ニューヨーク在住者が本音で教える「チェルシー・マーケット」の推しグルメ
ニューヨーク観光で旅行者に大人気の「チェルシー・マーケット」は、グルメ天国。アメリカ、メキシコ、ドイツ、イタリア、フランス、中国、インド、タイ、韓国、日本など各国の味が揃い、40店舗以上の飲食店で、軽食からデザートまでお好きなものが選べます。各店舗ともおしゃれで活気にあふれ、店の前には常に食いしん坊たちが長い列を作っています。ワクワクする雰囲気に、思わずあれもこれもと食べたくなりますよ。でも、たくさんの店舗があるなかで実際にどの店がおいしいのでしょうか? 現地在住の筆者が、本音でチェルシー・マーケットのチェックすべきグルメをご紹介します!
地元民にも大人気の店
行列の長さ第1位!タコス屋「ロスタコス・ナンバーワン」
チェルシー・マーケットの人気ナンバーワン・グルメといえば、タコスに自信ありの「ロスタコス・ナンバーワン」。奥まった場所にありますが、常に長い行列ができています。
メキシコを代表するタコスは、トルティーヤと呼ばれる皮(とうもろこしの粉または小麦粉)に、ビーフ、チキン、ポークなど好きな具材を挟んだ料理。ちなみにトルティーヤに挟める具材としては、メキシコではサボテンが一般的だとか。
注文を受けてから、ジュージューと焼いたビーフやポークを切って、ハンドメイドのトルティーヤにのせてくれます。アツアツの肉がのったタコスはとてもおいしそうです。
カウンターにあるライムやサルサは無料なので、忘れずにもらいましょう。15丁目寄りの場所にあり、店内のドアを開けて外に出ると、ストリート沿いに自由に座れる飲食スペースがあります。
【在住者の本音コメント】
筆者はあまりの行列の長さに並ぶことを諦めましたが、ジューシーな肉がのったタコスはおいしいに違いありません。次回は絶対食べると心に決めました。
行列の長さ第2位!台湾発手打ち麺の「ベリーフレッシュ・ヌードル」
チェルシー・マーケットで2番目の人気グルメは、台湾発手打ち麺の「ベリーフレッシュ・ヌードル」。その名のとおり、目の前で手打ちした新鮮な麺を食べさせてくれます。看板メニューのビャンビャン麺 (Biangbiang noodle) は、モチモチとした食感が人気。
メニューの一番人気は「台湾風牛肉麺(Taiwanese Beef Noodle Soup)」。辛いもの好きには激辛の「坦々麺」が人気だそう。こちらの店にはほかにもヴィーガン・メニューがあります。
【在住者の本音コメント】
カウンター席が10席強と客席数が少ないので、長蛇の列ができていますが、回転が早いので思ったよりは長く待たないようです。
ベリーフレッシュ・ヌードル(英語名:Very Fresh Noodles)
- 住所
-
チェルシー・マーケット1階
409 W. 15th St., New York, NY 10011 - 営業時間
-
火〜土曜日11:00 –19:00
日曜日 11:00 –17:00 月曜日は休み
客席数の多さ第1位!新鮮な海鮮がウリの「ロブスター・プレイス」
チェルシー・マーケットに来るのは、「ロブスター・プレイス」が目当てという観光客も少なくありません。ガイドブックにも必ず掲載されている有名店です。観光客は「せっかくニューヨークに来たのだから、豪華に新鮮な海鮮を」と楽しみにしているようです。
店内で人気だったのは、ネタが充実した寿司カウンター(飲食のほかに要チップ)、バターソースをつけて食べる丸茹でのロブスターでした。店内はファストフード店のような雰囲気ですが、全体的に料金が高めなので、おなかいっぱい食べたければ大枚をはたく覚悟が必要かもしれません。
【在住者の本音コメント】
大がかりな改装工事をする前の「ロブスター・プレイス」は、雑然としたデリ風の店内でした。その当時はスープポットからセルフサービスでカップに注げたので、どのスープにするか決める前にちょっと味見したり(ほぼ全員がしていた。味見だけの人もいたかも?)、具が多いところをよそったりしていました。筆者はコクがあるロブスター・ビスク(ロブスターのクリームスープ)やクラムチャウダーなどのスープが大好きでした。現在は自分でカップに注ぐことはできず、オーダーをして、指定場所で受け取ります。店内は海鮮市場、職人が目の前で寿司を握るカウンター、ロブスターを食べるフリースペース、オーダーする場所、各受け取り場所と整理されました。混沌としていた過去の店内が懐かしい気がします。
大好きなロブスター・ビスクは、長年の味とは変わってしまいました。以前のようなロブスターの潮の香り、コク、ボディの強さが消えています。スープを買い求める人は減っているようでした。
また、看板メニューのひとつ、ロブスター・ロールは、思ったより小ぶりで挟んであるロブスターの量の少なさにびっくり。1個23ドル(+税金)に対して、内容量が貧弱な気もしました。
「チェルシー・マーケットではロブスター・プレイスが定番」に流されず、ほかのおいしい店を考慮に入れてもよいかもしれません。
ロブスター・プレイス(英語名:Lobster Place)
