【2024年最新】長期滞在や短期移住希望者必見!タイに長期滞在するのに必要なビザについて、各種取得手続きなどを解説

公開日 : 2022年12月08日
最終更新 :
筆者 : 水野 純

一週間程度の観光旅行でタイを訪れるならビザは不要ですが、30日以上の長期旅行を計画している、あるいは引退後に南国で長期滞在しのんびりした生活を楽しんでみたい、そのような場合はビザが必要となります。どのようなビザがあるのか、どうすれば取得できるのかを解説します。

タイで長期滞在するのにビザは必要なの?

観光目的でタイに滞在する場合、日本国籍で下記の条件を満たしていれば、ビザなしで30日(29泊30日)までの滞在が許可されます。

  • パスポートの有効期間が入国日から数えて6ヵ月以上残っていること
  • 1人あたり1万バーツ(約3万8千円)、または1家族あたり2万バーツ相当額以上の現金や旅行資金を所持していること
  • 30日以内の出国が確認できること(航空券、鉄道、バス、船などの予約済みチケットがある)

これらの条件を満たしていない、あるいは30日以上連続して滞在する場合は、ビザが必要となります。

どんなビザがあるの?

タイのビザ申請書の例
©iStock タイのビザ申請書の例

ビザには就労や留学、観光、永住などさまざまな種類があります。ここではおもに旅行や長期滞在、短期移住向けのビザを紹介します。

ツーリストビザ:短期
観光目的で30日以上滞在する際に取得するビザ。60日(延長すれば90日)の滞在が可能です。

ノンイミグラントビザ:中期
長期滞在、短期移住などで比較的長く滞在する際に取得するビザ。満50歳以上で基準以上の年金など収入や預貯金があり、タイの治安を脅かすような犯罪歴がなく、仏暦2535年の省令に定められる禁止疾患(ハンセン病・結核・麻薬中毒・象皮病・第三期梅毒)に罹患していなければ申請できます。ノンイミグラントビザは数タイプあり種類によって、90日から5年(延長すれば10年)の滞在が可能です。

タイランドプリビレッジ(タイランドエリート):長期
タイ政府による会員権的な長期滞在プログラムで、タイ国政府観光庁直営の国営企業が運営しています。会員の種別によって、最長20年の滞在が可能なビザが取得できます。入会条件はそれほど厳しくありませんが、入会金として最低90万バーツ必要で、入会金の金額によって滞在可能期間が異なります。

それぞれのビザの申請条件や取得方法は?

ビザの種類によって必要な書類が異なりますのでご注意ください。以下は基本的に、日本国籍の成人が申請する場合の必要書類です。日本国内のタイ大使館や領事館でビザを申請する際は、事前にオンラインでの予約が必要です。

ツーリストビザ
観光目的で30日以上滞在するためのビザ。

【基本情報】
申請者本人または代理人が申請
ビザの有効期間:ビザ発行日から3ヵ月
滞在可能日数:入国日から60日間。出国すると無効(シングルエントリー)。30日の延長が1回のみ可能
申請料:4500円

【必要書類】
1.有効な旅券(残存有効期間が6ヵ月以上、査証欄の余白部分が2ページ以上あるもの)
2.申請書(大使館のウェブサイトからダウンロードできる。すべての欄を記入し、パスポートと同一の署名)
3.申請者カラー写真1枚(タテ4.5cm×ヨコ3.5cm。6ヵ月以内に撮影したもの。申請書に貼付)
4.経歴書(大使館のウェブサイトからダウンロードできる。すべての欄を記入し、パスポートと同一の署名)
5.往復の航空券または予約確認書のコピー(申請者氏名、タイ入国日が明記されていること)
6.申請者の英文銀行残高証明書(2万バーツ以上相当額の残高が証明できること)
7.入国後の隔離施設(AQもしくはSHA Extra+)の予約確認書(申請者の個人名が記載されていること)
※AQは政府代替検疫施設、SHAは健康安全基準認定事業者を指します。
8.隔離後のタイ滞在期間中の滞在先を証明する以下の該当する書類
 a.ホテルの予約確認書
 b.アパート、マンション、コンドミニアム所有者は賃貸契約書または所有権利書のコピー
 c.友人、家族宅などへ滞在する場合は以下の1〜4の該当するすべての書類
 1.タイ滞在中の友人/家族からの手紙(いつ、どこで、誰と、どのような目的で滞在するのか、申請者とどのような関係かなどが記載されていること)
 2.タイ滞在中の友人/家族の身分証明書コピー。タイ人の場合はタイ国民身分証明書コピー、外国籍の場合はパスポートコピーと有効期間のあるビザページコピー(タイに滞在している者が就労している場合は、有効期間のある労働許可証のページコピーも提出すること)
 3.タイ滞在中の友人/家族名義のアパートやコンドミニアムの賃貸借契約書もしくは所有権利書のコピー
 4.タイ滞在中の者が家族の場合は、戸籍謄本原本(発行から3ヵ月以内)
9.詳細な行程と渡航の目的を説明した文書(英文のみ。書式の指定はない)
10.職業を証明する以下の該当する書類
 A.会社員は1〜3の原本全て:1.在職証明書、2.休職(休暇)証明書、3.会社登記簿謄本(発行から3ヵ月以内)
 B.会社経営者、自営業:会社登記簿謄本原本(発行から3ヵ月以内)
 C.学生:学校発行の在学証明書原本
 D.年金受給者:年金証書原本及びコピーもしくは受給年金額が確認できる書類原本及びコピー
 E.職についてない場合は1〜2の全て:1.納税証明書もしくは非課税証明書、2.身元保証書原本と保証人の署名入りのパスポートまたは運転免許書のコピー(身元保証書は大使館のウェブサイトからダウンロードできる)
11.日本の市町村発行の新型コロナウイルス感染症予防接種証明書コピー

