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海外旅行中のスマホ、タブレットのネットワーク、 Wi-Fi接続入門

地球の歩き方ウェブ運営チーム

地球の歩き方ウェブ運営チーム

更新日
2022年12月8日
公開日
2022年12月1日
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海外でのスマホのネット利用には4つの手段がある。自分の旅スタイルや、どんな機能を優先して使いたいかなどを考慮しながら、納得の方法を選ぼう。

目次

基礎知識編①海外でスマホをネットにつなぐ4つの方法

フリーWi-Fi「あまりネットを利用しない」「通信にコストをかけたくない」という人に

©︎iStock

フリーWi-Fiは、無料で利用できる点が、最大のメリット。ただしWi-Fi設備のあるエリア周辺でしか使えず、旅の行程の中では、利用するタイミングが限られる。通信速度やセキュリティ面に不安があるが、海外ではネットをほとんど利用しない人のための選択肢だ。

1.フリーWiFiの仕組み
ホテルやカフェなどの公共施設が、施設利用者のために無料で使えるように設置したWi-Fiルーターが、フリーWi-Fiだ。Wi-Fiの電波が届く範囲内であれば、Wi-Fiルーターを通じて、スマホやパソコンをインターネットに接続することができる。パスワードが必要ないフリーWi-Fiもある一方、施設利用者以外の「ただ乗り」を避けるために、パスワード設定をしたうえで、施設利用者のみにパスワードを教えている場合もある。

2.フリーWi-Fiってどこで使えるの?
ホテル、カフェ、レストラン、ショッピングモール、空港、駅などに、フリーWi-Fiルーターが設置されていれば、使うことができる。これらの場所で、スマホの「設定」アプリの「Wi-Fi」を開けば、Wi-Fi一覧が表示される。ただし、表示されるすべてがフリーWi-Fiというわけではない。施設の公式のWi-Fiかどうか、案内表示やWi-Fiネットワーク名などで確認しよう。

3.フリーWi-Fiの特徴と注意点
フリーWi-Fiは、とにかく無料で使えるのがメリットだ。
パスワードを入力しなくてもつながるタイプもあるが、ホテルでは、チェックイン時にフロントで教えてもらえるたり、客室内の案内に書かれていることもある。
ただし、フリーWi-Fiにはデメリットもある。まず、フリーWi-Fiが使えるエリアが非常に限られる、ということ。スマホを急に使いたいと思っても、エリア内でなければネット接続ができない。
例えばホテルでも、「ロビーでは使えるが(無料)、客室では使えない(有料)」というケースもあるのだ。さらに、Wi-Fi接続がすんなりできないこともある。フリーWi-Fiの場合、ホテルのフロントなどでパスワードを教えてもらうだけで苦労したり、スマホ画面に見慣れない現地語のウェブページ(接続設定のためのウェブサイト)が表示されて、指示どおりに操作してもつながらなかったり、ということが多々ある。アジアなどでは顕著だが通信速度が安定しないケースも多い。
そして、フリーWi-Fiでもっとも懸念されるのは、セキュリティの問題だ。
Wi-Fiルーターに、適切なセキュリティ設定が行われていない場合、通信データを盗まれたり、スマホが第三者に監視されたりする可能性がある。個人情報や会社関連の情報が入った端末を持ち歩いている人は使用しない方が賢明だろう。

海外用モバイルWi-Fiルーターをレンタル「海外でも頻繁にスマホを使いたい」「グループで旅行する」「通信速度が速くないとイヤ」という人に

©︎iStock

渡航先ですぐ使えるよう設定されたモバイル用の小型Wi-Fiルーターをレンタルして現地で利用できる。通信速度も十分で、ルーター1台で複数の端末(スマホやパソコン)につなげられるので、旅の仲間とシェアして使うことも可能。レンタル料金が割安なうえ、グループ旅行などで仲間とシェアする人にはさらにオトクな方法だ。