- 住所
-
チェルシー・マーケット1階
75 9th Ave., New York, NY 10011 - 営業時間
- 月〜日曜日11:00 –21:00
おしゃれな店内に気分が上がるパスタ・バー「ラ・デヴォツィオーネ」
イタリアで3代続くパスタメーカーが、アメリカに初出店した「ラ・デヴォツィオーネ」。洗練されたデザインの店内には、126種類以上の形状のパスタがディスプレイされています。
テイクアウトなら10~15ドルと気軽な値段で、本場の味をしゃれたパッケージで持ち帰ることができます。代表的なメニューは、トマトとバジルのスパゲティ「ラ・デヴォツィオーネ」(テイクアウトの場合15ドル、2023年1月時点)。
ラ・デヴォツィオーネ(英語名:La Devozione)
- 住所
-
チェルシー・マーケット1階
75 9th Ave., New York, NY 10011 - 営業時間
- 日〜木曜日12:00 –20:00、金・土曜日 -22:00?
イタリアのシチリア島から来たピッツア「フィラガ」
口コミで評価の高いピッツェリア「フィラガ」は、イタリアのシチリア島の地名から店名をつけています。珍しい四角いピッツアのトッピングは、プロシュート(生ハム)やモッツアレラチーズ、茄子、バジルなど目にも美しいイタリアの恵みがたっぷり。
ニューヨークで本格的なシチリア・ピッツアが食べられると評判になっています。
フィラガ(英語名:Filaga)
- 住所
-
チェルシー・マーケット1階
75 9th Ave., New York, NY 10011 - 営業時間
- 月〜日曜日11:30 –19:00
- 公式サイト
- https://www.filaga.com/
パンの有名店「エイミーズ・ブレッド」
もともとはマーケティングの仕事をしていたエイミー・シャーバー氏は、料理やパン作りが好きだということに気づき、オフィスワーカーを辞めて料理学校へ通いました。フレンチの名店「ブーレー」でパティシエとして働き、フランスの3つのパン屋で修行を積んで、1992年ヘルズキッチンに自分の名を冠した「エイミーズ・ブレッド」をオープン。
現在ニューヨーク市内の3店舗のほか、ニューヨーク公共図書館、ニューヨーク市立博物館、ニューヨーク・デザインセンターにもカフェがあり、多くのカフェやレストランに卸売も行なっています。
【在住者の本音コメント】
日本人には知名度の高い「エイミーズ・ブレッド」ですが、ニューヨークではブームは去っているようで、現在では並ばずに買うことができます。全盛期に増えた支店も整理され、ウエスト・ビレッジ店は閉店しています。
チェルシー・マーケットの店舗では、パンはショーケースに並んでいるので欲しいものを指差してとってもらう方式です。筆者が買ったバゲットはかなりかたかったので、ハード系のパンが好みの方は一度試してみてはいかがでしょうか。
また、こちらのパンは添加物や防腐剤が含まれていないため、原材料に気を使っている方も安心です。
ニューヨークの朝食の女王「サラベス・ベーカリー」
「ニューヨークの朝食の女王」と称えられる、1981年創業の「サラベス」。チェルシー・マーケット内のベーカリーにはオープン・キッチンがあるので、お菓子やマフィンを焼く様子を眺められます。
運がよければ、サラベス氏本人がキッチンに立つ姿が見られるかもしれません。レストランが併設されていないので店内飲食はできず、フレンチトーストやサンドイッチなどすべて持ち帰りになります。ベーカリー前のテーブル席のほか、マーケット内のフリースペースを利用するとよいでしょう。
【在住者の本音コメント】
筆者がサラベスで好きなのは、「ピーチアプリコット」のジャム。旅行者時代、タオルでしっかり包み、スーツケースに入れて日本へ持って帰っていました。
サラベス・ベーカリー(英語名:Sarabeth’s Bakery)
- 住所
-
チェルシー・マーケット1階
75 9th Ave., New York, NY 10011 - 営業時間
- 月〜日曜日9:00 –17:00
- サラベスのフルーツジャムメニュー
- https://www.sarabeth.com/Preserves_c_1.html
ヴィーガン食材のアイスクリーム・ショップ「シード+ミル」
ヘルシー志向のニューヨーカーは、ヴィーガンでも、おしゃれでおいしいお店を求めます。胡麻を食材にしたイスラエル発の「シード+ミル」はヴィーガン食材で栄養価が高く、アイスクリームには列ができていました。
シード+ミル(英語名:Seed + Mill)
- 住所
-
チェルシー・マーケット1階
409 W. 15th St., New York, NY 10011 - 営業時間
-
月〜木曜日12:00 –18:00
金曜日 12:00 – 19:00
土・日曜日 11:00 – 19:00 - 公式サイト
- http://seedandmill.com/
現地在住者が教える穴場グルメ。地下階も見逃さないで!
