サグラダ・ファミリア聖堂

ガウディ建築の集大成

更新日
2024年4月9日
公開日
2022年9月4日
AD

民間カトリック団体であるサン・ホセ協会により、1882年に着工。翌年に初代建築家ビリャールのあとを引き継いだガウディは、当初の設計を自分のプランへと作り替え、世界でも類を見ない「完璧な教会」の建設を目指した。また、これを機にキリスト教に関する知識を深め、同時に自身の信仰も深まっていった。1914年からはサグラダ・ファミリアの建設に専念するが、聖堂は信者からの寄進で財源をまかなう「贖罪の教会」であったため、資金難から工事はなかなか進まなかった。ガウディは教会に寝泊まりしながら自ら献金集めに奔走し、1926年に73歳で亡くなるまで人生のすべてを聖堂の建設にささげた。現在もガウディが残した設計図や模型をもとに、ガウディ没後100年である2026年の完成を目指して工事が続けられている。

サグラダ・ファミリアのチケット予約方法

少人数の場合はIndividualからチケットの種類選択に進む

入場チケットは基本的に予約制で、公式サイトのチケット販売ページから購入できる。オンライン販売で残った分のみ当日券として販売されるが、ハイシーズン(4~9月)は売り切れてしまうことも多いため、旅程が確定したら早めに予約しよう。

サグラダ・ファミリアのチケット予約サイトはこちら

●予約手順
1)チケットの種類を選ぶ
2)訪問日と入場時間を選ぶ
3)枚数を選ぶ
4)氏名とメールアドレスを入力
5)クレジットカード情報を入力

決済が完了すると、チケットのPDFファイルがメールで届くので、プリントアウトして持参するか、スマートフォンに保存しておきましょう。当日は生誕のファサード側にある入口で、予約チケットのQRコードを機械にかざして入場します。

チケットの種類

チケットには下記の4種類があるので、自分に合ったチケットを選ぼう。一番人気の高い塔に上れるチケットは、人数制限があるので、早めの購入を。学生、30歳未満、66歳以上は割引がある。

●Sagrada Família with guided tour and Towers €40
ガイドの案内で教会内と塔を見て回れる最上位チケット

●Sagrada Família with Towers €36
アプリのオーディオガイド(日本語あり)&塔に上るチケット付き。塔は購入時に、生誕のファサード側か受難のファサード側のいずれかを選ぶ。

●Sagrada Família with Guided Tour €30
専門のガイドがツアー形式で案内してくれる。言語は英・西・仏・独語などから選べる。所要約50分。ツアー終了後は自由に見学できる。

●Sagrada Família €26
オーディオガイド付き。イヤホンで説明(日本語あり)を聴きながら、聖堂内を自由に見学する。

サグラダ・ファミリアの見どころ6選

ここでは、サグラダ・ファミリア東側の外観から見える見どころを解説します。

《見どころ1》生誕のファサードFaçadadelNaixement

太陽が昇る東側に面している。1894年に工事が始まり、3つのファサードのうち、唯一ガウディの生前に完成した。
イエス誕生の喜びを表したもので、イエスの幼少年期のできごとが表現されている。中央の門はイエスを表す「愛徳
の門」、右側は聖母マリアにささげられた「信仰の門」、左側は聖ヨセフを体現する「希望の門」。

1.生命の木

腐敗しないものの象徴であるイトスギは永遠の命、ハトは神のもとに集まる信者と聖霊を表す。また木の下の白いペリカンは、原始キリスト教のシンボルで、聖体の秘跡を表している。

2.マリアとヨセフの婚姻

手を取り合うマリアとヨセフが、司祭によって結ばれる場面。司祭を助ける天使たちの姿も見られる。

3.嬰児虐待

イエス降誕後、ユダヤの王となる運命をもった子供の誕生を知ったヘロデ王は、ベツレヘム周辺の幼児をすべて殺害するよう兵士に命じた。

4.エジプトへの逃避

夢に現れた天使のお告げにより、ヘロデ王がイエスを探し出して殺そうとしているのを知り、エジプトに逃げるマリアとヨセフ。天使がロバの手綱を引いている。

5.東方三博士の礼拝

メルキオール、バルタザール、カスパールの東方三博士が、星を見て「新しいユダヤの王」の降誕を知り、黄金、乳香、没薬を贈り物として携えて、幼子イエスのもとを訪れる。

6.聖母マリアの戴冠

神への献身的な愛への報いとして、イエスが聖母マリアに冠を授ける瞬間。左下の人物はマリアの夫でイエスの養父である聖ヨセフ。ガウディのプロジェクトによりジュアン・マタマラが製作。