1.海外用モバイルWi-Fiルーターの仕組み
モバイルWi-Fiルーターとは、携帯可能なWi-Fiルーター(機器)のこと。
「スマホ」と「モバイルWi-Fiルーター」のあいだはWi-Fiで接続され、「モバイルWi-Fiルーター」と「携帯基地局」のあいだは携帯電話回線で接続される。

そのため、日本で使っているモバイルWi-Fiルーターは海外では使用できず、「海外用に設定済みのものをレンタルして持参する」という方法になる。

2.モバイルWi-Fiの特徴と注意点
モバイルWi-Fiルーターは、渡航先やサービス提供会社によって異なるが、1日あたり1,500円程度からレンタルが可能だ。携帯電話会社(キャリア)の「海外パケット定額」の場合、1日あたり、2,000円~3,000円近い料金になることもあるので、よりも割安になることが多い。どちらが得に旅行できるか、価格を比較しておこう。

また、1台のモバイルWi-Fiルーターで、複数台のスマホを接続することができるので、例えば4人グループで旅行をするなら、4人で1台だけレンタルすれば、ひとりあたりの負担はその4分の1で済む、というわけだ。

ほかの接続方法に比べると、最初にスマホとモバイルWi-Fiルーターの接続をしておけば、旅行中、細かく設定を変えたり、再度接続設定を行ったり、といった作業が不要なので、初心者でも安心だ。

ただし、レンタルの申し込みや空港のピックアップに手間がかかること、旅先ではスマホと一緒に常にモバイルWi-Fiルーターを持ち歩かなければならず荷物が増えること、毎日充電しなければならないことなどがデメリットと言える。

また、グループで1台だけレンタルした場合、別行動をすると、全員が利用できない、ということにも注意が必要だ。とは言え、「2台レンタルする」「別行動する日だけ、一方がキャリアの海外パケット定額を利用する」といった対処法もあるので節約派にはおススメの方法だ。

3.モバイルWi-Fiルーターのレンタル方法
モバイルWi-Fiルーターはあらかじめネットでレンタル予約し、渡航時に指定した空港のカウンターで受け取るのが基本だ。

出発当日に、空港カウンターでの事前予約なしの申し込みも可能だが、レンタル機器が出払っている可能性もあるので注意したい。また、専用カウンターのない空港を利用する場合や、乗り継ぎのために専用カウンターに立ち寄れない場合は、宅配便で受け取ることもできる。

携帯電話会社の海外パケット定額サービス「国内と同じように、手軽にスマホ使いたい」「旅行中の特定の日だけ使えればいい」という人に

©︎iStock

NTTドコモなどの携帯電話会社(キャリア)が提供する海外専用のパケット定額プラン。いつも使っているスマホのみで、利用したいときにネット接続ができる。割高ではあるが余計な持ち物を増やしたく人にはピッタリだ。また、携帯電話回線を利用するので、SMS(ショートメッセージ)の利用も可能だ。

1.国際ローミングと海外パケット定額の仕組み
海外で日本の携帯電話を使うと、まず、現地のキャリアと通信が行われ、現地キャリアの通信設備を通して、日本のキャリアのサービスを受けることができる。これを国際ローミングという。

海外でデータローミング(音声通話ではなくモバイルデータ通信)を行った場合、現地キャリアと接続されてしまい、日本国内で利用しているキャリアの「パケット定額」は適用されない。そのため、驚くほど高額の請求になることがある。

これではとても安心して利用できないので、キャリアはそれぞれ、「海外パケット定額」というサービスを用意している。日本のキャリアと提携している現地キャリアを正しく選択すれば、この「海外パケット定額」が適用されて、1日あたりの通信料が、最大でも3,000円程度に抑えられ、安心して使えるというわけだ(ただし、適用外のエリアがあるので、確認が必要)。「海外パケット定額」用のアプリを正しく利用することで、提携していない現地キャリアと接続されることもなくなる。

