【神戸市・北区】有馬温泉で地球の神秘と歴史を感じる!
関西の奥座敷として有名な有馬温泉。日本書紀や枕草子にも名前が登場するなど、1000年以上も前から人々を癒す温泉として愛されていました。
近年では良質な温泉を求めて世界中から観光客が訪れます。宿泊はもちろん、日帰りで訪れても楽しめる有馬の見どころを紹介します。
有馬温泉のミステリー
有馬の見どころを紹介する前に、まず知っておきたいのが有馬の温泉がどこから来ているのかということです!
温泉と切っても切り離せないものといえば火山。大分県の別府温泉をはじめ、箱根、草津など温泉地の近くには必ず活火山があり、火山の熱で温められた地下水が熱い温泉となって湧き出ます。しかし、有馬温泉が位置する六甲山をはじめ近畿地方には活火山がありません。また海から距離があるにも関わらず海水よりも2倍ほどの塩分濃度があったり、炭酸を含んだお湯が湧き出ています。有馬の温泉はどこからやってきているのでしょうか?
有馬温泉の出どころに関しては長年研究が行われていますが、最有力な説としては、太平洋側から日本列島の下にフィリピン海プレートが沈み込む際に岩盤に含まれた海水が、地球内部の熱源、マントルに直接熱せられて湧き出しているというものです。岩盤に巻き込まれた海水が地上に湧き出すまでは、600万年以上かかるといわれており、世界的に見ても近くに火山が無いなかで温泉がこんこんと湧き続けるというのは珍しいことなのだとか。
600万年という長い年月をかけて地球内部を旅してきた有馬の温泉に浸かって地球の神秘を感じつつ、歴史に思いを馳せましょう。
有馬温泉へのアクセス
神戸の市街地から有馬温泉を訪れる場合はバス、電車、ロープウェーの3種類がありますが、一番メジャーなアクセス方法は三宮からの場合、市営地下鉄と神戸高速鉄道を乗り継ぐ方法です。所要時間はおよそ30分で谷上駅と有馬口駅で乗り継ぎがありますがとても分かりやすいので、初めて来た人でも安心です。
六甲山を挟んで神戸市の北側に位置する有馬温泉は、歴史ある由緒正しい温泉街ながら市街地からの交通の便がよいため、宿泊客だけではなく日帰りで訪れる人も多くいます。
観光客や地元民の憩いの場 有馬川親水公園
有馬温泉駅から町の中心地を目指して歩くと、左手に見えるのが有馬川です。
整備された川岸は、水の音を聞きながら散策を楽しめ、夏の暑い日には日中から川の水に足をつけて涼をとっている人たちも多く見かけます。川は浅いですが、流れが速いので遊泳はできません。筆者がGWに訪れた際は、キッチンカーの出店や、出張足湯が設置されていました。
有馬川親水公園では夏季限定で「有馬涼風ビアガーデン」というイベントが毎日夕方から開かれます。
キッチンカーや有馬芸妓によるステージショー、事前予約制の有料席では神戸牛や黒毛和牛のすき焼きを舌鼓! 約1ヵ月にわたり有馬町内が盛り上がるイベントです。
※日時や詳細は、有馬温泉観光協会のHPでチェックしましょう。
気軽に有馬の湯を楽しむ 金の湯・銀の湯
有馬の温泉は金泉、銀泉と呼ばれており、近いエリアで湧いているにも関わらずお湯の色や成分、効能が異なります。環境省が定める療養泉の定義としている10種類の成分のうち、7つの成分が含まれている世界的にも珍しい温泉です。
有馬町内では「金の湯」「銀の湯」というふたつの公衆浴場があるのでふたつのお湯に入ってみたい場合は2館の湯めぐりがおすすめです。金の湯の熱湯(あつゆ)は44℃に設定されています。お湯から上がると皮膚が真っ赤になっていますが、熱いお湯が好きな方は挑戦してみてください。
金の湯には足湯(無料)も併設されています。少し坂になっていて、一番上流から熱い湯が流れていて、下流に向かうにつれて温度が下がります。一番初めに上流に入ってしまうとかなり熱く感じるので、下流から徐々に好みの熱さの場所を見つけるのをおすすめします! 坂道が多い有馬町内の散策は意外と疲れるので、足湯に入り血行を良くすると足がすっきりし、そのあとの観光も楽しめます。
金泉での唯一の注意点ですが、タオルに色がついてしまうためお気に入りのタオルの使用は控えましょう。
金の湯から少し離れた場所にある銀の湯は、六甲山から下山したハイカーに優しい「大型ザック用ロッカー」が併設されています。GWや紅葉のシーズンは多くのハイカーが市街地側から有馬温泉に降りてくるルートでハイキングするため、入浴時の荷物置き場の心配がないのは嬉しいですね! 金の湯には大型ロッカーが無いので、大きなザックは脱衣かごに入れてロッカーの上に置いている人が多いそう。くれぐれも貴重品の取り扱いにはご注意を!
