スペインのハロウィンと万聖節(諸聖人の日)
スペインにハロウィンが浸透したのはここ10年くらいのことでしょうか。今では10月に入るとハロウィン用のお菓子がスーパーに並ぶようになり、間近になるとハロウィン仕様の飾り付けをするお店やレストランがあるほどです。当日の夕方から夜にかけては、仮装をした子供たちがお菓子をもらいに歩く姿も見かけるようになりました。日本と同様に、単に‟楽しむため”に多文化を採り入れたというわけですね。わが家の高校生の息子は、クラブ(スペインではディスコテカといいます)のハロウィンパーティーに行くからと父親にお金をねだっていました・・・
私も仮装した子供たちにお菓子をあげたいのですが、アパートメントの入り口にまずオートロックのドアがあり、入ってから階段かエレベーターで上がってこないといけないつくりのため、今のところ誰も来たことがありません。
さて、スペインではハロウィンの翌日にあたる11月1日が万聖節(諸聖人の日)で全国的に祝日となっています。カトリック教会で全聖人と殉教者を記念する日なのです。
万聖節(諸聖人の日)の習慣といえばお墓参り!! スペイン人は日本人と比べてあまりお墓参りの習慣がない印象がありますが、この日は日本のお彼岸やお盆のようなもの。みんなお花を持ってお参りに行きますが、スペインでは生花だけではなく、造花をお墓に供えることもあるんですよ。枯れないからでしょうね。
また、この時に食べるお菓子もあります。代表的なものは、ウエソス・デ・サント(huesos de santo)。なんと‟聖人の骨”というちょっと怖い名前なのですが、アーモンド粉と砂糖で練った生地で卵黄クリームを巻いた伝統菓子です。私の住むバレンシア地方やカタルーニャ、アラゴン、バレアレス諸島ではパネジェッツも食べます。マジパンを小さく丸めて松の実をまぶしたものが定番ですが、さつまいものペーストやココナツ、チョコレートを使ったりといろんなアレンジバージョンがあります。ほかの地方では、ブニュエロス・デ・ビエントとよばれる中に生クリームなどのフィリングがはいった一口大の揚げ菓子が食べられています。
この時期にスペインにお越しの方は、季節限定のスイーツをお試しくださいね。
ちなみに翌2日は死者の日で、メキシコでは盛大に祝いますがスペインでは特に何かする習慣はないようです。が、もしかすると私が知らないだけで、死者の日の習慣がある町があるかもしれません・・・。
筆者
スペイン特派員
田川 敬子
東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。
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