最近では、ahamoなど追加の申し込み不要で一定程度海外での通信が可能なキャリア(ただし、ドコモの定額プランには入れない)や、LINEMO、UQ mobileなど、事前申し込みで通信を利用できるキャリアなど、以前に比べて利用するハードルは下がったと言えるだろう。

2.海外パケット定額サービスの特徴
国際ローミングを利用した海外パケット定額サービスは、とにかく簡単に利用できるのがメリットと言える。特別な機材を用意する必要もなく、いつもの自分のスマホが使える。いずれのサービスも、キャリアが提供する専用アプリを利用すれば、海外でも安心して接続することができる。

海外パケット定額は、たいてい、2段階の定額制となっており、どれだけ使っても、1日当たりの上限は3,000円程度に抑えられている。「1日」単位で課金されるので、5日間の旅行の際に、3日間しか使わなければ、3日分しか請求されない。
ただし、「1日」の定義は、たいてい「日本時間の0:00~23:59」となっているので、現地時間と間違えないように注意したい。キャリアごとの料金条件を確認したい。

比較的低額で、日本で加入しているデータ定額プランの容量を海外でも使用できる「世界データ定額(au)」「世界そのままギガ(NTTドコモ)」というサービスもある。

また、テザリング(スマホをWi-Fiルーターとして利用する方法)についても、海外パケット定額が適用されるので、持参したパソコンをスマホ経由でネットに接続したり、グループのひとりが海外パケット定額を利用してグループ内のほかのメンバーがそれを利用したり、という方法も可能だ。

利用者には使いやすい海外パケット定額だが、もちろん料金がかかるので、フリーWi-Fiを基本に、旅行期間内にどうしても使いたい日があったり、フリーWi-Fiが繋がらない時のための「お守り」として併用するのもいいだろう。

1つ注意点としてはキャリアによっては海外ローミングでの使用が可能にする契約などが必要な場合がある。(NTTドコモのWORLD WINGなど)渡航前に自身の契約内容が海外で使用可能か、契約内容を確認しておこう。

事前の準備
出発前に、各携帯キャリアのウェブサイトなどで、料金、内容、利用可能エリア、提携現地キャリアなどを確認し、海外用アプリをダウンロードしておこう。必要な設定を済ませておけば、現地到着後にお知らせメールが届き、利用開始OKとなる。

主要キャリア
●NTTドコモ:世界そのままギガ、世界ギガし放題(申し込みが必要)
●au、UQ mobile:海外ダブル定額、世界データ定額(申し込みで割引)
●ソフトバンク:アメリカ放題、海外パケットし放題、海外あんしん定額(申し込みが必要)
※ワイモバイルは機種購入込契約でない場合、海外パケットし放題には加入できないなど格安SIMキャリアについては注意が必要だ。各キャリアのウェブサイトで条件などを確認したい

主要キャリア問い合わせ先

海外で使用可能なSIMカードを購入する「頻繁に海外に行く」「海外出張が多く、現地滞在日数が長い」という人に

©︎iStock

現地キャリアに対応したSIMカードをamazonなどのECサイトであらかじめ購入し、SIMフリースマホに差し替えて利用する方法も便利だ。通信料が現地の国内通話扱いになるので、割安な料金で通信環境も良くなってきている。SIMカードの多くはプリペイド式なので、使いすぎによる高額請求の心配も不要。海外に長期滞在する場合や、渡航頻度の高いビジネスマンなどに向いている方法と言える。

1.現地SIMカードでの通信の仕組み
「現地SIMカード」とは、海外の携帯電話会社(キャリア)のSIMカードのこと。プリペイド式の現地SIMカードを購入して、自分のSIMフリースマホに差し込めば、プリペイド分の通信が利用できる。