チェルシー・マーケットは、地下にも「チェルシー・ローカル」と銘打っている魅力的な店舗があります。1階よりすいていてゆっくりできる地下階は穴場。フリースペースも充実しており空席を見つけるのも楽ですよ。地下階の店舗をどう使いこなすか、現地在住の筆者がアドバイスします。トイレも地下階にありますよ。
生ハムやチーズ、イタリアの惣菜にワクワク「Buon'Italia」
気に入った食材を少しずつ買って、ホテルでワインとともに楽しむのもよいアイディア。イタリア食材店「ヴォニタリア」では熟成させたチーズやハンドメイドのモッツァレラチーズ、1年〜2年半も寝かせたプロシュート(生ハム)と、イタリアの惣菜に誘惑されます。
英語ができなくても自分の欲しいものを指差して、「a little bit, please(少しだけくださいな)」と言えば通じると思います。ちなみに、1Lb(パウンド)が453グラムですので、100グラム程度欲しければクオーター(1/4)パウンド、200グラムであればハーフ(1/2)パウンド頼みましょう。
また「奇跡のパスタ」と称賛された、すべて職人の手作りのイタリアSetaro(セタロ)社のパスタもあるので、おみやげに買って帰るのもよいかもしれませんね。
惣菜のカウンターでは、パスタやソースを選んで自分好みのパスタ("Create your own Pasta Dish")を作ることもできます。購入手順は、1. パスタを選ぶ、2. ソースを選ぶ、3. チーズを追加(別途追加料金)して完了です。
【在住者の本音コメント】
筆者は1年4ヵ月熟成させたプロシュート(生ハム)を購入しましたが、しっとりと口の中で溶け、塩加減もほどよく、赤ワインのつまみに最適でした。注文したタイミングで、スライサーで薄く切ってくれるのでフレッシュ。全体的に値段が高めのチェルシー・マーケットの中では、1/4パウンド(約113グラム)で6.23ドルはお買い得だと思いました。プロシュートやチーズなどを少しずつ買って味見するのも楽しいですよ。
筆者も次回は、カルボナーラに必須のパンチェッタ(塩漬けの豚肉)やチーズのセレクションから購入したいと考えています。
ヴォニタリア(英語名:Buon'Italia)
- 住所
-
チェルシー・マーケット地階
75 9th Ave., New York, NY 10011 - 営業時間
-
月〜土曜日8:00 –21:00
日曜日8:00 –20:00 - 公式サイト
- https://buonitalia.com/
ホットドッグやハンバーガーからステーキまで、肉好きを誘惑する「ディクソンズ・ファームスタンド・ミーツ」
チェルシー・マーケットが所在するエリアは、ミート・パッキング・ディストリクトと呼ばれ、以前は精肉工場や倉庫があったそうです。紹介したい店は肉屋の「ディクソンズ・ファームスタンド・ミーツ」。
こちらでは精肉を買えるだけでなく、ホットドッグやハンバーガー、ローストビーフやパストラミのサンドイッチ、スペアリブ、そしてステーキまで店内で飲食可能。ホルモン促進剤や抗生物質を使用していない安全な肉とうたっているので、安心して食べられるのが嬉しいです。
筆者のおすすめは、1つ7ドル(+税金)のニューヨークでナンバーワンと評価されるホットドッグ。店自慢のソーセージが入っています。
ニューヨークのステーキ店は高価で正装が求められるのに対し、こちらでは普段着で気軽に食べられるのが魅力。ビールやワインと一緒にサラミや各種ハムをつまむこともできるので、覚えておきたいお店です。
【在住者の本音コメント】
肉好きにはたまらない肉パラダイス。売られているのは精肉だけではありません。ニューヨークでナンバーワンと評価の高いホットドッグ、ドライエイジングさせた肉のハンバーガー、ローストビーフやプルドポーク・パストラミのサンドイッチ、バーベキューのスペアリブ、ポークチョップ、サラミの盛り合わせなど目移りするほど。豪華にステーキをいただくこともできます。
各種揃ったサラミバーでは、サラミの盛り合わせがいただけます。16:00から18:00 のハッピーアワーは生ビールが5ドル(2022年11月時点)とお得。