金の湯
- 住所
- 神戸市北区有馬町833
- 営業時間
- 8:00~22:00
- 定休日
- 第2火曜日・第4火曜日(祝日営業、翌日休)及び1月1日
- 料金
- 平日 大人650円、子供(小・中学生)350円、休日 大人800円、子供350円
銀の湯
- 住所
- 神戸市北区有馬町1039-1
- 営業時間
- 9:00~21:00
- 定休日
- 第1・第3火曜日(祝日営業 翌日休)及び 1月1日
- 料金
- 平日 大人550円、子供(小・中学生)300円、休日 大人700円、子供300円
紅葉の名所 瑞宝寺公園
有馬温泉駅から徒歩15分程の場所にある瑞宝寺公園は、美しい紅葉で有名です。秋になると約2500本の楓が一斉に色づき、燃えるような赤に染まった葉っぱや黄色に染まった葉っぱが一面に広がります。
その美しさに惚れ込んだ歴史の偉人のひとりが豊臣秀吉で、千利休とともに瑞宝寺公園で度々茶会を催したという記録が残るほどです。
現在でも秋になるとたくさんの観光客が訪れ、週末には「もみじ茶会」が開かれます。秀吉も愛した美しい景色を愛でながら気軽にお茶を楽しむことができます。
瑞宝寺公園
- 住所
- 神戸市北区有馬町500-19
湯けむりあがる町内の泉源
有馬町内には全部で金泉6つ、銀泉1つの泉源があります。泉源にはそれぞれ名前がついていて、近くまで行って見ることができます。
金泉が湧き出る泉源の周囲は、どこも赤茶色がかった金泉の色をしていますが、湧き出てすぐの温泉は無色透明なのだそうです。特徴的な色は酸化して出る色だそうで、湧きたてのお湯を直接見ることはできませんが、お湯が沸いている音が聞こえ、もくもくと湯けむりが立ち込める様子は温泉地ならではです。冬は特に湯煙が立ち込めるのでとても風情があります。
町内に点在しているので、ぜひ巡ってみましょう!
レトロな町並みをそぞろ歩き
有馬町内は、全体的にレトロな雰囲気の町並みで町の散策をするだけでもとっても楽しいです。赤いレトロなポストや、何でもない路地がとても絵になったりと、町を散策してお気に入りスポットを見つけるのも楽しいです。
ちなみに筆者が好きな路地はバスターミナル横のお土産屋さんの裏です。本当に特に何もない道なのですが、どこか懐かしさがあり、この道の先には何があるんだろうという好奇心が刺激されます。今回筆者が訪れた際も若い方たちがそこで写真撮影をしていました。
有馬のグルメ
有馬温泉は昔から高級温泉地として知られており、町内のホテルや旅館での宿泊はもちろん、日帰り利用でランチを楽しむ場合でもそれなりの金額となります。
少々敷居が高いイメージの有馬ですが、町内には食べ歩きグルメや個人店などがあり、ホテルや旅館での食事に比べると手頃な価格で飲食できる場所があります。
有馬が大好きな筆者がおすすめのお店をこっそり紹介します。
misonoのカレーうどん
金の湯からケーブルカー駅方面にすぐのところで、どこからともなくカレーのいい香りがただよってきます。
香しい香りを放っているのは、misonoというお店。ランチ限定のカレーうどんは出汁とスパイスがしっかり効いていて、太めの自家製麺によく絡まり最後の一滴までおいしく食べられます。冬の寒い日はもちろん、夏の暑いときに汗をかきながら食べるカレーうどんは格別です! カレーには米が欠かせないという人のために、銀シャリが一口サイズから注文できるのも嬉しいポイントです。夜にはベルギービールBARとして営業しています。
店内はカウンターが5席と2人掛けの座敷がふたつなので、筆者が訪れた時間帯は満席でした。3人以上で訪れたい場合は、少し時間をずらした方が無難かもしれません!
misono
- 住所
- 兵庫県神戸市北区有馬町869-4
- 営業時間
- ランチ11:30~15:00 BAR17:30~21:00
- 定休日
- 水曜日
竹中肉店のコロッケ
金の湯に併設の足湯からメインストリートの湯本坂を上ると途中で行列が見えてきます。どうやら揚げたてのコロッケ、メンチカツ(関西ではミンチカツ)が人気のようです。筆者はコロッケを食べましたが、甘みが強く、ジャガイモはなめらかしっとり系でちょっと小腹が空いたときにいいおやつでした。後から知ったのですが、竹中肉店は国産の黒毛和牛や神戸牛を専門に扱うお店で、創業80年以上有馬の高級旅館にも肉を卸す肉屋のようです。おいしくないはずがありません!
竹中肉店
- 住所
- 兵庫県神戸市北区有馬町813
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 水曜日
いかがでしたか? 市街地からのアクセス抜群な有馬温泉で日頃の疲れを癒しつつ、歴史ロマンに浸りましょう!
有馬温泉観光協会
筆者
地球の歩き方 加藤
海外は東南アジアでの出現率が高めです。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。