ちなみに、SIMカードとは、携帯の電話番号情報や、携帯電話回線に接続するための情報などが書き込まれたもので、このカードがないと、携帯電話回線につなぐことはできない。

2.準備するもの
現地SIMカードを利用するには、まず、SIMフリーのスマホを用意する必要がある。
SIMフリーのスマホを入手するには、「SIMフリーのスマホを購入する」「SIMロックがかかった自分のスマホのロックを解除する」という2種類の方法がある。

●SIMフリーのスマホを購入する
SIMフリーのスマホは、iPhoneであれば、Apple Storeで、Androidであれば、家電量販店などで購入することができる。購入や設定のハードルは高くなるが、現地での購入も可能だ。

●スマホのSIMロックを解除する
キャリアによるSIMロックは、2015年5月以降に発売された機種については、一定の条件を満たせば、ロック解除が可能だ(ロック解除には手数料が必要な場合が多い)。キャリアの公式サイトで、ロック解除が可能な機種かどうかを調べてみるといい。

ただし、スマホには複数の通信方式(利用周波数帯)があり、現地キャリアの通信方式と異なる場合は使えないこともあるので、よく確認しておこう。

現地SIMカードを入手するには

SIMカードを入手するには、「日本で事前に購入する」方法と「現地で購入する」という方法がある。

●日本で事前に購入する
日本で購入する場合は、家電量販店、ECサイト、空港などで購入できる。
通常のSIMカードは特定の国でしか使えないが、複数の国で使えるグローバルタイプもあるので、自分の旅行に合ったタイプを調べてみよう。
ただし、国内で購入をすると通信量に対して割高になることが多い。

●現地で購入する
現地で購入すると、通信料金がかなり安価に抑えられる。しかし、事前に購入先を調べる必要があり、SIMカードの種類を選ぶ際に言語の壁があるなど「その国にいった経験がある人」「スマホに詳しい人」「語学ができる人」以外にはおすすめできない。

~SIMカードの種類はさまざま~
SIMカードにはいろいろな種類があり、規格が合わないと利用できないので、購入時には注意しよう。

(1)サイズ
SIMカードはサイズ別に3種類あり、大きいほうから「標準SIM」「マイクロ SIM」「ナノSIM」となっている。自分のスマホがどのサイズかを事前に確認しておこう。
(2)音声通話の有無
SIMカードには、「データ通信のみのタイプ」と「データ通信+音声通話が利用できるタイプ」があるので、自分の使いたい機能に合わせて選ぼう。
(3)容量タイプ/期間タイプ
指定された通信量(「1GB」「3GB」など)までデータ通信が利用できるタイプと、指定期間内(「14日」「30日」など)はデータ通信が利用できるタイプがある。後者の場合、1日あたりの通信量制限がある場合が多い。

3.現地SIMカード通信の特徴

現地SIMカードは、「渡航先の国内料金」で接続できるため、通信料が安く抑えられるのが最大のメリットと言える。滞在日数が1~2日の場合は、割高になるが、数週間とか1か月といった長期滞在の場合は、他の方法に比べ、かなりコストパフォーマンスがよくなる。また、たいていはプリペイドタイプなので、あとから高額請求をされる心配がないというのも安心材料だ。
一方で、入手した現地SIMカードをスマホに挿入したのち、接続先設定(APN設定)を行う必要があり、上級者向きと言えるだろう。
SIMカードによっては、1日あたりの通信量に制限があり、それを超えると速度が遅くなってしまうので注意が必要だ。
もうひとつの注意点は、SIMカードを差し替えることで、スマホの電話番号が変わってしまう、ということ。
日本のキャリアの音声通話やSMS(ショートメッセージ)をあまり利用しないのであれば問題ないが、「日本国内の人から頻繁に電話がかかってきて、その電話に出る必要がある」「頻繁にSMSのやり取りをしている」といった人は、新しい携帯の電話番号を知らせるなどの対応が必要だ。

