初めてのスペインでの夏を思い出すガスパチョとトルティージャ
私の住む町の今日の予想最高気温は40度。本格的な夏がやってきました。
昨夜も暑く、私はひとりだったのでガスパチョ(アンダルシア地方の冷たいトマトと野菜のスープ)だけで夕食を済ませました。それだけではちょっと物足りなく、「あと一品ほしいな、トルティージャ・デ・パタタス(ポテト入りのスペイン風オムレツ)とか」と思った時に、ふと思い出したのがスペインで過ごした初めての夏のことです。
1997年の夏。私はスペイン南部セビージャ(セビーリャ)の友人宅に居候していました。友人の家は築100年は超えているだろう古い建物の3階にあり、エレベーターもエアコンもありません。バスルームのドアがしっかり閉まらないようなオンボロアパートでした。
夏をスペインで過ごすのはそれがはじめて。日本のような湿気はないとはいえ、セビージャの夏は暑くて有名です。キッチンで火を使って料理をすると汗だくになるので、友人はなるべく火を使う回数を減らしていました。その結果、定番の食事がガスパチョとトルティージャ・デ・パタタだったのです。1週間に少なくとも3日はこのメニューでした。どちらも一度作って冷蔵庫に入れておくと2、3日は持ちます。食事の時間になると冷蔵庫を開けて冷えたがスパチョとトルティージャを取り出し、パンを切って一緒に食べていたものです。それ以外は、生ハムやチーズ、チョリソ、サラダなど、やはり火を使わない食べ物が食卓によく並びました。
火を使うような凝った料理は、バルに行くことがあるとタパスで済ませていたものです。当時は500~600ペセタあれば、飲み物1杯とタパス2つが食べられました。当時の為替レートから日本人の感覚では500円で余裕でお釣りがくるイメージです。円安の今では考えられませんね。
友人とはその後、私がバレンシアに住み始めてから大ゲンカをして以来会っておらず、もう20年以上が過ぎました。きっと今も暑くなるとガスパチョとトルティージャを頻繁に食べていることでしょう。
スペインで過ごした初めての夏を思い出し、ガスパチョと一緒にトルティージャが食べたくなりました。昨日の残りのガスパチョが冷蔵庫に入っているので、今日はこれから夕食用にトルティージャを焼くつもりです。
写真は何年か前に私が作ったガスパチョです。クルトンやゆで卵のほか、ガスパチョを作る時に使うピーマンやきゅうりを細かく刻んでトッピングして食べるのが好きです。
ガスパチョもトルティージャも、日本で手に入る食材で簡単に作れます。日本語のレシピも検索するといろいろ出てくるので、機会があれば作ってみてくださいね。そして暑い日に、冷蔵庫で冷やした後お召し上がりください。なお、トルティージャについてはこのサイトで昨年記事にしたことがあったので、よろしければこちらをご覧ください。おいしく作るコツは、じゃがいもを炒める時に油をた~っぷり使うことです。
筆者
スペイン特派員
田川 敬子
東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。
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