スイスにも足を延ばせる!フランス第2の都市・リヨンと周辺都市の見どころ

公開日 : 2022年12月06日
最終更新 :

リヨンは「美食の町」「絹の町」「映画の生まれた町」などさまざまな側面をもつフランス第2の都市です。そのリヨンでチェックしておきたいスポットと、リヨンから少し足を延ばして観に行きたい場所をまとめました。

リヨンの歴史を感じながら町を一望する

ノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂から見たリヨンの町並み ©iStock
ノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂から見たリヨンの町並み ©iStock

リヨンの町の中心部は、ソーヌ川とローヌ川というふたつの川が、北から南へ縦断するように流れています。そのふたつの川に挟まれたプレスキル地区がリヨンの中心部です。そこから西側、ソーヌ川を渡った先が旧市街、一方で東側ローヌ川を越えた先がパール・デュー地区です。リヨンの主要駅はふたつあり、プレスキル地区にあるのがペラーシュ駅、パールデュー地区にはパール・デュー駅があり、どちらもパリなどフランス国内の主要都市をつなぐ高速鉄道TGVが発着します。

リヨンを初めて訪れたのなら、まず行きたいのがフルヴィエールの丘と、ソーヌ川とフルヴィエールの丘に挟まれた旧市街です。ケーブルカーを使って登れるフルヴィエールの丘の上にはノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂が鎮座し、またその展望台からはリヨンの町を一望できます。近くには紀元前43年に造られたガロ・ローマ時代の遺跡であるローマ劇場が見える博物館があります。

丘を下った先の旧市街は、イタリア・ルネサンス様式の建物が並んでいます。リヨン歴史博物館とマリオネット博物館(リヨンはフランス語でギニョールと呼ばれる「人形」の町としても有名)が入るガダーニュ博物館をはじめ、12世紀に造られたサン・ジャン大聖堂やサン・ポール教会があります。また旧市街にはトラブールと呼ばれる、建物の中庭を通って路地を行き来できるように設計された道を見ることができます。これはリヨンで織物工業が盛んだった頃に、織物を雨で濡らさないように運ぶための名残です。

リヨンの中心部であるプレスキル地区を歩く

ベルクール広場にあるルイ14世像 ©iStock
ベルクール広場にあるルイ14世像 ©iStock

プレスキル地区はベルクール広場を中心に広がっています。この広場でチェックしたいのがフランス国王ルイ14世像のほかにサン=テグジュペリ像。サン=テグジュペリはリヨン生まれの作家で小説『星の王子さま』で有名です。リヨンの最寄り空港もリヨン・サン=テグジュペリ空港と、彼の名前が冠されています。

ベルクール広場から東側、ローヌ川に面した場所には国際美食館があります。ここでは食事の楽しみについて学べるほかに、健康や生活の質、フランスのライフスタイルについても知ることができます。リヨンは有名なミシュランの星付きシェフだった故ポール・ボキューズに代表されるように、美食の町です。高級レストランだけではなく、「ブション」とよばれるリヨンの郷土料理を出す手頃なレストランも多く、食の国フランスの中においても、さらに食のレベルが高いことで知られています。

スポット名
Cité Internationale de la Gastronomie(国際美食館)
住所
1 place de l'Hopital 69002

プレスキル地区の北側には、リヨン市庁舎をはじめ、リヨン美術館、オペラ座などがあります。リヨン美術館では、古代エジプトからギリシア、ローマ時代、ルネッサンス、そして現代美術まで幅広い所蔵品を有しています。オペラ座は内装をフランスの建築家ジャン・ヌーヴェルが担当。現代建築に興味がある人は押さえておきたい場所です。

もし映画好きならぜひチェックしておきたいのがリュミエール博物館。ベルクール広場にあるベルクール駅から地下鉄で5つ目にあり中心部からは少し離れますが、ここでは映画の発明者であるリュミエール兄弟の邸宅が映画博物館として公開されています。邸宅の隣にはリュミエール兄弟の父が営んでいた工場跡が残っており、工場を退勤後の従業員の帰宅風景を撮影した最初の映画『工場の出口』はここで撮られました。

旅行者の興味別、訪れてみたいリヨン近郊の町

中世の町並みが残るペルージュ ©iStock
中世の町並みが残るペルージュ ©iStock

リヨンの周囲には魅力的な町は多いのですが、もし歴史が好きならリヨンから北東にあるペルージュがおすすめ。丘の上にある中世の建築物が多く残った集落で、フランス国内168の村々が加盟するフランスの最も美しい村協会に入っていますペルージュが織物産業やワイン造りで栄えたのは14〜15世紀。しかし18世紀になると丘の下に住民が移り住んでいき、町並みが残されました。その後、一時はほとんど住む人もいなくなっていたのですが、町並みを保存する活動が起き、現在は住む人も戻ってきています。リヨンからはバスで約1時間。下車後は徒歩約15分で着きます。

ワインが好きなら、リヨンはボージョレにも近いです。ボージョレとは日本でも有名なボージョレ・ヌーヴォーのワインを生産する地区。ワイナリーもたくさんあり、その中でもボージョレを代表する生産者であるジョルジュ・デュブッフのテーマパーク「ル・アモー・デュヴァン」そこでは試飲もできます。リヨンからは列車TERで40分ほど。ロマネシュ・トランで下車します。

建築に興味があるなら、リヨンの周囲にある建築家ル・コルビュジエ作品を巡る旅はいかがでしょうか。ラ・トゥーレット修道院はリヨンからTERまたはトラムに25〜45分乗ったあと、徒歩30〜40分で着きます。フェルミニのル・コルビュジエ作品群はリヨンからTERでフィルミニ駅まで約1時間20分。そこからバスで5分ほどの場所にあります。文化の家、集合住宅であるユニテ・ダビタシオン、競技場のほかに、ル・コルビュジエが亡くなってから40年後に設計図をもとに建てられたサン・ピエール教会があります。

さらに足を延ばしてフレンチアルプスの都市やスイスも

アヌシー湖はヨーロッパで最も透明度が高い湖
アヌシー湖はヨーロッパで最も透明度が高い湖

リヨンはアルプスにも近く、山や湖を擁したリゾートやスイスへのアクセスもいいです。ウインタースポーツが好きならグルノーブルやシャモニー、アルベールヴィルといった冬季五輪も開催された山岳リゾートとセットで旅程を組んだり、湖畔でゆっくりしたいならアヌシーを加えてみたりするのもおすすめです。

国境を越えてスイス側に入り、レマン湖西端のジュネーブや湖北部のローザンヌへ抜けるルートも選べますし、レマン湖南部のフランス側にはミネラルウォーターの源泉地で有名なエヴィアン、トノン・レ・バンといった町も点在しています。都市(リヨン)に山を加えて変化のある旅にしてみましょう!

監修:地球の歩き方

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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