~現地SIMカードでLINEは使えるの?~
日本でいつも使っているスマホであれば、そのスマホを現地SIMカードに差し替えても日本国内と変わりなくLINEを利用することができる。ただし、現地用として、いつものとは違うスマホを新たに用意した場合、LINEアプリをインストールしても、同一アカウントで使うことはできない(LINEの初回登録時にフェイスブックアカウントで行っていれば、同一アカウントでの利用が可能)。
また中国は、情報規制のために国内の通信に制限がかけられており、LINEやツイッター、フェイスブックなどは、基本的に使えないので注意が必要だ。(「VPN(※)を利用する」「(電話番号ではなく)フェイスブックアカウントで登録したLINEを利用する」などを実行すれば、LINEが利用できる場合もある)
※VPNとは、仮想的にプライベートなネットワークを構成することで、第三者に侵入されないようなネット接続をすること。

海外でのスマホ利用方法一覧表

上に挙げた4つのネット接続方法について、それぞれの特徴と違いを一覧でまとめると下記のとおりだ。
自分の利用スタイルに合った方法を選ぶための参考にしてほしい。

移動性(モビリティ) 通信速度 複数人での使用 事前準備の手軽さ 料金
フリーWi-Fi ×
モバイルWi-Fi
海外パケット定額
現地SIMカード ×

基礎知識編②そもそもWi-Fiって何?携帯電話回線とどう違う?

©︎iStock

スマホユーザーの中には、「Wi-Fiをまったく使っていない」「なんとなく使っているけど、仕組みはよくわからない」という人もいるだろう。ここでは国内での使用を前提に、「携帯電話回線」と「Wi-Fi」(ワイファイ)との違いを説明する。

携帯電話回線とWi-Fiの違い

●携帯電話回線(4G/5G)の仕組みと特徴
携帯電話回線は、文字どおり、携帯電話の電波を使った回線のこと。音声通話に利用するほか、データのやり取りにも利用できるため、スマホでメールやLINE、ウェブサイトの閲覧などができる。

つまり「圏内」であれば、どこでもネットにつなぐことができるのだが、この回線を利用して、データをやり取りすることを「モバイルデータ通信」「パケット通信」と言い、やり取りするデータ量を「パケット」という単位で呼んでいる。
また、4G、5G、LTEというのは携帯電話回線のバージョンを示したもので、新しいバージョンほど通信速度が速い。

ちなみに、「パケット定額」とは、パケット通信料の上限を定めた制度のこと。各携帯電話会社(キャリア)が設定しているパケット通信料が、基本的に高額であるために設けられているサービスだ。

auやソフトバンクのスマホユーザーは、請求書に、「パケット通信料」として、数十万円という金額が記載されていて、ドキッとしたことがある方も多いだろう。これは「パケット定額」を利用しなければ、モバイルデータ通信料が、このような金額になりますよ、という目安ともいえる。

携帯電話回線(4G/5G)の特徴

  • ネットにつながるエリアが広い
  • 音声通話とSMS(電話番号宛てに送るショートメッセージ)には必須の回線
  • データ通信速度は、Wi-Fiより遅い
  • データ通信料は有料(定額制もあり)

●Wi-Fiの仕組みと特徴
Wi-Fiとは、「無線LAN」とほぼ同じ意味で、スマホやパソコンなどの端末を、無線で(LANケーブルなどの物理的な線で結ぶことなく)、インターネットに接続することをいう。

Wi-Fiは、基本的に携帯電話回線よりも高速でデータをやり取りでき、Wi-Fiルーターを使えば、携帯電話回線を使うことなく、メールやLINE、フェイスブックなどのネット接続が必要なアプリを利用できる(音声通話とSMSは使えない)。