7.受胎告知

処女マリアに大天使ガブリエルが降臨し、聖霊によって神の子イエスを身ごもることを知らせる場面。聖母マリア信仰を背景に、芸術史上最も多く取り上げられてきた宗教的テーマのひとつ。

8.天使の合唱隊

中央に子供の天使の合唱隊、両脇にはハープ、バイオリン、ファゴットと民俗楽器を奏でる6人の天使が配されている。内戦で損傷を受け、日本人彫刻家の外尾悦郎氏によって修復された。

9.羊飼いの礼拝

神の子の降誕を知った羊飼いたちが、急いでベツレヘムへ向かい、飼い葉桶の中で眠るイエスに礼拝する場面。足下にはイエスへの贈り物である卵の入った籠が置かれている。

《見どころ2》受難のファサードFaçadadelPassió

太陽が沈む西側にあり、キリストの死がテーマ。装飾を排除し、冷たい石の肌をあらわにすることで、ガウディは受難の苦しみを表現しようとした。彫刻はカタルーニャ人彫刻家スビラックスが担当。左下からS字形に見ていくと、磔刑前夜のできごと(下層)、ゴルゴダの丘への道(中層)、イエスの死と埋葬(上層)の順にたどることができる。

《見どころ3》聖堂内部Basílica

ガウディは聖堂内を、信者が神との一体感を体験できる場所にしようとした。壮大な身廊の丸天井を支えるため、樹木の形をした柱を考案。また天井は殉教のシンボルであるシュロの葉のモチーフで飾られ、まるで森のように見える。2010年に完成し、ローマ教皇ベネディクト16世を招いてサグラダ・ファミリアを教会と認定するミサが執り行われた。

《見どころ4》鐘楼Torres

現在、生誕のファサードと受難のファサードの計8本が完成しており、エレベーターで昇ることができる。すべて完成すると約60個の鐘が取りつけられる予定で、ガウディは鐘の音を完璧なものにするため音響の研究を行った。

鐘楼に上ってみよう

人数制限があるので、事前に公式サイトから塔に上れるチケットをオンライン購入しておくと鐘楼に上ることができる。悪天候の場合は塔に上れないことがあるので注意しよう(料金の差額はあとで返却される)。指定の時間にエレベーター乗り場へ行き、渡り廊下や塔の上からバルセロナの町が一望できる。下りのらせん階段はとても美しいが急なので注意したい。

《見どころ5》地下博物館Museu

ガウディが残したスケッチや模型などが展示されている。なかでも網状の糸に重りを取りつけた「逆さづり模型」は有名。

《見どころ6》付属学校Escuela

ガウディが建築費を負担し、建設現場で働く労働者や近隣の子供たちのために建てられた。屋根、壁面ともすべて曲面という、極めて革新的な建築。

FAQ

Q
チケットは事前購入した方がいいですか?
A
人数制限があるため当日券だと数時間待ちの場合も。特に4月〜10月は売れ切れることも多いので、必ず事前購入を。公式サイトからオンライン購入できる。
Q
見学は何時ごろがおすすめですか?
A
朝いちばんがおすすめです。10:00を過ぎると団体のツアーが押し寄せるので、できるだけオープン時間と同時に入場したほうがゆっくりと見学できます。
Q
ライトアップの時間はいつですか?
A
闇に浮かび上がるサグラダ・ファミリア聖堂は、昼間とはまた違い、幻想的で美しいです。ライトアップの時間は季節によって異なるますが日の長い4~9月は午後9時~深夜0時まで、10月~3月は19時ごろ~22時ごろまで。貴重品はホテルに置いて、カメラと必要なお金だけ持って出かけましょう。

写真

  • 生誕のファサード
  • 闇に浮かび上がるサグラダ・ファミリア聖堂
  • 受難のファサード
  • 聖堂内には自然光があふれる
  • 太陽が差し込むとステンドグラスを通して聖堂内が色付く
  • 樹木のように枝分かれした柱が天井を支える
  • 巻き貝のように見える鐘楼内部の階段
  • 色彩モザイクで飾られた塔の先端
  • 地下博物館ガウディ考案の逆さづり模型
  • 付属学校内戦で破壊され、現在は敷地の南西側に再建されている
トップへ戻る

TOP