
【神戸市・中央区】神戸に居ながら気分は海外旅行!北野周辺で楽しむ異文化体験
1868年の神戸港開港をきっかけに海外からたくさんの人や文化が入ってきた神戸では、町を歩いているだけでも至る所で海外を感じることができます。
南京町(中華街)や北野異人館街、洋館が立ち並ぶ旧居留地はガイドブックでも紹介されるようなメジャーどころで多くの観光客が訪れています。本記事では観光客向けではなく、昔から地元神戸の人や関西に住む在日外国人に親しまれているスポットを中心に紹介します。いずれも北野異人館街からほど近い場所なので、旅行の際立ち寄ってみるとよりディープな楽しみ方ができますよ!
神戸から祈りをささげる 宗教関連施設
神戸ムスリムモスク

神戸ムスリムモスクは1935年に建てられた日本最古のモスクです。戦時中の空襲や阪神淡路大震災でも大きなダメージにあうことなく、神戸をはじめ関西近郊に住むイスラム教徒にとって大切な信仰の場となっています。
館内は一般の方でも自由に見学することができ、見学者用エントランスではイスラムや六信五行(イスラムが信じる6つの信条と実行すべき5つの行い)などの簡単な説明が書かれた紙をもらえるので、ひと通り目を通して館内の見学をするとより理解が深まります。
館内は男性用と女性用の礼拝場所が分かれており、男女で訪れた場合でもバラバラに見学することになるそうです。筆者が訪れた時は礼拝中の方は居ませんでしたが、礼拝中はシャッター音が鳴るカメラでの撮影は禁止です。
礼拝所は一面に絨毯が敷かれており、ミフラーブ(メッカの方角を示す壁の凹み)や天井から吊り下げられた豪華なシャンデリアが目を引きます。1階部分は男性用の礼拝所、2階が女性用の礼拝所です。
窓ガラスは全て黄色がかった色をしており、日中に訪れても室内はまるで夕焼けの時間帯のようです。外の喧騒が嘘のようにシーンと静まり返る室内を温かい光が包み込み心が平和な気持ちになります。
神戸ムスリムモスク
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区中山手通2-25-14
- 見学時間
- 毎日10:00~18:00(金曜日のみ14:00~18:00)
バグワン・マハビールスワミ・ジェイン寺院

歩いていると、民家の間に突然現れる大理石でできた建物が日本で唯一のジャイナ教寺院、バグワン・マハビールスワミ・ジェイン寺院です。ジャイナ教はインド発祥の宗教のひとつで、徹底した苦行、禁欲、不殺生の実践を重視します。殺生が禁じられていることから豆や野菜を中心とした完全な菜食主義です。輪廻転生の思想を説くなど仏教と似た考え方もあります。
神戸には元々宝石商を営む多くのインド人が在住しており、彼らのほとんどがジャイナ教を信仰していました。1985年に教徒たちの出資により建てられたのがバグワン・マハビールスワミ・ジェイン寺院です。
外階段を上がって靴を脱ぐと、1階部分はホールと小さな祭壇があります。館内も全て大理石でできているため外は酷暑ですが、足元はひんやり冷たく気持ちよかったです。館内の掲示物はほぼ全て現地の文字で書かれているので、館内に入った瞬間からインドの雰囲気満点です。
2階にあがると部屋の中央には仕切られたスペース(小部屋)があり、中央にはご神体が鎮座しています。筆者が訪れた時はちょうど民族衣装を着てお祈りをしている方が数名おり、お祈りの様子を見学させてもらいました。
大理石の白い空間の中でひときは目立つご神体や、銀でできた各種仏具、焚かれた線香の香りなど神聖な雰囲気の中、黙々とお祈りをささげる様子はジャイナ教徒の方たちにとってどれほどこの場所が神聖で大切なものなのかを実感することができます。
バグワン・マハビールスワミ・ジェイン寺院
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区北野町3丁目7-5
- 見学時間
- 毎日9:00~12:00
- 注意事項
- 館内は撮影禁止。生理中の女性は館内に入ることができません。
- URL
- なし
その他にも
北野町周辺にはほかにも関西唯一のユダヤ教シナゴーグ(会堂)「関西ユダヤ教会シナゴーグ」や東ヨーロッパを中心に広がったキリスト教の一派、正教会の教会「神戸ハリストス正教会」、三国志の武将を祀り日中のデザインを融合した建築様式が目を引く寺院「関帝廟」など、町のいたるところで海外を感じられる施設が点在しています。世界の宗教を神戸で感じてみましょう!
関西ユダヤ教会シナゴーグ
- 住所
- 神戸市中央区北野町4-12-12
- 一般の人の入場
- 可能ですが要事前予約。詳細は以下HPから
神戸ハリストス正教会
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区山本通1-4-11
- 一般の方の入場
- 礼拝時間に限り見学可能。詳細は以下HPから
関帝廟
- 住所
- 神戸市中央区中山手通7-3-2
- 入館時間
- 9:00~17:00
海外の味を気軽に購入!輸入食料品店編
神戸グロサーズ

神戸グロサーズは神戸に住む多くの外国人のために40年以上前から営業している輸入食品専門店です。棚いっぱいにぎっしりと陳列された食料品は、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界中から輸入されており、海外スナックから、各種料理用のソース類、調味料、パスタ、お茶、スパイスなど日本のスーパーとは違った品揃えです。近年よく見るおしゃれな輸入食品店とはひと味違い、現地の店舗を訪れたような感覚を覚えます。
店内の通路は広めなので、子連れでベビーカーを押した方でも入りやすいです。
2022年3月には火災にあってしまい一時閉店を余儀なくされましたが、同9月には元あった場所で完全復活を果たし、元々の常連客はもちろん、地元に住む海外出身者にも愛され続けています。
神戸グロサーズ(本店)
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区中山手通2-19-2
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 定休日
- なし
神戸ハラールフード

