【ドイツ・フランクフルト】ハーブを森で集め、グリューネゾーセを作る会に参加しました!

公開日 : 2024年05月07日
最終更新 :

以前私の最初の記事で、フランクフルト名物のグリューネゾーセ祭り(Grüne Soße Fest)についてご紹介をさせていただきました。記事はこちらをクリック

※ちなみに今年の" Grüne Soße Festival "の開催は、2024年5月11日~18日までとのこと。
オフィシャルサイトはこちら

その「グリューネゾーセ」とは何か、という方のためにその記事で記載した内容を引用すると “フランクフルトの名物料理を代表する食べ物のひとつ「グリューネゾーセ」。ハーブ7種類をサワークリーム等の乳製品と混ぜて滑らかなソースにし、ゆで卵やゆでたジャガイモなどにつけて食べる” ソースです。
大体4月頃になると、フランクフルトと周辺の近郊地域のスーパーではこのグリューネゾーセを家庭で作るための、「グリューネゾーセ用ハーブセット」が販売されます。
日本の「春の七草セット」のようなものです。
ですが今年は、そのグリューネゾーセ用のハーブをドイツの森で実際に採取し、その後調理をして完全にオリジナルのグリューネゾーセを作りました!

こちらは、フランクフルトでドイツのハーブについて日本語またはドイツ語で説明していただけフィールドワークや座学で、ハーブについてより深く学ぶことができる講座の主催者 保坂妙子 - ほさかたえこ - さんの「グリューネゾーセの会」に参加して作ったものになります。

その時の様子を写真付きでご紹介します。

フランクフルト空港近くの広大な森を探索してハーブについて学ぶ

保坂さんのハーブ講座では基本的にはフランクフルト空港近くの広大な森・草原で植物散策をします。この場所は非常に広く、いつ歩いても来るたびに植物の様相が変わったりするため毎月印象が変わる気がします。

多様な一面を見せるその森を保坂さんに案内していただき、随時立ち止まり植物の説明を受けつつ、また談笑をしながらもゆっくりと進んでいきます。森の中を歩くのは本当に気持ちがよく、いつも時間を忘れてしまうほど発見が多く、その地に住んでいる動植物の存在を感じながら歩み進めていきます。

散策時の植物たちは本当にたくさんの種類と出会うため全ては紹介しきれませんが、今回は出会った植物の一例として、セイヨウサンザシことドイツ語では「ヴァイスドルン(Weißdorn):白い棘、という意味」と呼ばれるハーブをご紹介します。(下記写真参照)

ちょうど散策をした4月下旬頃に花を咲かせ (花の色は写真以外の色もあり、花の色が異なっても効能は同じとのこと) 、採取した花や葉を生のままお湯に数分間浸出してハーブティとして飲むと、心疾患系の病に効能があるそうです。
今回の散策の際にはこの葉と花を採取し、散策後に保坂さんのお宅でハーブティとしていただきました。

Weißdornの花
Weißdornの花

自然の中を散策をするということ

植物散策をするということは、当たり前ではありますが、自然の中を歩くということ。

そのため時に季節や天候に左右され、植物の成長具合や動物たちの自然の営みに触れることとなります。
つまり、日によっては寒い日や暑い日、雨の日や雪の日、風が強い日もあり、また森の中や草原に虫が多く発生していたりすることもあります。

今回のグリューネゾーセ用ハーブを採取する日は生憎の雨・みぞれ模様。そしてこの場所で何年も植物散策をしている保坂さん曰く“例年に比べて虫が多い年”とのことで、森に入れば誰かの背中や足に木からぶら下がった小さなイモムシが付くことがしょっちゅうで、人によってはきつかったかも知れません。
虫が苦手な私にとっては、虫がちょっときつかったですが、他の方が平気だったので勇気づけられました…

申込時に保坂さんから事前に連絡事項で、 ”森の中は午前中は特に冷えるので、温かい格好で来てください。今週は雨が多い予報なので、ぬかるんでる場所が多かったり、足元の植物が濡れていて靴が濡れる可能性が高いです。集めてる時に靴下が濡れたり、ズボンの裾が濡れるとあとあと寒いので、替えのものを持って来てもらうと安心です。”  と当日を見込んだ服装についてのご連絡があるので、しっかりと忠告を守れば問題ありません。
私は防水のウィンドブレーカーとニット帽、そして防水ブーツを履いていったところ、大正解でした!

また散策中には本当にたくさんの植物について学ぶので、とても一度に覚えきられる情報ではないため私はスマートフォンでメモを取り、また写真も随時撮影しています。また散策中に保坂さんから、当日説明してくださるハーブの名前付き写真をプリントアウトした紙や時にはレジュメがもらえるので、わたしはそれをスクラップブックに貼り付け、メモした内容を書き込んで記録しています。

散策後の汚れたブーツ
散策後の汚れたブーツ
森の中のとある奥地にて
森の中のとある奥地にて

グリューネゾーセ用の植物採取のあとは待ちに待ったグリューネゾーセ作り!