ノンイミグラント-O、通称リタイアメントビザ
©iStock ノンイミグラント-O、通称リタイアメントビザ

ノンイミグラント-O(年金受給者/リタイアメント)
満50歳以上の年金生活者が長期滞在するためのビザ。

【基本情報】
申請者本人が申請
申請時に満50歳以上で月額6万5000バーツ相当額以上の年金受給者なら申請できる
ビザの有効期間:ビザ発行日から3ヵ月
滞在可能日数:入国日から90日間。出国すると無効(シングルエントリー)。延長可能。
申請料:9000円

【必要書類】
1.有効な旅券(残存有効期間が6ヵ月以上、査証欄の余白部分が2ページ以上あるもの)
2.申請書(大使館のウェブサイトからダウンロードできる。すべての欄を記入し、パスポートと同一の署名)
3.申請者カラー写真1枚(タテ4.5cm×ヨコ3.5cm。6ヵ月以内に撮影したもの。申請書に貼付)
4.経歴書(大使館のウェブサイトからダウンロードできる。すべての欄を記入し、パスポートと同一の署名)
5.往復の航空券または予約確認書のコピー(申請者名、タイ入国日が明記されていること)
6.金融証明書:以下いずれかの書類原本とコピー1部
 a.月額6万5000バーツ相当額以上の受給額が確認できる年金証書及び最新の額面入り年金振込通知書
 b.過去3ヵ月間の残高が80万バーツ相当額以上ある英文銀行残高証明書
 c.収入証明書(年間)と英文銀行残高証明書(合算で80万バーツ相当額以上あること)
7.戸籍謄本原本(発行から3ヵ月以内のもの)
8.日本の国公立病院発行の英文健康診断書原本
9.英文身元保証書原本と保証人の署名入り旅券または運転免許証のコピー(身元保証書は大使館のウェブサイトからダウンロードできる)
10.タイもしくは日本の海外旅行保険の医療保険証(保険証券)の原本及びコピー1部(タイ国内で治療費用補償がある保険で、保険金額が外来の場合4万バーツ以上、入院の場合40万バーツ以上あり、滞在予定期間が補償されていること)
11.OIC (Office of Insurance Commission) 規定書式の医療保険加入証明書原本とコピー1部(加入した保険会社にOIC規定書式の証明書発行を依頼する)

タイでのんびり過ごす男性
©iStock タイでのんびり過ごす男性

ノンイミグラント-O-A(ロングステイ)
満50歳以上で規定以上の預貯金や収入がある人が長期滞在するためのビザ。

【基本情報】
申請者本人が申請
申請時に満50歳以上なら申請できる
ビザの有効期間:ビザ発行日から1年間
滞在可能日数:入国日から1年。複数回出入国可能(マルチプルエントリー)。1年の延長が1回のみ可能
申請料:2万2000円

【必要書類】
1.有効な旅券と旅券の全ページコピー2部(残存有効期間が1年6ヵ月以上、査証欄の余白部分が2ページ以上あるもの)
2.申請書原本とコピー1部(大使館のウェブサイトからダウンロードできる。すべての欄を記入し、パスポートと同一の署名)
3.申請者カラー写真2枚(タテ4.5cm×ヨコ3.5cm。6ヵ月以内に撮影したもの。申請書に貼付)
4.経歴書原本とコピー1部(大使館のウェブサイトからダウンロードできる。すべての欄を記入し、パスポートと同一の署名)
5.往復の航空券または予約確認書のコピー2部(申請者名、タイ入国日が明記されていること)
6.金融証明書:以下いずれかの書類原本とコピー1部(どれも発行から3ヵ月以内で公証人役場と外務省の認証を受けること)
 a.80万バーツ相当額以上の残高が確認できる英文銀行預金残高証明書原本
 b.月額6万5000バーツ相当額以上の受給額が確認できる年金証書原本
 c.年金証書原本と英文銀行残高証明書(合算で80万バーツ相当額以上あること)
7.英文無犯罪証明書原本(発行から3ヵ月以内。外務省の認証を受けること)
8.日本の国公立病院発行の英文健康診断書原本とコピー1部(公証人役場と外務省の認証を受けること)
9.日本の海外旅行保険証(医療保険証/保険証券)の保険証券原本及びコピー2部、またはタイ国内保険会社の医療保険証(保険証券)原本及びコピー2部(タイ国内で治療費用補償がある保険で、補償期間は入国してから1年以上であること、又はそれ以上滞在予定の場合は滞在期間が補償されていること。新型コロナウイルス感染症及び関連疾患の治療費を含む10万米ドル以上もしくは300万バーツ以上の治療補償額があること。
10.OIC (Office of Insurance Commission) 規定書式の医療保険加入証明書原本とコピー1部(加入した保険会社にOIC規定書式の証明書発行を依頼する。書類は外務省の認証を受けること)

