リンク内の下部に各鉄道会社のロゴマークが並んでおり、利用した会社のロゴをクリックすると新しいウィンドウでその会社のオンライン返金クレーム欄が開きます。
肝心の返金額は各社によって微妙に違うようですが、たとえば私が今回利用したLNER(ロンドン・ノースイースタン鉄道)の場合は以下のとおり。
30分~59分の遅延:運賃の50%が返金
60分~119分の遅延:運賃の100%が返金
120分以上の遅延:運賃の100%および復路分チケット代も返金
また返金方法についても各社規定によりますが、LNERの場合は銀行口座への振り込みやPayPalなど数種類から選ぶことができました。返金処理までに数日から最長4週間の猶予が必要とのこと。
今回は自宅へ帰るだけだったので帰宅が3時間ほど遅れただけで済み、また100%返金にもなったので、疲れたけれど結果的にはそれほど不満ありませんが......ビジネスミーティングや冠婚葬祭などだったらたいへん。
運賃の返金よりも、遅れず運行してくれるのが一番。でももし電車が30分以上遅れた場合には、返金クレームをしましょうね!
筆者
イギリス特派員
小野雅子
在英30年を過ぎました。初めてイギリスへいらっしゃる方にも分かりやすいロンドン観光&文化情報を中心に、イギリス各地やヨーロッパの情報もご案内いたします!
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