【英国】聖なる小島リンディスファーンを訪ねて
イングランド北東ノーサンバランドにある小島、リンディスファーンをご存知ですか?
ここは635年にアイルランドから来た聖人エイダンが修道院を建てたことから、北イングランドにおけるキリスト教布教の基地となった歴史で知られています。
だから別名ホーリーアイランド(Holly Island:神聖な島)とも呼ばれているんですよ!
またリンディスファーンには、もう1つ大きな特徴があります。
それは干潮時になると、この島と本土は道路でつながること。その間はクルマや自転車、徒歩などで往復できるのです。筆者らが行った日、安全に渡れる干潮時間帯は午前8時半から午後4時でした。
あちらに見えるのはリンディスファーン城。16世紀にヘンリー8世がスコットランドからの侵攻に備えて建てさせ、エリザベス1世が砲台などを加えて強化した城塞でした。
しかし近代1900年代初頭に個人の別荘となった後、現在では史跡・自然保護団体ナショナルトラストが所有し一般公開しています。
また半離島であるうえに藻場や砂丘が多いため野鳥、とくに渡り鳥が多いのも特色の1つ。ガンカモ類の越冬地とアジサシ類の繁殖地でもあります。アザラシも群生しているし、自然観察に人気というのも納得です。
現在この島の住人は150~160人くらい。でも日中は筆者たちのように観光で、また野鳥観察や巡礼で訪れる人が一杯います。ホテルやB&B(イギリス版の民宿)も多く、干潮時の往来だけでなく泊りがけで滞在することも可能!
この島にはカフェやティールーム、パブ、レストランも沢山あります。なかでも評判のいいカフェが「ピルグリムズ・コーヒー」。
ピルグリムズは巡礼者という意味。聖なる小島ならではの、地元愛を感じる店名ですね♪
上質のアラビカ豆を自家焙煎して煎れるコーヒーは島民にも来訪者にもファンが多く、平日でも行列のできる人気ぶりです。
そのカフェからほど近くにある小高い丘に登ると、635年に建てられた教会跡の全貌がよく見えます。その左手に見えるのは、現役の聖メアリー教会。
丘の上にも十字架や記念碑などがあり、1400年以上もの昔から篤い信仰に支えられてきた土地であることを実感。ここから眺める海とリンディスファーン城も、実に絵になります。もし巡礼で訪れたならば、さらに感銘深い光景でしょう。
なおこの丘の上には現代的な物見塔もあり、入場無料。海に囲まれた半離島からの、360℃ビューを見晴らすことが出来ます。
しかし海に囲まれた丘なので、我々が訪れた夏でも風が強く肌寒いほどでした。さらに秋冬や悪天候ならば、かなり厳しい自然に晒されるでしょう。
7世紀にこんな土地で信仰に身を捧げた修道士たちに想いを馳せると、ここが「神聖な島」と言われる所以が分かるような気がします。
今ではのどかな観光地となったリンディスファーン。自然と歴史の織りなす美しい半離島を、いつか訪ねてみませんか?
取材協力:英国政府観光庁 VisitBritain
筆者
イギリス特派員
小野雅子
在英30年を過ぎました。初めてイギリスへいらっしゃる方にも分かりやすいロンドン観光&文化情報を中心に、イギリス各地やヨーロッパの情報もご案内いたします!
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