先述した通り、北野の近くにはモスクがあることから、周辺にはハラールフードを取り扱うお店がいくつかあります。なかでも筆者がよく訪れるのは神戸グロサーズから道を挟んで北側にあるのが神戸ハラールフードです。
店内に入った瞬間スパイスの香りが鼻腔をくすぐります。店内にはスパイスの小袋やインディカ米やジャスミン米、本場の味を家庭でも簡単に再現できる調理キットなどがあり、イスラム教の方はもちろん、家で凝ったエスニック料理を作るという方も訪れます。
店内にはコーヒーやチャイの小袋にその場でお湯を注いで飲めるスペースもあるので、本場のドリンクを飲みながら異国情緒に浸ってみましょう。
神戸ハラールフード
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区中山手通2丁目17-3
- 営業時間
- 10:30~20:00
インド・プロビジョン・ストア

ハンター坂を上って左手のれんが造りの建物に入っているお店がインド・プロビジョン・ストアです。店は地下1階ですが、1階部分から階段を2~3歩下がるとすでにスパイスの香りが充満していて気持ちが高ぶります!
店内の棚には天井あたりまでずらりとスパイスや本場インド直輸入の商品が並んでいます。見たこと(聞いたこと)が無く味の想像がつかない商品をはじめ、インスタントのチャイやレトルトカレーなど、インド料理初心者でも手を出しやすい商品もあります。小袋で売られているスパイスは手頃な価格帯で種類も豊富です。昔はインド人客の比率が高かったそうですが、最近では噂を聞きつけた“スパイスフリーク”の日本人が遠方からも買い付けに来るのだそうです。
同じビルの2階では肉や魚を使用しないベジタリアン料理を提供する「クスム本場家庭料理」というレストランがあり、店名の通り北インド出身のクスムさんとその親族で経営しています。豆や野菜を中心にスパイスを絶妙に配合した料理は神戸に住むインド人からはもちろん、多くの日本人からも愛されています。
インド・プロビジョン・ストア
- 住所
- 神戸市中央区山本通2丁目12番21号 異人プラザB1
- 営業時間
- 11:00~17:30
- 定休日
- 月曜日
日本ではなかなか見ないデザインや色味が魅力!雑貨店編
メキシコ・中南米雑貨「mano」

ひときは目を引くオレンジ色の外観のお店。店の外に陳列されたカラフルな編みバックや、大きな窓からのぞく色とりどりの雑貨で、入店前からワクワクが止まりません。店の中に入ると床から壁までたくさんの雑貨が陳列されており、ガイコツの置物やアクセサリー、十字架をモチーフにした壁飾り、ハンドメイドのメキシコ刺繍など、日本ではなかなか見かけない色使いやデザインが目を引きます。
商品は、店のオーナーが直接中南米を訪れてセレクトしたこだわりのものです。色彩豊かな雑貨は部屋にひとつ置くだけでも雰囲気がガラリと変わりますよ!
店内カウンターではCafe&Barも営業しています。コロナビールやテキーラのほか、ワインやハイボールも楽しめるので、ドリンク片手にメキシコ話を楽しめます。
mano
- 住所
- 神戸市中央区中山手通2丁目18-1
- 営業時間
- 13:00~18:30
- 定休日
- 火、木曜日
- https://www.instagram.com/manomexico/
ロシア雑貨「いりえのほとり」

2007年にオープンのいりえのほとりは、赤い扉を開くと、こぢんまりとした店内にずらりと並んだマトリョーシカ! 大きい物からキーホルダーサイズのものまで、様々なサイズ・デザインのマトリョーシカが出迎えてくれます。
ゆっくりと店内のマトリョーシカを眺めていると、「引き出しや棚の中にも入ってますよ」と店員の方が教えてくれました。どれどれと引き出しを開けてみると、たくさんのマトリョーシカが! 顔を描くのは手作業のため、よく見ると全て表情が微妙に異なります。一体一体個性があるマトリョーシカのなかから自分好みのものを探すことができ、愛着がわきます。
店内にはほかにも、ロシアの陶磁器や刺繍が施されたティーコゼー(ティーポットが冷めるのを防ぐための布製のかぶせもの)などもあり、繊細で緻密なデザインにうっとりします。日本では比較的めずらしいロシア雑貨を直接手に取って見ることができるお店です。
いりえのほとり
- 住所
- 神戸市中央区山本通2丁目9-15
- 営業時間
- 平日11:00~17:00、土・日・祝日10:30~18:00
- 定休日
- 月曜日
神戸市のなかでも特に北野界隈は歩いているだけで色々な国の国旗が目に入り、気分はまさに海外旅行です。
余談ですが、神戸の小中学校のほとんどは全国でも珍しい土足制で、学校では当たり前の下駄箱がありません。諸説ありますが、一説では西洋の文化を取り入れたためではないかといわれています。昔から海外の文化に馴染んできた神戸ならではですね。異国文化ただようこの町で海外文化を体感しましょう!
※本記事内の画像は全て撮影・掲載許可を得ています。

筆者
地球の歩き方 加藤
海外は東南アジアでの出現率が高めです。
【記載内容について】
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