Vol.1 一度は見たい本場のプレゼピオ!ローマ・ナヴォーナ広場のクリスマスマーケットへ行ってみよう

公開日 : 2017年12月13日
最終更新 :

雰囲気満点のヨーロッパのクリスマスマーケット。イタリアの首都ローマでは、毎年この時期になると多くのクリスマスイベントが行われますが、ローマにはカトリックのお膝元バチカン市国があることから、ほかのヨーロッパの国のクリスマスイベントとは様子が少し違います。旧市街が世界遺産となっているイタリア・ローマのクリスマスをご紹介します。

イタリアのクリスマスとエピファニア(御公現の祝日)について

イタリアのクリスマスとエピファニア(御公現の祝日)について

ローマでは、12月に入るとクリスマス関係のイベントが催されます。クリスマスが終われば、お祭りも終わりと思われがちですが、イタリアでは”エピファニアは全てのお祭りを持ち去ってしまう” (L'Epifania tutte le feste porta via)という諺があり、1月6日の御公現の祝日(エピファニア Epifania)をもって、長く続いたクリスマスのイベントが終わります。

エピファニアの終了と共に、クリスマスのイルミネーションなどのお祭りの装飾が全て取り外されますが、ローマ法王のクリスマスツリーとプレゼピオは、毎年1月いっぱい展示されています。ですので、12月に行かないとこれらは見れないということはなく、ローマでは長い期間、クリスマスの雰囲気を楽しめます。

教会のプレゼピオ
教会のプレゼピオ
ローマでは長い間クリスマスムードが楽しめます
ローマでは長い間クリスマスムードが楽しめます

エピファニアは御公現の祝日(Epifania)と言い、カトリック教会ではイースターやクリスマスに匹敵する重要な日です。伝統的には、1月5日の深夜にホウキに乗った醜い老婆(魔女)が家にこっそりやって来て、子供達に贈り物を届けます。

1年間いい子だった子にはキャンディーなどのお菓子や小さなプレゼント、悪い子だった子には炭が贈られます。イタリアなどカトリックの国では、サンタクロースが子供達にプレゼントを届けるのではなく、このホウキに乗った醜い老婆(魔女)がプレゼントを持ってくるのです。

まとめますと、イタリアはプロテスタントではないので、クリスマスツリーを飾ったり、サンタクロースの文化はありません。近年は日本のハロウィンやバレンタインデーと同じ感覚で、商業化・イベント化されています。

クリスマスイブ、クリスマスの日は家でファミリーと共に静かにご飯を食べて過ごします。重要なのは、エピファニアの日に関連するお祭りと、このクリスマスの時期に飾られるプレゼピオ(キリスト降誕の場面を人形で表現した模型)なのです。

クリスマスの時期に飾られるプレゼピオ
クリスマスの時期に飾られるプレゼピオ

ナヴォーナ広場のクリスマスマーケット

ナヴォーナ広場のクリスマスマーケット

ローマのクリスマスの季節のイベントには様々なものがあります。

12月に入ると、ローマ中心部にあるナヴォーナ広場には、メリーゴーランドや日本の縁日の様な屋台が出て、多くの人が訪れます。旧市街にあるナヴォーナ広場は、パンテオンなどの見所が多く集まっている地域にあります。広場は、日本の旅行会社が主催するツアーの"ローマ一日観光"にはほぼ必ず含まれている有名な観光スポットです。

旧市街にあるナヴォーナ広場
旧市街にあるナヴォーナ広場

広場というと、形は丸や四角をイメージしますが、ナヴォーナ広場は元はローマ帝国時代の皇帝の競技場の為、南北に細長い広場となっています。 ローマっ子の憩いの場となっている美しい広場です。

広場には三つの噴水がありますが、中央にあるのは、バロックの巨匠、ジャンロレンツォ・ベルニーニ設計の四大河の噴水(1651年頃)です。オベリスクを囲む四体の彫像のダイナミックでオーバーな動きが見る者を惹きつけます。

日本の縁日のような屋台が並びます
日本の縁日のような屋台が並びます

この細長い広場の両脇に建っているテントにて、クリスマスマーケットが展開されています。例えば、地場産の食品の販売や、日本の縁日のように、綿菓子、リンゴ飴、クレープ、チョコレートバナナ、ポップコーンなどが売られています。タコ焼きや焼きそばはないですが大人も楽しめます。

屋台には、縫いぐるみや景品を当てる射的などのゲームや、金魚すくいならぬ白鳥すくいのお店が人気です(釣り上げると白鳥の裏に番号が書いてあって、その番号のぬいぐるみをもらえる仕組み)。

屋台には縫いぐるみや射的、白鳥すくいなどのゲームがいっぱい
屋台には縫いぐるみや射的、白鳥すくいなどのゲームがいっぱい

クリスマスですが、先述した通りイタリアなどカトリックの国では、サンタクロースではなく、1月5日の深夜にホウキに乗った醜い老婆(魔女)が子供達にプレゼントを届けます。イタリアでは”エピファニアは全てのお祭りを持ち去ってしまう” という諺があり、1月6日の御公現の祝日(エピファニア)をもって、長く続いたクリスマスのイベントが終わります。

1年間いい子だった子にはキャンディーなどのお菓子や小さなプレゼント、悪い子だった子には炭が贈られます。よって、クリスマスマーケットの目玉商品は、魔女グッズや、魔女が悪い子に届ける炭などです。一つが石鹸大の炭は、実はおいしい砂糖菓子です。沢山買って、悪い子にプレゼントしませんか!?

魔女のホウキのキーホルダーなどもかわいいので、こちらもお土産に是非どうぞ!

ナヴォーナ広場のプレゼピオ
ナヴォーナ広場のプレゼピオ

ローマ法王の巨大クリスマスツリー

ローマ法王の巨大クリスマスツリー

ローマで最も重要なクリスマスツリーは、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂前に設置されたローマ法王のクリスマスツリーです。

毎年異なる場所よりやって来るモミの木は、例えば昨年は、北イタリアのトレント自治県の東アルプスにある森から10日間かけて運ばれて来ました。東アルプスのラゴライ山脈の森で切り出された赤モミの木は樹齢85年、高さは25メートル、重さは6トンありました。

イルミネーションの点灯式は12月初旬に行われます
イルミネーションの点灯式は12月初旬に行われます

ツリーがサン・ピエトロ広場に設置されるのは、11月の最終週、その後、モミの木に電球が美しく飾り付けられます。例年、イルミネーションの点灯式は、ツリーの隣に置かれるプレゼピオ(キリスト降誕の場面を人形で表現した模型)と共に12月初旬に行われます。

このクリスマスツリーとプレゼピオは、年明けの第一週頃までイルミネーションされています。広場に建つサン・ピエトロ大聖堂をバッグに最高に美しい写真が撮れます!!

バチカンサンピエトロツリーとプレゼピオ
バチカンサンピエトロツリーとプレゼピオ

また、駅やショッピングセンターなどのクリスマスツリーも素敵です。例えば、ローマの玄関口ともいうべきターミナル駅、ローマ中央駅・テルミニ駅にも毎年大きなクリスマスツリーが立てられます。

このクリスマスツリーは "願いの木" と言って、願い事を書いた紙を付けると叶うそうです。 沢山の人々が、通りがかりに願い事を書いたメッセージを次々と貼り付けて行きます!シンプルなツリーですが、クリスマスの時期のテルミニ駅の撮影におすすめです。

ローマ中央駅・テルミニ駅の大きなクリスマスツリー
ローマ中央駅・テルミニ駅の大きなクリスマスツリー

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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