ノンイミグラント-O-X(ロングステイ10年)
満50歳以上で規定以上の預貯金や収入がある人が、より長期滞在するためのビザ。

【基本情報】
申請時に満50歳以上なら申請可能。
ビザの有効期間:ビザ発行日から5年間
滞在可能日数:入国日から5年。複数回出入国可能(マルチプルエントリー)。5年の延長が1回のみ可能
申請料:4万4000円

【必要書類】
1.有効な旅券(残存有効期間が6ヵ月以上、査証欄の余白部分が2ページ以上あるもの)
2.申請書原本とコピー1部(大使館のウェブサイトからダウンロードできる。すべての欄を記入し、パスポートと同一の署名)
3.申請者カラー写真2枚(タテ4.5cm×ヨコ3.5cm。6ヵ月以内に撮影したもの。申請書に貼付)
4.経歴書原本とコピー1部(大使館のウェブサイトからダウンロードできる。すべての欄を記入し、パスポートと同一の署名)
5.往復の航空券または予約確認書のコピー2部(申請者名、タイ入国日が明記されていること)
6.金融証明書:タイ国内のタイの銀行預金残高証明書で、以下のいずれかの書類原本とコピー1部
 a.預金残高300万バーツ以上が確認できること
 b.預金残高180万バーツ以上が確認できる証明書と年120万バーツ以上の収入を証明できる証明書原本
7.英文無犯罪証明書原本(発行から3ヵ月以内。外務省の認証を受けること)
8.日本の国公立病院発行の英文健康診断書原本とコピー1部(外務省の認証を受けること)
9.タイもしくは日本の海外旅行保険の医療保険証(保険証券)の原本及びコピー1部(タイ国内で治療費用補償がある保険で、保険金額が外来の場合4万バーツ以上、入院の場合40万バーツ以上あり、滞在予定期間が補償されていること。新型コロナウイルス感染症及び関連疾患の治療費を含む治療補償額が10万米ドル以上もしくは1,100万円以上あること)

タイランドプリビレッジ(タイランドエリート)
短い期間内に何度も出入国する場合や、長期滞在を繰り返す人に便利。

【基本情報】
入会にあたっては、大使館や領事館に申請するビザとは異なり各種書類を用意する必要はありません。入会申請書とパスポートの画像データ、顔写真、申請料5万バーツ(入会が認められた場合、入会金に充当)を用意してメールやLINE経由で申請するだけ。5年間有効のメンバーシップは会費90万バーツ、10年間は150万バーツ、15年間は250万バーツ、20年間なら500万バーツ(招待制)。

ビザの延長手続きはどこで?

タイ入国後に滞在期間を延ばすには、バンコクをはじめタイ国内主要都市にある入国管理局(イミグレーション)で延長手続きをします。必要書類はオフィスに用意されている申請用紙、写真(タテ6cm×ヨコ4cm)2枚、パスポート。

問題がなければ即日延長が許可されます。手数料は1900バーツです。パスポートの残存有効期限が延長できる日数よりも短い場合、ビザはパスポートの有効期限までしか延長されません。

長期滞在時の注意点は?

90日レポートを提出
タイに90日以上連続して滞在する場合、入国管理局に居住地報告(90日レポート)を提出する必要があります。オンラインでの申請も可能です。

就労禁止
ここで紹介しているすべてのビザは、タイ国内での就労を禁止しています。

オーバーステイ
許されている滞在可能日数を超えてしまった場合、出国の際に超過1日あたり500バーツの罰金が科されます。オーバーステイが90日を超えていた場合、犯罪行為として罰則が科されます。最長10年間タイへの入国が不可になるので気をつけましょう。

最後に

タイを観光する人々
©iStock タイを観光する人々

以上の情報は、新型コロナウイルスによる入国制限措置が実施されている期間の申請に必要な書類となり、通常時とは異なる点がありますのでご注意ください。実際に申請される際は、必ず最新の情報を下記大使館や領事館などのウェブサイトでご確認ください。

在東京タイ王国大使館
URL:https://site.thaiembassy.jp/jp/

タイ王国大阪総領事館
URL:http://www.thaiconsulate.jp/wwwj/

在福岡タイ王国総領事館
URL:https://fukuoka.thaiembassy.org/jp/index

タイランドプリビレッジ(タイランドエリート)
URL:https://thailandelite.world/

監修:地球の歩き方

※こちらの記事は、1バーツ:3.8円で計算しています。

トップ画像:iStock

筆者

地球の歩き方編集

水野 純

『地球の歩き方タイ』を始め『バンコク』『ミャンマー』『バングラデシュ』編集担当。

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