Wi-Fiは、ホテルやカフェ、ショッピングモール、空港や駅周辺などにもあり、「公衆無線LAN」とも呼ばれる。無料でできるものも多い。

Wi-Fiの電波は、ルーターという機器から、50~300メートル程度の範囲に届くので、その範囲内にいなければWi-Fiを利用できない。
また、Wi-Fiにつなぐには、接続パスワードの入力が必要だ(フリーWi-Fiは、パスワード無しで接続できるものも多い)。

Wi-Fiの特徴

  • つながる範囲が限定的
  • 携帯キャリアの音声通話とSMS以外のやり取りが可能
  • データ通信速度が速い
  • 接続は、通信量によって料金は変わらず、無料サービスも多い

そもそも国際ローミングって何?

携帯電話の「ローミング」とは、自分が契約している携帯電話会社(キャリア)の「圏外」であっても、国内のキャリアが提携しているキャリアの「圏内」であれば、そのキャリアの通信ができる機能のことだ。

日本のキャリアの携帯基地局がない海外でも携帯電話が使えるのは、現地キャリアと日本のキャリアが提携していて、「国際ローミング」が利用できるから。

しかし、このときに注意が必要なのは、「提携していない現地キャリアともつながる可能性がある」ということ。
携帯電話は、通信方式や周波数帯が同じであれば、キャリアどうしが提携していなくても、つながってしまうことがある。
うっかり提携していない現地キャリアの回線を利用して「モバイルデータ通信」(音声通話とSMS以外のやり取り)を行うと、通信料が高額(数十万単位)になる可能性があるのだ。

そのため、海外で携帯電話回線に接続する際には、「自分のキャリアが提携している現地キャリアに接続する」ということが重要になる。

●キャリアの海外パケット定額の仕組み
例えばソフトバンクが、「海外パケット定額」を適用している現地キャリアは、イギリスでは「O2」(オーツー)と「Vodafone」「3 UK」「EE」がある(2022年11月現在)。 これ以外の現地キャリアにつながった場合は、ソフトバンクの定額制は適用されず、高額請求のおそれがあるということだ。 海外パケット定額サービスを利用するなら、提携する現地キャリアに正しく接続されるよう、あらかじめキャリアの専用アプリをダウンロードするなどの対策を講じておこう。ちなみに、各キャリアによって通話料にも若干差がある。複数の回線に繋がるエリアに旅行する際にはどのキャリアに接続するか、決めておくとお得に通話が可能だ。

準備編①出発前にこれを日本でやっておこう

©︎iStock

海外でスマホを使うのであれば、事前の準備が必要だ。この準備を怠ると、知らないうちに不要なデータ通信が行われ、あとで高額請求に泣くことになりかねない。
海外でスマホをネットに接続する4つの接続方法のどれを使うかによって多少異なるが、準備は主に、「通信料が高額にならないための準備」「海外で接続するための申し込み」「事前の下調べ」がある。

高額請求のおそれがある国際ローミング

「国際ローミング」とは、前述のとおり、日本の携帯電話会社(キャリア)が海外のキャリアと提携することにより、海外にいても、日本国内と同じように携帯電話が使えるサービスのことだ。
ただし、提携していない現地キャリアとつながった場合は高額請求のおそれがあるので、利用しないなら「モバイルデータ通信」をオフにしておくことが重要。もし、利用するなら「海外パケット定額」の準備をしておこう。また、一番危険なのは海外に移動する前後。飛行機に乗り込む前に、「モバイルデータ通信」と「データローミング」をオフにしておこう。

アプリの自動更新をオフにする

スマホの設定で、「アプリの自動更新」をオンにしておくと、知らない間に大量のデータをやり取りしてしまう可能性がある。急ぐものでなければ、アプリの更新は帰国してから行えば問題ない。
海外旅行中に自動更新されない設定にしておこう。

