“市民の足”ウーバー水上バスでお手頃テムズ川ボート観光

公開日 : 2023年10月21日
最終更新 :

タワー・ブリッジにビッグベン、ロンドン・アイ……イギリスに来たらアレもコレもと効率的に観て周りたい。そんなときに、ロンドンのテムズ川クルーズは便利です。

日本から家族が来たときに「ウーバー・ボート(Uber Boat by Thames Clippers)」を利用したのですが、結論を先に言っておきます。

やはり公共交通機関の「水上バス」での観光は、とりわけ親しい人や身内とだけにしたほうがよさそうですね。

それでも、私のように「そもそもいつロンドンにたどり着けるか不明(実際ロンドン郊外の駅から、そういうときに限って電車が1時間以上遅延……)」「予約が面倒」「安いに越したことない」という、子連れ主婦根性丸出しの方にはオススメの手段です。

3つに分かれたゾーン乗り場

東の「Banking Riverside」から西の「Putney」まで、テムズ川沿いの桟橋乗り場(Pier)24ヵ所から発着するウーバー・ボートの乗り場は「ウエスト・ゾーン」「セントラル・ゾーン」「イースト・ゾーン」3つの区域に分かれています。

週末や平日の朝と夕方しか運行しないルートなどがあるので、事前に公式ウェブサイトでルートを確認しておくとよいでしょう。観光でオススメなのは断然「Millbank」あたりから「Tower」桟橋までのコース。冒頭で挙げた主要な目玉観光スポットを網羅できます。

乗車券購入方法

各乗り場の窓口、券売機、オンライン、運行会社「テムズ・クリッパーズ」と「ウーバー」の専用アプリで乗車券を購入できますが、コンタクトレス(非接触)機能つきのクレジットカード、または交通系ICカードの「オイスター・カード」ですと23%割引になるのでお得です。

5歳から15歳のこども料金は大人の半額で、公共交通機関を1日乗り放題の「Travel Card」の場合は、さらに定価運賃の⅓で利用できます。

ウェブサイトにはこれらの種類別料金と、片道、往復料金が一覧で記載されているのでわかりやすいです。

サービスと船内の快適度

欲張りにバタシー発電所(関連記事)「Battersea Power Station」からグリニッジ天文台で知られたグリニッジ「Greenwich」まで行こうとしていたのですが、子連れには無謀でした。

ボート自体はわりとすぐに来たのですが、先頭に並んでいたにもかかわらず、スタッフがなぜかほかの人たちを後方の出入口に案内しており、私たちも慌ててそちらに走る羽目に。

定員オーバーになったりと危うく乗り損ねるところで、私たちよりさらに前に「優先者」として並んでいた赤ちゃん連れとお年寄りのご一行も含め、理不尽な思いをしました。いったいなんのための整列なのかと……。

船内は売店もトイレもあり、ちょっとしたフェリーのようです。席はまだ空いていましたが、その後「ロンドン・アイ」の観覧車や国会議事堂といったメジャーどころの桟橋からどんどん乗客が増え、あっという間に席は満席状態に。

幸か不幸か利用した時期は夏だったのもあり、イギリスにしてはめずらしいほどの快晴と気温で、オープンデッキのない“バス”車内はすし詰め、蒸し暑く不快度指数マックス(あくまでも、イギリスにしては、ですが)!

桟橋出発時は毎回ボートを一旦バックさせてから発進するのですが、か〜なり後進するので、はじめは反対方向に行く路線と間違えたかと焦りました。それはつまり、それだけ進むのが遅くなるということ。

さらに各駅(橋)停車なので遅々として進まず、子供や親からも「もうそろそろ降りては?」と催促が激しく、グリニッジ行きは到底無理な状況となってしまいました。

どうせなら、そのゆっくりさを利用して存分に写真を撮りたいところですが、人垣と屋根が邪魔してなかなか思うように撮れません。その横を、オープンエアで優雅に景色を楽しむ人たちを乗せたクルーズ船が、次々と通り過ぎていきます。

それでも、タワーブリッジだけはなんとしてでも! と、ジリジリしながら“並んで”、なんとか橋下通過時にもシャッターを切れました。

「Blackfriars」と「Bankside」桟橋の間に現れる、セント・ポール大聖堂がクレーンで隠れてしまっていたことと、「Tower」桟橋から見えるはずだったロンドン塔を撮り損ねたことが心残りでしたが、それ以外はなんだかんだんで写真に収められたのでヨシとします。

乗船した「Battersea Power Station」から「Canary Wharf」まで1時間。はじめのボートは満員で見送ったため、バタシー発電所の桟橋で並び始めてから、実に計1時間半が経過していたことになります。

出勤者の足としても使われているので(むしろそれがメイン?)、早朝から夜間遅くまで休みなく運行している点がうれしいウーバー・ボート。カジュアルでお手軽な“リバー・クルーズ”として、時間があるときなどに利用してみてください。

◼️
ウーバー・ボート(Uber Boat by Thames Clippers

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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