【ジョージア・ボルジョミ】国立公園もお休み!ジョージアのイースター

公開日 : 2024年05月01日
最終更新 :
筆者 : MAO

皆さんგამარჯობა(ガーマルジョバ:こんにちは)!
本日は、まもなくやってくるジョージアのイースター(2024年は5月5日)を前に、ジョージアのイースター文化について紹介したいと思います。
またこの期間については、タイトルにもあるように、国立公園含め、多くのお店や施設が休館となりますので、それについても説明していきますね。

5月3日(金)から6日(月)までは国立公園も休園

冒頭でも少しお伝えした様に、ジョージア正教会のジョージア人にとって、イースターはとても重要なイベント。
ジョージア語ではイースターを、Aghdgoma(აღდგომა)と言います。

イースターの日は毎年変わります。その理由は、”昼と夜の長さが同じになる春分の日の次の満月後の日曜日”がイースター日とされているからです。それに伴い今年2024年は、5月5日(日)となりました。

多くのジョージア人は家族と共に過ごしたり、家族とお墓参りに行くなどして過ごします。首都に住む方々は、帰省する事が多く、故にこの時期の電車やミニバスなどは大混雑とのこと。

ジョージアの電車チケットは基本2週間前から予約出来るのですが、それでも1日2本の電車は即満席となります。筆者も試しにジョージアの鉄道チケットサイトを見てみましたが、5月3日(金)トビリシ発は既に完売で、他の日もチケットは少なくなっていました。

そして大切なのは、交通網の混乱(電車が満席やバスの運行が少なかったり、ルート変更)に加えて、博物館や多くの観光施設がこの期間を休みにしている事が多いのです。またバザールなども、週末は閉まっている事が多く、2日(木)や3日(金)に必要なものを買い込み、ゆっくりと家族と家で過ごす事がジョージアのイースターの主流だそうです。

その為、私が勤務しているBorjomi -Kharagaruri国立公園も5月3日(金)〜6日(月)までは休みとなります。(他国立公園も同様です)

帰省し家族で過ごしたり、墓参りや交通の混雑があるなどを聞くと、まるで日本のお盆休みの様ですね。


・国立公園のイースター休暇について|https://www.facebook.com/photo/?fbid=811421571018602&set=pcb.811422601018499

そもそもイースターって何?

さてタイトルにある通り、イースターとはそもそも何かについて説明します。

日本人にとっては、まだまだ馴染みの無いイースター文化。
イースターと聞いても、色付けされた卵やウサギを思い出すものの、一体何のお祝い?と思う方も多いのでは無いでしょうか。

イースターは、十字架に磔にされたイエスキリストの復活を祝う日です。

ジョージア正教会では、今年は4月28日(日)をPalm Sunday(聖枝祭)とし、敬虔な正教徒はこの日からイースター日である次の日曜日(5月5日)までの1週間を厳かに暮らします。この聖枝祭は、イエスキリストが磔にされるエルサレムの地に自ら戻った日(エルサレム入城日)で、イエスが通った場所に、当時凱旋の象徴であった小枝を町の人々が道に並べた事から、聖枝祭と言われています。

5月2日(木)はイエスが弟子と共に最後の晩餐を行った日とされており、1週間の内でも非常に大切とされている日です。

5月3日(金)は聖金曜日(Good FridayやRed Friday)と言われており、イエスが磔にされた日です。暦は異なりますが、”13日の金曜日”と一般的に言われる日ですね。ジョージアではこの日に赤いイースターエッグを作ります。

5月4日(土)は聖土曜日(Black Saturday)とされ、受難や磔の悲しみを偲ぶ日とされ、そして5月5日(日)は、イエスの磔からの復活(イースター)を祝います。敬虔な正教徒もこの日まで断食をするなどをし、厳かに過ごしていましたが、この日は復活を祝い家族や友人と食事を楽しみます。

またChonaと呼ばれる伝統があり、これはイースター当日に男性達がグループとなりイースターに因んだ聖歌を歌いながら、村人の家に訪問し、家庭の平和を祈るという風習で、今でもジョージアの地方では行われているそうです。


そして翌日5月6日(月)もGood Mondayとされ、イースターエッグを使ってゲームをしたりするなどし、家族との時間を楽しみます。
欧州も同様ですが、ここジョージアもイースター休暇と言えば、Good Fridayから、Good Mondayまでの4日間となります。

これがジョージアでのイースター休暇の流れになります。

なんだか愛おしいウサギちゃんをスーパーで発見
なんだか愛おしいウサギちゃんをスーパーで発見

ジョージアのイースターは何をするの?

ここまでジョージアのイースターについて説明しましたが、では実際ジョージアではイースターに何をするのかを紹介します。

イースターが近づくにつれて、スーパーにはイースターコーナーが出来上がり、大量の卵が並びます。一個から買う事もでき、卵の横には、食卓に並ぶであろうケーキのデコレーション材料や、卵やウサギの飾りが並びます。

また先日筆者はバザールに行くと、色とりどりの野菜が並ぶ場所に、枝が売っているのを発見しました。
店員さんに、この枝は何かと尋ねると
『これはエンドゥロ(ენდრო:endro)という木の枝で、ジョージアではこの木でイースターエッグを染めるの』と教えてもらいました。
エンドゥロは英語ではRubia、日本語では茜の木。日本でも昔から、茜染といい、染め物の染料として用いられてきた様です。

スーパーの入り口にあるイースターコーナー。大量の卵が並ぶ。
スーパーの入り口にあるイースターコーナー。大量の卵が並ぶ。
Endroの木の枝
Endroの木の枝

本来ジョージアでは、聖金曜日(今年は3日)に作り、イースター当日以降に卵を食べるのですが、筆者は紹介を兼ねて、自宅でジョージアのイースターエッグを作成してみました。