保坂さんのワークショップで作るグリューネゾーセは、フランクフルト名物となっている「フランクフルターグリューネゾーセ(Frankfurter Grüne Soße)」とはほとんど異なるハーブを使用して作ります。
ただし毎年採れるハーブによってグリューネゾーセに使用されるハーブも違う、ということですので、その年オリジナルのグリューネゾーセを味わうことができ、毎年大好評のワークショップだそうです。今回グリューネゾーセに使用したハーブの一例をご紹介します。

※日本に同一のハーブが存在しないものもあるため、ドイツ語のみ表記
1. Goldnessel / 効能:抗炎症効果、デトックス効果
2. Schafgarbe / 効能:止血作用や胃腸、肝臓の働きをよくする
3. Sauerampfer / 効能:胃腸の調子を整えたり、利尿作用、血を綺麗にする
以上の3種類のハーブほか、さらに7種類以上のハーブをこの日は集め、今回のグリューネゾーセを作りました。

どんなハーブが採れるかについては、その時に参加してみてのお楽しみです♪

みんなで採取した10種類以上のハーブ
みんなで採取した10種類以上のハーブ

このワークショップでは2種類のグリューネゾーセを作るうえ、さらにドイツ風のピザ フラムクーヘン(Flammkuchen)も同時に作ります。

フラムクーヘンに塗るクリームソースに午前中採取したハーブのひとつを使用する保坂さんとっておき秘密のレシピで作ったフラムクーヘンは、とてもおいしかったです。

なお採取したハーブは、泥などの汚れを落とすため軽く水で洗いますがあまりバシャバシャと洗ってしまうと、ハーブそのものが持っている効能が薄れてしまうので洗いすぎないようにすることが大事だそうです。

グリューネゾーセ作りの様子
グリューネゾーセ作りの様子
できあがったドイツ風ピザ、保坂さんオリジナルレシピのフラムクーヘン(Flammkuchen)‐Bärlauchの白い花を添えて‐
できあがったドイツ風ピザ、保坂さんオリジナルレシピのフラムクーヘン(Flammkuchen)‐Bärlauchの白い花を添えて‐
特製グリューネゾーセ2024年バージョン
特製グリューネゾーセ2024年バージョン


フラムクーヘンはみんなですぐに食べきってしまったのですが、グリューネゾーセは食べきれない量を作るので各自持ち帰ることができます。事前に案内があったタッパーを持参しているため、実食後に余ったソースは各自持ち帰らせていただきます。
グリューネゾーセのベースは乳製品を使用しているので数日のうちに食べきってくださいね。

デザートのハーブ(右):グンダーマン(Gundermann)をチョコレートにフォンデュしていただきます
デザートのハーブ(右):グンダーマン(Gundermann)をチョコレートにフォンデュしていただきます

さらに面白いと感じたのは、この日のデザートです。保坂さんからは散策中に「デザートのためのハーブも集めます」と聞いていたので、てっきりスイーツに添えるハーブかな?と想像していたのですが、そこは植物のプロ! ハーブそのものを溶けたチョコレートに浸し、チョコレートフォンデュする形のデザートでした。

このハーブ(上記写真参照)はグンダーマン(Gundermann)/ 日本語では「カキオドシ」と言い、ミントのような味がするハーブです。
そのため、チョコレートに付けて食べるとまるでチョコレートミントのようなお味に。爽やかな口当たりにチョコレートの甘さがあいまり、気づいたら手が止められないような素敵なデザートでした。

さて、以上が保坂さんのハーブ講座のひとつ「グリューネゾーセの会」の様子でした。

参考まで、記事内では講座で学んだいくつかのハーブの効能も少しだけご紹介させていただきました。
もっと詳しく知りたい方は、是非保坂さんの講座に参加して学んでみてくださいね!

去年から保坂さんの講座に参加して以来、ドイツに自生するハーブにドはまりし、学べば学ぶほど興味が深まるばかりのこの頃です。
去年は、日々変化していく植物を毎月同じ場所で観察して学ぶ、ほぼ毎月開催「植物散策」のフィールドワークに参加しました。今年からは新たなコースが増え、上級者向けの「植物散策」コースも開催予定とのことですので、是非参加したいと思っています。

ドイツでは体の不調が出た際には、いまでも薬に頼らずハーブの力(例:ハーブティやチンキなど)で健康を維持している人もいます。そのため、ドイツのハーブを知ることはドイツに根付いている文化も学ぶこと、と個人的に考えています。とっても奥が深いハーブについて、もっと知識を付けていきたいと思っています。

実際保坂さんの講座をきっかけにして、日常生活で出会う植物に目を向けるようになってから、日々何気なく歩いていた道のりを、今では歩きながらずっと植物に目が釘付けで、時に「あ! このハーブはこの前の植物散策で学んだものだ、ここで手に入るのか。」などと考えながら日々歩いています。

厳しかったドイツの冬が去り、植物が大いに成長していくばかりの季節が待ち遠しく感じています。

保坂妙子さん
保坂妙子さん

保坂さんの講座は、毎月決まった日時で開催されるものや(要HP随時確認)、3名以上のお申し込みでフランクフルトや近郊都市への出張開催も、またフランクフルト空港から近い立地で開催される講座のため、日本からドイツ、フランクフルトにお越しの旅行者の方へもお問い合わせで講座を開催してくださるそうなので、気になる方は是非ホームページからお問い合わせをしてみてくださいね。

保坂妙子さんのハーブ、アロマの講座・植物散策の会

開催時期
HP参照
開催場所
フランクフルト空港近郊
保坂さんのホームページ
https://www.pflanzenmit.com/
最新開催予定をすぐにキャッチ!保坂さんのInstagram
Instagram Link

筆者

ドイツ特派員

ヘニングウェイ

2022年からフランクフルトに在住。2019年-2020年まではデュッセルドルフにワーホリをしていました。今年から夫と元保護犬と暮らしてます🌼

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