スキーのノルディック複合を本場欧州で観戦してみよう!準備のポイント

公開日 : 2023年12月19日
最終更新 :

冬季オリンピック競技のなかでも、日本での知名度が高いノルディック複合(コンバインド)。スキージャンプとクロスカントリー・スキーの2種目で勝敗を争う競技です。11月から3月にかけては、ウィンタースポーツのメッカである欧州を中心に、ワールドカップなど世界からトップ選手が集う大会が開かれています。その観戦に行ってみましょう。

観戦旅行時の大切なポイント

ラムソー(オーストリア)のノルディック複合W杯会場
ラムソー(オーストリア)のノルディック複合W杯会場

ノルディック複合は「日本のお家芸」と言われた時期もあった競技で、今40代以上の人は、1992年に開かれたアルベールビル五輪、1994年のリレハンメル五輪、1998年の長野五輪と、荻原健司選手をはじめ、オリンピックで活躍する日本チームに大きな声援を送った人も多いはずです。最近では2022年の北京五輪で、渡部暁斗選手は個人ラージヒルで銅メダル、団体としても日本チームは銅メダルを獲得しました。

ノルディック複合の本場は主にノルウェー、フィンランドといった北欧、ドイツ、オーストリアといった山岳国で、冬の時期になると大きな大会がいくつも開かれます。本場の大会というと敷居が高いように思えますが、訪れてみると、サッカーなど巨大スポーツ産業と比べて大会運営もフレンドリーで、選手との距離も近く、ファンにとっては楽しめる要素が多いです。

本場でノルディック複合観戦を楽しむ際の、準備ポイントは「観戦チケットの確認」「現地までの行き方の確保」「宿の確保」の3つです。

現地までの交通手段を調べる

ミュンヘン(ドイツ)中央駅で停車中の高速列車ICE
ミュンヘン(ドイツ)中央駅で停車中の高速列車ICE

観戦に行こうと思ったら、まずは会場のチケット手配が必要です。多くの場合、その国のスキー連盟の公式サイトに観戦チケットの購入先リンクなどがありますので、買えるかどうか調べられます。空きがあって購入できそうなら、まだ買わず、それより先に行う準備ポイントがあります。それは現地までたどり着けるかどうか。

ウィンタースポーツは、大きな都市ではなく、山の中にある小規模な町で行われることが多いです。そのため、現地までたどり着くため交通手段の確保が必要になってきます。基本的には、電車やバスなど公共交通機関を乗り継いで行けますが、それを調べるのが大変。ローカルの公共交通機関は、日本語の情報として出ていることは少なく、頻繁に走っているわけではないため、現地語または英語での事前リサーチが必要です。

ザルツブルク(オーストリア)から南東に向かった山間にあるシュラトミング駅
ザルツブルク(オーストリア)から南東に向かった山間にあるシュラトミング駅

人ぞれぞれ方法はあると思いますが、私の場合は、まずグーグルマップなどの地図アプリで近くの国際空港がある都市を探し、経路検索で現地までのある程度の行程を把握します。そうすると、いくつかの選択肢が出てきます。そこから、同じく地図アプリの情報を参考に、それぞれの経路や時刻を、各公共機関の公式サイトの時刻表などでダブルチェックします。

近年はオンラインやアプリで切符の購入から支払い、発券までできるところも多いです。特に乗り換え時間にそれほど余裕がなかったり、ローカルバスなどちょっと敷居が高いなと思われる路線は、事前購入・発券しておくと、当日乗車時に運転手さんと行き先や切符購入の現地語で、意思疎通が難しくなりそうな手間を省けます。

雪山でのホテル確保

ラムソーの町の様子
ラムソーの町の様子

現地まで訪れることの算段がついたら、交通を手配する前に宿の空き状況を見ましょう。山岳部で開かれるウィンタースポーツの大会は、小さな町で開催されることが多いため、常に地域の宿泊キャパシティが高いわけではありません。加えて、大きな大会が開かれる場合は、選手や関係者、メディアが訪れますので、徒歩圏内で会場まで行くことができる立地条件の良い宿は、混み合います。

会場から徒歩圏内の宿が便利である理由は、たとえばノルディック複合などは前半ジャンプ、後半クロスカントリーの間が、数時間ほど空きますので、その間に休憩もできます。近くに営業中のレストランやビジターセンターなどがあれば良いのですが、その辺りの現地の状況も考えつつ、当日の動きをイメージしながら滞在計画を練ってみましょう。

交通機関と宿の目処が立ったら、観戦チケットを再度チェックして購入。宿と交通機関も押さえましょう。

観戦時の服装

ショーナッハ(ドイツ)でのW杯ノルディック複合ジャンプ競技の様子
ショーナッハ(ドイツ)でのW杯ノルディック複合ジャンプ競技の様子

観戦時は動きませんので、とにかく寒いです。着込み過ぎかなと思うくらいで、ちょうどいいかもしれません。スキーやスノーボードのウェアを持っている人は、それをおすすめします。雪が降ってきても傘いらずですし、両手が使えて安全ですし(雪のため足元が滑りやすいです)、他の人々の邪魔にもなりません。

帽子も必須。頭や顔周りを保護すると温かさが、とても違います。足元はスノーシューズを履いていけば万全ですが、もし普通のスニーカーなどの場合は、念入りな防寒対策を。凍った地面から足の裏に寒さがとても来ます。

応援には、国旗などがあると選手は嬉しいと思います。会場内は、多くがその国か近隣の国からの観戦者で占められますので、日本国旗は珍しいです。そのような中で、日本のファンが来てくれて応援しているという姿が分かると、日本人選手もより力になるはずです。

忘れてはいけないご飯問題

オーストリアの名物料理ウィンナーシュニッツェル
オーストリアの名物料理ウィンナーシュニッツェル

ノルディック複合の会場となる町は、滑降用のスキーコースがあるような場所ではなく、クロスカントリー・スキーのコースがある、ある程度ひらけた場所にあります。そのため、冬でも多くのスキー客が訪れる場所ではない場合が多いです。

そこで注意したいのがレストラン。冬季で営業していなかったり、営業時間が都市部のレストランと比べて短かったりします。山の中のホテルは、夕食も宿泊料とセットになったプランがあることもありますので(都市部のホテルは、ほとんどが朝食のみ)、それを選んでも良いですし、もしホテルのレストラン以外で食べたい場合は、事前に営業時間をチェックしておくことをおすすめします。

ご飯の時間を逃してしまうと、本当に食べるものが何もないです……。大会は主に土日などに開かれます。日曜などはスーパーなども休業することが多いです。しっかりと準備をして、最大限に観戦を楽しみましょう。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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