5月初旬の北海道積丹町の春色とシャコタンブルー

公開日 : 2023年05月04日
最終更新 :

北海道の西端にある積丹町は"シャコタンブルー"と呼ばれる美しい夏の青い海で知られています。5月初旬、サクラのシーズンが終わりかけた札幌から春の積丹町を散策しに出かけました。

ゆっくりと春が訪れる積丹町でミズバショウ

ミズバショウの群生(積丹町) / Clumps of Asisan skunk-cabbage in Shakotan Town, Hokkaido
ミズバショウの群生(積丹町) / Clumps of Asisan skunk-cabbage in Shakotan Town, Hokkaido

神威岬をめざして国道229号線沿いに車を走らせていると、道路わきに無数の白いドットが見えました。
よく見るとミズバショウです。

札幌界隈では、すでに4月初旬に見頃を迎え、今年はミズバショウを見逃してしまったと残念に思っていましたが、国道沿いにはたくさんのミズバショウがまだ咲いています。

ミズバショウ  / Asian skunk-cabbage
ミズバショウ / Asian skunk-cabbage

葉はずいぶんと成長していましたが、真っ白な花はまだきれいに咲いています。

ヨモギ / Japanese mogwort just after budding
ヨモギ / Japanese mogwort just after budding

春が遅い証拠に、まだやわらかそうなヨモギもちょうど顔を出したタイミングのようです。
ヨモギ餅で食べたくなるかわいいヨモギ。

カタクリ / Dogtooth violet
カタクリ / Dogtooth violet

そしてポツポツとピンク色が点在していたので見てみると、カタクリです。
群生もよいですが、1本ずつ咲くカタクリはとても可憐です。

タチツボスミレ / Japanese violet
タチツボスミレ / Japanese violet

こちらはアイヌタチツボスミレでしょうか。
スミレもポツポツと咲いています。
ミズバショウの群生に目を奪われていましたが、周りにも小さな春の花が咲いていました。

最初に見かけたミズバショウの群生から道路を一本渡ったところには、さらに多くのミズバショウが。
海の色だけではなく、春の花々の色をあちこちに見かけました。

春もやっぱり、シャコタンブルー

とはいえ、積丹町に来たらやはり気になるのがシャコタンブルー。
積丹町に入り海岸線を走っていると、神威岬方面へは美国(びくに)エリアで一度海から遠ざかります。
そして野塚エリアで再び海に遭遇!

緩やかな坂の上から臨む積丹の海は、真っ青。
息を飲む深い青の美しさ。
さらに風が強いため、真っ白な波が立っているのが遠くからもよくわかります。

深いブルーに目を奪われつつ、「春のシャコタンブルーは深い青なのかな」と思った矢先、トンネルを抜けて広がっていた海は、春でもやっぱりシャコタンブルー!

5月初旬のシャコタンブルー / Shakotan Blue in early May
5月初旬のシャコタンブルー / Shakotan Blue in early May

春の神威岬で

神威岬「展望広場」へ続く階段 / Stairs leading to Cape Kamui ”Observation Plaza”
神威岬「展望広場」へ続く階段 / Stairs leading to Cape Kamui ”Observation Plaza”

積丹町の絶景スポットのひとつ「神威岬」に到着すると、この日はあまりの強風(強風注意報が出ていました)のため、観光船や遊漁船は営業を中止。
神威岬の遊歩道「チャレンカの小道」の入り口「女人禁制の門」も閉鎖になりました(神威岬では、天候などにより遊歩道が閉鎖になります)。

ですが、そんなときにも神威岬の絶景を楽しめるのが、駐車場から神威岬先端に向かって右手上方にある「展望広場」です。

整備された階段を8分ほど上がっていくと到着するので、遊歩道の閉鎖にかかわらず、神威岬先端(片道最低20分)へ行くより短時間で景色を楽しめる「展望広場」はより気軽にアクセスできるのでおすすめです。

とはいえ、この日はあまりの強風に思わず立ち止まり、展望広場へ向かう途中にも手すりで体を支えてしまう場面が何度もありました。

神威岬「展望広場」から南(神恵内村方面)の眺め / From the observation plaza at Cape Kamui
神威岬「展望広場」から南(神恵内村方面)の眺め / From the observation plaza at Cape Kamui

このため、10分はかかったかもしれませんが、ほどなく「展望広場」に到着!
遠くの山々にまだ雪が残るこの景観は、春ならではの眺めです。

神威岬「展望広場」から東(積丹岳方面)の眺め / View toward Mt. Shakotan-dake from the observation plaza at Cape Kamui
神威岬「展望広場」から東(積丹岳方面)の眺め / View toward Mt. Shakotan-dake from the observation plaza at Cape Kamui

芽吹きつつある緑と残雪の白い山並みが見られるのは、この時期ならではの特典です。

「展望広場」から遠くに臨む神威岬先端と神威岩 / Cape Kamui tip and Kamui Iwa in the distance from "Observation Plaza"
「展望広場」から遠くに臨む神威岬先端と神威岩 / Cape Kamui tip and Kamui Iwa in the distance from "Observation Plaza"

そして展望広場から見た岬の先端と神威岩。

この日の天候により、空はかすんでいましたが、シャコタンブルーは5月初旬も顕在です。

エゾエンゴサク / Corydalisambigua at Cape Kamui in early May
エゾエンゴサク / Corydalisambigua at Cape Kamui in early May

そして足元には、強風であおられているヨモギなどの合間にひっそりとエゾエンゴサクが咲いていました。

強風ならではの積丹岳絶景と期間限定の春香る味

この時期ならではの絶景、そして神威岬の遊歩道が閉鎖されるほどの強風ならではの絶景がこちら。
残雪の積丹岳です。

地元の方に聞くと、雲がかかっていない積丹岳が何日か続けて見られるのは1年でも珍しいそう。
強い風で雲が吹き飛ばされ続けていたからこその積丹町5月初旬の絶景です。

そして大型連休のこの日、立ち寄った「岬の湯しゃこたん」(積丹町野塚町212-1)の前では、積丹町美国町の鰊番屋カフェ「ヤマシメ番屋」(積丹町美国町船澗39)が大型連休期間限定でキッチンカーを出店していました。

そこでいただいたのは、美国町で栽培された積丹イチゴの「いちごミルク」(500円)。

春のフルーツといえば、真っ先にイチゴを思い起こすのですが、思いがけず積丹町産のイチゴに巡り合えて感激しながら「いちごミルク」を堪能しました。

積丹イチゴのソース / Strawberry sauce made from Shakotan Ichigo
積丹イチゴのソース / Strawberry sauce made from Shakotan Ichigo

いちごミルクは、積丹いちごのソースがたっぷり入っており、新鮮さがわかる香りの高さ。
トッピングの積丹いちごも甘酸っぱさが春を感じさせてくれる爽やかな甘さでした。

「岬の湯しゃこたん」前で営業する期間限定「積丹イチゴキッチンカー」は、5月7日(日)(11時~17時)まで。
いちごミルクのほか、いちごサイダー、いちごホイップなどもあるので、積丹の春を味わえる今だけの積丹イチゴメニューを大型連休中の積丹ドライブの際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
特に温泉後のイチゴみるくは格別です。

今回訪れたスポットのデータ

名称
神威岬
住所
北海道積丹郡積丹町神威岬町
URL(積丹観光協会)
https://www.kanko-shakotan.jp/
名称
岬の湯しゃこたん
住所
北海道積丹郡積丹町野塚町212−1

筆者

北海道特派員

市之宮 直子

小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。

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