●iPhoneの設定方法
(1)「設定」→「AppStore」をタップする
(2)自動ダウンロードをオフに、モバイルデータ通信の「自動ダウンロード」をオフにする

●Androidの設定方法
(1)「Playストア」アプリを開き、左上のメニューボタンをタップ
(2)「設定」を選び、「アプリの自動更新」をタップ
(3)「アプリを自動更新しない」をタップで選ぶ。「Wi-Fi接続時のみアプリを自動更新する」でもよい。

※スマホ端末によってメニューや設定方法が異なる場合があります。

●その他の設定項目
クラウドサービスのように、データが更新されるたびにデータの送受信を行うサービスも、同期の設定を「Wi-Fiと接続したときのみ同期」などに変えておこう。「設定」画面上で設定変更が可能だ。

設定項目 オン/オフの設定 対応OS
iCloud オフに設定 iPhoneのみ
Wi-Fiアシスト オフに設定 iPhoneのみ
クラウドサービス(DropBoxなど) オフに設定 iPhone、Android

海外用モバイルWi-Fiルーター、キャリアの定額サービスに申し込む

基礎知識編①で紹介した、海外用モバイルWi-Fiルーターのレンタルやキャリアの海外パケット定額サービス、またはsimカードの購入をしよう。ルーターレンタルやキャリアの問合せ先は以下を参照してほしい。

キャリア サービス名 事前申し込み 対応アプリ 対応OS
NTTドコモ 世界そのままギガ 必要 ドコモ海外利用 iPhone、Android
世界ギガし放題 不要 ドコモ海外利用 iPhone、Android
au 海外ダブル定額 不要 GLOBAL PASSPORT iPhone、Android
世界データ定額 不要 世界データ定額 iPhone、Android
ソフトバンク 海外パケットし放題 不要 海外パケットし放題 iPhone、Android

準備編②Wi-Fiの接続方法を確認しておこう

©︎iStock

現地でフリーWi-Fiや海外用モバイルWi-Fiルーターを利用するのであれば、Wi-Fiに接続する方法を覚えておこう。基本的には、「Wi-Fi」のモードをオンにして、接続したいWi-Fiを選び、パスワードを入力するだけだ。ただし、フリーWi-Fiの場合は、現地Wi-Fi設置者などのウェブサイトが表示されることもあるので、その場合は画面の指示に従って接続しよう。

Wi-Fiってどうやって接続するの?

iPhoneの設定方法

(1)「設定」→「Wi-Fi」をタップ。Wi-Fiのボタンをタップしてオン(緑色)にして接続したいネットワークの識別名(SSID)をタップする

(2)利用するWi-Fiに設定されているパスワードを入力し、「接続」をタップ。モバイルWi-Fiは、一度接続すればパスワードが記憶されるので、パスワード入力は初回だけでOKだ。

(3)SSIDの左にチェックマークがついたら、接続完了。Wi-Fi接続中は、ステータスバーにWi-Fiのアイコンが表示される。

Androidの設定方法

(1)「設定」アプリを開き、「Wi-Fi」を選択。Wi-Fiをオンにする。

(2)接続可能なネットワークが自動的に検出されるので、利用するWi-Fiの識別名(SSID)をタップ。

(3)利用するWi-Fiに設定されているパスワードを入力し、「接続」をタップ。
モバイルWi-Fiは、一度接続すればパスワードが記憶されるので、パスワード入力は初回だけでOKだ。

(4)SSIDの下に「接続済み」と表示されたら、接続完了。Wi-Fi接続中は、ステータスバーにWi-Fiのアイコンが表示される。

旅のスタイルに合わせて、必要なネットワーク環境を整えておこう

出張、友達との卒業旅行、ひとり旅など、旅のスタイルによって必要なネットワーク環境は変わる。旅行先の国のネットワーク環境や、便利さ、安さ、手軽さ、旅慣れた人は現地で必要な環境を整えるのが楽しい…など人によって選択肢は変わってくるだろう。ニーズに合わせたネットワークの接続方法をチョイスして、楽しく旅を楽しんでほしい。

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