
9月3日まで! 英バタシー発電所で開催中のスポーツイベント「バタシー・ゲームズ」
2021年の9月に地下鉄ノーザン・ラインのバタシー・パワー・ステーション駅が開通して以来、元発電所が去年10月に再開発されてオープンするなど、なにかと話題になっているロンドン南西部の商業施設エリア。
この夏2023年は、7月1日から9月3日までリバーサイドなど、バタシー発電所を中心としたエリアで、さまざまなスポーツイベントが楽しめる「バタシー・ゲームズ(The Battersea Games)」が開催中です。
近代的な町並み、最初の「ゲーム」は巨大ボードゲーム!
この日はお天気がよかったせいもあり、駅を出るとユニークなデザインのビル群と全体的に真っ白な壁や路面がやけに眩しく、なんだか地中海の町に迷い込んだようでした。

マンションの下が韓国系スーパーや飲食店、眼鏡店などになっている街路「Electric Boulevard」を通り抜けると、イギリスの指定建造物に分類されている「バタシー発電所(Battersea Power Station)」のお目見えです。

入口にたどり着く前に、さっそく第1弾の「ゲーム」、巨大な駒を全身で動かして遊ぶ子供たちがいました。周囲はベンチや階段に座って飲食する人たちでにぎわっていましたが、意外なほど皆、ゲームの行方に注目しています。
生まれ変わった旧発電所の歴史を知る
発電所ビル内に足を踏み入れてみると、高級ブティックやユニクロ、カフェ・レストランなど多数のショップが並んでいました。

元発電所らしく巨大な吹き抜け構造になっており、上の方まで上がって階下を見下ろすと、ところどころに差し込む自然光がきれいで圧巻の光景です。
地下には、発電所が新たなアイコンとして蘇るまでの経緯や工程について書かれたパネルが置かれており、模型も展示されています。

それによると、バタシー発電所は1983年に50年の歴史に幕を閉じたあと、複数の所有者によって再開発の計画がたびたび浮上しましたが、どれも実現せず。

2012年にマレーシア系の現株主陣が購入後、ようやくプロジェクトは進行し始め、新地下鉄駅の誕生、発電所の複合商業施設化などが次々に実現していきました。
バーコード式メニュー「アーケード・フードホール」で便利に食事
子連れで出かけると、食事は子供の好きなもの中心になりがちです。複数の飲食店からそれぞれ注文し、好きな席で食べることができるフードコート形式の「アーケード・フードホール(Arcade Foodhall)」なら、大人も子供も満足できます。

ただし、注文はバーコードをスマホで読み込んだメニューから、料理はセルフではなく、レストランのように運ばれてくる点がフードコートとは異なります。

台湾料理の「バオ(BAO)」など、独立した店舗を構えているものの場合、出前形式なためメニューが限られていることや、実際は注文可能であるにもかかわらず、キッズメニューのほとんどが品切れになっていたことなどが難点ですが、どのスタッフも親切なので、きめ細やかに対応してもらえました。
迫力の大画面で試合観戦や映画鑑賞を
8月20日はサッカーの女子ワールドカップの決勝戦があり、初めて決勝に進出したイングランド女子「ライオネス」の行方に、イギリス中が固唾を呑んで注目していました。

あいにくスペインに負け優勝はなりませんでしたが、「バタシー・ゲームズ」では、リバーサイドの会場に設置された大型スクリーンで、ライブ映像を流していました。そのほかのスポーツ中継も、期間いっぱい9月の3日まで、また、今週25日までは夜8時から屋外映画も楽しめます。
メキシコ生まれのテニスに似た競技「パデル」
テニスかと思いきや、パデル(padel)というより小さなラケットで打ち合う競技がありました。ほとんどの利用が無料ななか、こちらは有料で予約が必要です。
運営する「Rocket Padel」の説明によると、1969年にメキシコで生まれたこちらは、テニスとスカッシュを合わせたような競技で、通常ふたり組のダブルスで試合をします。

イギリスにはスペイン経由(1974年)でだいぶ遅れて、2000年始めの頃に入ってきましたが、本格的な競技が開始されたのは2019年からとごく最近。いまでは国内選手権大会や勝ち抜き試合が開催され、全国で200ほどのコートがあるそうです。競技人口も増えてきて、今後の成長が見込めそうな新分野です!

そのほか卓球や100m走、バスケットボール、ブール(Boules)というフランスやイタリアで盛んだというボール競技などを体験できます。

ブールとはビリヤードの球のようなものを手で的に向かって投げるようで、バスケットボールも通常の様式ではなく、半分のコート(ハーフコート)のみを使う3人制だったりと、知らない競技もありました。
会場にはキッチンカーも出ており、手軽に食べられるバーガーやドリンクを持って、川沿いのテラスに座り、テムズ川の風に吹かれながら食べるのも気持ちよいでしょう。

そのほかドッグランや早朝ピラティス、屋内ビルで各種スポーツブランドによるサッカーなどのアクティビティ、有料のロッククライミングや発電所の系列ホテル内、ルーフトップでする朝ヨガなど、「バタシー・ゲームズ」期間中は健康的なイベントが盛りだくさんです。まだしばらくは続きそうな青空の下、運動をしにバタシー発電所を訪れるのもよさそうです。
- ◼️
- バタシー発電所(Battersea Power Station)
- ・住所
- 44 Electric Boulevard, Battersea Power Station, London SW11 8BJ
- ・アクセス
- 地下鉄Battersea Power Station駅徒歩5分
- ・営業時間
- 月〜土10:00〜21:00、日12:00〜18:00
- ・入場料
- 一部有料

筆者
イギリス特派員
パーリーメイ
2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。
【記載内容について】
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