ジョージア人の同僚に事前に教えて貰った通りの準備物を準備しました。

準備物は、エンドゥロの枝、赤玉ねぎの皮(色付けの為だが枝のみでも十分色が付く)、水、卵。

木の枝はこの1つで約1ラリ。1つの塊だけで、鍋いっぱい十分赤色に染まります。
木の枝はこの1つで約1ラリ。1つの塊だけで、鍋いっぱい十分赤色に染まります。

非常に簡単で、赤玉ねぎの皮と枝を煮詰めた中に、卵を投入するだけ。

卵が茶色い色のものであれば、通常のゆで卵の茹で時間でも、赤色に染まっているかと思いますが、筆者は白い卵を使ったので、理想の赤色になるまでは20分程煮込みました。
この木の枝はイースター近くになるとどこでも見かける事が出来ますが、スーパーには粉末も売っています。

ジョージア正教会では、イースターと言えばこの赤色卵で、赤色には、イエスが磔にされた日である聖金曜日(Red Friday)にもRedとある様に、イエスの血が表されていて、生命誕生や復活のシンボルとされているのです。

・Easter Traditions|https://georgia.travel/georgian-traditions-and-rituals/easter-traditions#

卵投入前に水が茶色になるまで、枝と玉葱の皮で煮ます。
卵投入前に水が茶色になるまで、枝と玉葱の皮で煮ます。
卵を投入してすぐに、早速色がつき始めました。
卵を投入してすぐに、早速色がつき始めました。
しっかり赤色になりました。このゆで卵は勿論食べられます。
しっかり赤色になりました。このゆで卵は勿論食べられます。
枝がめんどくさい!という方や、買えなかった方には、粉末バージョンも!これを買えば日本でも可能!
枝がめんどくさい!という方や、買えなかった方には、粉末バージョンも!これを買えば日本でも可能!

完成した赤く色付けした卵は、”ジェジリ(ჯეჯილი)”と呼ばれる麦の芽の上に載せて、イースター当日を迎えます。
このジェジリにも意味があり、”芽が出る”という事が、イエスの復活を表しているのです。
ジェジリはイースター時期や期間前のバザールではよく売られています。

他にもあるジョージアのイースター料理

また他の典型的なイースター料理としては、”パスカ(პასკა)”と言われるケーキです。
イースター前の期間は敬虔な正教徒にとっては断食期間として、乳製品などを節制して生活をします。その為イースター当日は、乳製品をふんだんに使って作られたパスカを家族と食べて祝うと言われています。形は円柱形であり、これは正教会の教会を表しています。スーパーには、普通のプレーンのパスカやチョコをまぶしたパスカなど様々なものが売られています。

筆者は大きいサイズは食べれないので、ミニサイズが売っていたので買ってみました。
パスカはヘブライ語の”Pesach”(ペサハ)が語源とされており、イタリア語でも復活祭をパスクア(Pasqua)と言うので、語源は同じなんだろうなぁとふと思いました。

他にはラムとタラゴンをワインで煮込む料理であるチャカプリ(ჩაქაფული)もイースター料理として有名です。
その理由としてはイエスは”神の子羊”と聖書でも例えられており、子羊はイエスキリストの象徴、タラゴンやハーブは、永遠の復活、ワインは聖体を意味するとされており、それ故にジョージアのイースターでは欠かせない料理なのです。

また敬虔な方の中には、イースター時期にウサギを焼いて食べられる方もいらっしゃるそうです。うさぎは子孫繁栄の象徴として世界的にもイースタの象徴とされていますね。

・Chakapuli|https://georgia.travel/chakapuli

チョコ味のパスカ(პასკა)
チョコ味のパスカ(პასკა)
ラムとタラゴンをワインで煮込む料理であるチャカプリ(ჩაქაფული)
ラムとタラゴンをワインで煮込む料理であるチャカプリ(ჩაქაფული)
タラゴンの香りがしっかりつき、ラムの臭みは無い。二日酔いなどにも良さそう。
タラゴンの香りがしっかりつき、ラムの臭みは無い。二日酔いなどにも良さそう。

ジョージアのイースター期間の旅行は気をつけて!

今回の記事では、ジョージアの伝統的なイースター休暇について紹介しました。
イースター当日のジョージアは、挨拶も少々異なり、”Qriste Agsdga!(ქრისტე აღსდგა!/キリストが復活した)”と声がけをし、対して”Chesmaritad Aghdga!(ჭესმარიტად აღდგა!/実に復活!)”と応答するやり取りが見られます。

この様な、日本ではあまり経験する事ないジョージア正教会のイースター文化を体験してみるのも、旅の良い思い出ですね。それぞれの地方によって、イースターの伝統風習も異なるようで、筆者も興味深いです。

しかしながら、冒頭でお話ししたように、地元の方の帰省に伴い混雑が予想されます。日本もゴールデンウィークにあたり、ジョージアに来られる方もいらっしゃるかと思いますが、休暇中の国内移動状況や観光する場所の営業日時を事前に調べることをお勧めします。

もし、トビリシで観光する予定だったが、全て閉まってる!と気づいた方は、ゆっくりと自然に囲まれながら心を休めるボルジョミ旅はいかがですか?

筆者が購入したミニパスカ。お土産にもピッタリ!
筆者が購入したミニパスカ。お土産にもピッタリ!

筆者

ジョージア特派員

MAO

温泉(お風呂も)やキャンプを愛するMaoです。私が住む東欧ジョージアにあるボルジョミという町の魅力や観光情報をお届けします。

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