ディクソンズ・ファームスタンド・ミーツ(英語名:Dickson's Farmstand Meats)
- 住所
-
チェルシー・マーケット地階
75 9th Ave., New York, NY 10011 - 営業時間
- 月〜日曜日10:00 –20:30
ニューヨーク産の全米チーズマーケット「サクセルビー・チーズモンガーズ」
グリニッジビレッジの高級チーズ店「マレーズ・チーズ(Murray’s Cheese Shop)」で働き、パリのチーズ職人の元で修行したアン・サクセルビー氏が創業した「サクセルビー・チーズモンガーズ」。
自転車に乗る女性のロゴは、創設当時ハイキング用バッグパックにチーズを詰めてレストランに配達していた創設者のイメージだそうです。創設者のサクセルビー氏は、残念ながら2021年10月に40歳の若さで逝去されていますが、アメリカのチーズ職人と消費者を結ぶ情熱は受け継がれています。筆者をはじめ、チーズに精通していない方も多いと思いますので、臆せず好みを伝えて、おすすめのチーズをプロに教えてもらいましょう。
【在住者の本音コメント】
筆者が気になるのは、5種類用意されたグリルドチーズ・サンドイッチ。一番人気はブルックリン産のリコッタチーズ+蜂蜜に塩胡椒した“SALE PEPE(ソルトアンドペッパーの略と思われる)”。そのほかチェルシーやハイラインなど地元名をつけたサンドイッチも。
隣ではブルックリン産のブルックリン・ラガーも販売されていますので、サンドイッチと合わせて食べるのもよいでしょう。
サクセルビー・チーズモンガーズ(英語名:Saxelby Cheesemongers)
- 住所
-
チェルシー・マーケット地階
75 9th Ave., New York, NY 10011 - 営業時間
- 月〜日曜日11:00 –19:00
まとめ
チェルシー・マーケットには、流行の飲食店が数多く揃っており、人気店には行列ができています。週末は終日混んでいますが、平日の午前中やお昼のピークを過ぎた14:00過ぎ頃であれば、列も短く待ち時間も少ないのでおすすめ。目当ての店のグルメも長時間待つことなく、あちこちの食べ歩きが可能です。
チーズ屋の「サクセルビー・チーズモンガーズ」の隣には、ビールやサイダーの販売コーナーがあります。なかでも、ブルックリン・ブリュワリーのビールはコクと苦味がありおすすめです。トレンドのグルメの店の列に並ぶのもよいですが、あれこれフードを買い求め、自由に座れるフリースペースでビールといただくのも楽しいですよ。お酒を飲まない方は、サイダーをどうぞ。
チェルシー・マーケットの人気グルメ まとめ
-
2022年10月時点で、行列の長さナンバーワンはタコスの「ロスタコス・ナンバーワン」、ナンバー2が台湾発手打ち麺の「ベリーフレッシュ・ヌードル」
-
平日の午前中及びお昼のピークを過ぎた14:00以降は比較的行列が短く、反対に週末、アメリカの祭日は終日混み合う
-
地階の地元グルメ店がおすすめ
-
肉好きには地階の「ディクソンズ」がおすすめ
-
フードをいろいろ買って、ピクニック気分でニューヨーク産ビールと一緒に食べる
魅力的なチェルシー・マーケットを楽しみに、ニューヨークへいらしてくださいね。お待ちしています!
TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
PHOTO: Hideyuki Tatebayashi *Do not use images without permission.
監修:地球の歩き方
※価格や商品構成などは変更になる場合がありますので、必ず事前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
※2023年2月時点で、1ドル:約132円です。
筆者
アメリカ・ニューヨーク特派員
青山 沙羅
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。