
フィンランドを代表する建築家・デザイナー『アアルト』のドキュメンタリー映画10月13日公開
フィンランドが生んだ世界的建築家でデザイナーのアルヴァ・アアルトが、今年2023年に生誕125年を迎えたことを記念して公開されるドキュメンタリー映画『アアルト』が10月13日公開されます。スツール60、アアルトベースなど優れたデザインプロダクト、ルイ・カレ邸など数々の名建築はどのように作り上げていったのか――アアルト好きにはもちろん、フィンランド、北欧デザイン好きは必見の本作と共に、作品中に登場する、ヘルシンキのアアルトデザインスポットを紹介します。
アアルトとはどのような人物か?
ロシアからの独立、第二次世界大戦を経て近代国家として歩んだフィンランドの変動の20世紀に活躍した建築家アアルト。世界的ブームだったモダニズム建築作品、トゥルク新聞社(1929年)やトゥルク郊外の町パイミオのサナトリウム(1933年)で世界的な建築家としての地位を確立しました。アアルトデザインの椅子の傑作、アームチェアは、パイミオのサナトリウムのためにデザインされたもの。彼はその後も名声に左右されることなく、愛するフィンランドの自然や伝統を作品に取り入れたことで、現代建築の世界に新しい風を吹き込んでいきました。
1935年、妻アイノとともに、二人がデザインする家具や照明器具、テキスタイルを世界的に販売することを目的にアルテックを創業。生涯200を超える建物を設計し、そのどれもが有機的なフォルム、素材、そして光の組み合わせが絶妙な名作として知られています。

人に寄りそうデザインは、いかにして生まれたか
アアルトの生誕から125年の年に公開される本作は、今なお色褪せない名作はどのようにして生まれたのか、同世代を生きた建築家や友人たちの証言、そしてアアルトの最初の妻、アイノとの手紙のやりとりなどを盛り込みながら、アアルトの知られざる素顔を映し出していきます。名作の誕生を陰で支えたのは妻のアイノだった――。二人のやさしさや温かさは手紙の内容からも伝わってきます。
同じ建築家であった妻のアイノとの濃密な愛の物語であるとともに、アアルト夫妻が世界中を股にかけながら物を創造していく過程とその伝説をどのように作り上げていったかを、まるで観客が映像ツアーに参加しているかのようにみせてくれます。同時に近代建築の大きな流れと一人の人間としての生き様を織り交ぜながら、これまで語られることの無かったアアルト自身の濃密な人生をも描いています。
圧巻だったのは空撮によりダイナミックに映し出される、フィンランドの街中に溶け込む美しい建築物の数々。フィンランドの街、自然とともに育まれてきたデザインであることを実感できます。
アアルトを深く理解するための貴重な映像と、フィンランドの美しい環境と調和した、アアルトの人に寄りそうデザインを、ぜひ本作品で体感してください。


- 公開日
- 2023年10月13日(金)
- 上映劇場
- ヒューマントラストシネマ有楽町、UPLINK吉祥寺、シネ・リーブル梅田、伏見ミリオン座 他全国ロードショー
- 監督・脚本
- ヴィルピ・スータリ(Virpi Suutari)
- 原題
-
AALTO
2020年/フィンランド/103分 - 公式ウェブサイト
- aaltofilm.com
フィンランド・ヘルシンキで名作の生まれた場所を訪れる
作品中に登場したアアルトの自邸やアトリエは実際に見学することができます。名作が生まれた場所をぜひ訪れてみてください。
アアルトが暮らした家
1936年、ヘルシンキに拠点を移したアアルトが設計を手掛けた自宅兼事務所。現在は博物館となっており、ガイドツアーで解説を聞きながら各部屋を見学することができます。彼のデザイン美学を体感できる、唯一無二のスポットです。


- 住所
- Riihitie 20 FI-00330 ヘルシンキ
- 電話
- 09 481 350
- ウエブサイト
- www.alvaraalto.fi
- 料金
- 30€(ガイドツアー付き)
アアルトのアトリエ
アアルト財団のデザインオフィス。1955年、自宅兼事務所のすぐそばに新設されたアトリエは、モダニズム建築の傑作です。現在もアアルト財団のオフィスとして利用されており、こちらもガイドツアー付きで見学できます。

- 住所
- Tiilimäki 20 FI-00330 ヘルシンキ
- 電話
- 09 481 350
- ウエブサイト
- www.alvaraalto.fi
- 料金
- 20€(ガイドツアー付き)
ほかにも彼がデザインした家具が購入できる「アルテック」や、内装を手掛けた、フィンランド料理が食べられるレストラン「ラヴィントラ・サヴォイ」、またファンなら訪れたい都市計画から携わったオヴァニエミなど、地球の歩き方『北欧』で詳しく紹介しています。

筆者
地球の歩き方ウェブ運営チーム
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