【2023年】イタリアのミイラおすすめ人気スポット5選

公開日 : 2023年02月01日
最終更新 :

イタリアは豊かな文化や歴史、美食の国として知られていますが、3000体以上のミイラがあることをご存じでしょうか?この数は、世界でも多いもので、これらのミイラはおもに教会やミイラ博物館などにあり観光客にとって気軽に立ち寄れる場所となっています。今回は、筆者が厳選したイタリアでミイラを鑑賞するなら訪れたいおすすめスポットをご紹介します。歴史に興味がある人も、そうでない人も、これらのミイラはイタリアの過去を知るユニークな一面として、きっと忘れられない思い出になるはずです。

イタリアのミイラの歴史-教会とミイラ博物館

ローマのサンタ・アニェーゼ・フオーリ・レ・ムーラ聖堂のカタコンベは事前予約で見学が可能。3世紀半ば頃から地下墓地として開発され、内部は3階建てで4つのゾーンに分けられている。
ローマのサンタ・アニェーゼ・フオーリ・レ・ムーラ聖堂のカタコンベは事前予約で見学が可能。3世紀半ば頃から地下墓地として開発され、内部は3階建てで4つのゾーンに分けられている。

イタリアには、おおよそ3000体のミイラが存在するといわれています。ミイラは、自然発生的にできたものと、遺体防腐処理などの人為的な介入をすることでできたものがありますが、イタリアのミイラは、ほとんどが自然にミイラ化したものです。
ミイラは、イタリア語ではムンミア(mummia)といいます。語源は中世ラテン語の「mumia」から来ていて、これはアラビア語の「歴青 れきせい mumiyya」に由来していると考えられています。イタリアの考古学者の中には、歴青はアスファルトやコールタールなどの遺体を腐敗しないようにするための調剤(軟膏)を指していたのではないかと推測する人もいます。

古代のイタリアには、地下の埋葬施設であるカタコンベが各地に存在しました。この地下墓地カタコンベは、柔らかい凝灰岩を掘ったトンネルのような構造になっていて、壁面に埋葬用の区画を設けてその穴の中に遺体を収容していました。カタコンベの通路にはいくつかの入口があり、裕福な家族やグループのための、フレスコ画で飾られた「クビックラ」と呼ばれる個室へと導くものもありました。キリスト教では、死後の遺体の復活を信じるために、このような火葬ではない埋葬法を行っていました。イタリアでカタコンベが最も集中しているのはローマです。ローマの地下には50以上のカタコンベが存在し、そのトンネルの総延長は150km以上にも及びます。イタリア国内のカタコンベは、バチカン市国が管理をしています。いくつかは、地下遺跡としてツーリストも訪れることができます。

16世紀末に、シチリア島のパレルモのカプチン会の修道士が、埋葬していた兄弟の遺体のうち45体が完璧に保存されていることに気づきます。遺体が腐敗せずに乾燥する環境により、自然にミイラ化しました。当時は、神のご慈悲と考えられていたこの天然ミイラは、修道士達によって礼拝堂の中に直立するようにして展示されました。この後、自身もこのカプチン会墓地に埋葬されたいと希望する人が多くなり、修道会が研究した防腐処理を施すことで、ミイラ化のプロセスを他の遺体にも利用するようになりました。
ナポレオン時代のサン=クルー勅令以降、礼拝に使われる教会に個人が自由に埋葬することはできなくなりました。イタリアの大統領令では、公共の建物である教会内に埋葬が認可されるのは、少なくとも無名戦士または祖国の英雄レベルでなければならないとされています。

イタリアのミイラは全国に点在していますが、特に南イタリアには数多くの“土着”のミイラがおり、11月2日の死者の日の祝日に行われる特定のカルトの中心的存在となっています。イタリアでは、ミイラ化は故人をしのぶため、また遺体を永遠に保存する目的で行われていました。特に少年・少女など、若い年齢で亡くなってしまった場合、金銭的に余裕があればエンバーミングを依頼することがありました。
19世紀になると、世界からイタリアにミイラマニアが押し寄せ、墓荒らしが行われ、ミイラを収集するようになりました。ミイラの保存が危ぶまれたことから、多くの修道院が埋葬室をミイラ館に改装し始めました。現在これらの教会は、イタリアで最も人気のある観光スポットとなっており、ミイラを観察するツアーが開催されています。
また、イタリア各地のミイラ博物館では、ミイラやミイラ化のプロセスに関連する遺物などが展示されています。ミイラのお土産やミイラ書籍も充実しており、イタリアのミイラ文化史に触れることができます。

イタリアのミイラが見られるスポット-世界一美しいミイラやアイスマン

「ミイラ」と聞くと、誰もが最初に思い浮かべるのは、有名なエジプトのミイラかもしれません。
しかしイタリアでは、美しく完璧に保存されたミイラや、世界最古の5300年前のミイラであるアイスマンが発見されています。もし皆さんがミイラに興味があるのでしたら、イタリアを旅行先としておすすめします。
ミイラスポットはイタリア全土に渡っており、どこもすてきな場所で選ぶのが大変なくらいでした。筆者は、この中から自身も行ったことのある場所で、旅行者もアクセスがしやすく、かつ、2023年1月現在の時点で治安の面でもあまり問題のない都市を選びました。また、イタリア人の友人達にもヒアリングをし、よくテレビなどで名前を聞く場所で、イタリア人にとっても子供への文化・歴史的な教育目的などで知っておきたい・行っておきたい有名なミイラスポットであるという点も考慮して選びました。それでは、イタリアの北から南に向かって順番に5カ所をご紹介します。

アルト・アディジェ考古学博物館のアイスマン「エッツィ」

アイスマンの常設展示 © South Tyrol Museum of Archaeology / flipflop-collective
アイスマンの常設展示 © South Tyrol Museum of Archaeology / flipflop-collective

こちらには、世界最古の男性のミイラ「エッツィ Oetzi」が保存されています。オーストリアに隣接する北イタリアの州、トレンティーノ=アルト・アディジェ自治州/南ティロル自治州の州都ボルツァーノにある博物館で、南チロル考古学博物館の名称で呼ばれることもあります。このあたりはイタリア語とドイツ語が話される地域で、博物館は、1912年に建てられたハプスブルク銀行、そしてイタリア銀行が入居していた建物の中にあります。

エッツィは、5300年前にシミラウン氷河で突然の死に見舞われた男性で、1991年にドイツ人のハイカーに偶然発見されるまで、彼は衣服や装備品とともにアルプスの氷の中で冷凍保存されていました。発見された場所のエッツタールにちなんで、エッツィと命名されました。この男性の服装は、羊飼いのようでもあり、猟師のようでもあります。
はっきりとした職業は解明されていませんが、レントゲン撮影と断層撮影の分析の結果、左肩に矢状突起の存在が確認されたことから、矢が体に刺さったときに肩甲骨に約2cmの穴が開き、大動脈を損傷し、急速に失血して命を落とした可能性があります。年齢は46歳、身長は160cmほどで体重は50kgくらい、血液型はО型、斧を持ち、頭には熊の毛皮から作った顎紐付きの帽子をかぶっていました。この頃は、平均寿命が30〜35歳にも満たない銅器時代(紀元前3300〜3100年)でした。死の1時間前に食べた最後の食事は、穀類と高脂肪のアルプスアイベックスと鹿肉だったことが分かっています。

Reconstruction of the Iceman by Alfons & Adrie Kennis  © South Tyrol Museum of Archaeology
Reconstruction of the Iceman by Alfons & Adrie Kennis © South Tyrol Museum of Archaeology

体には61個の刺青が確認されています。いずれも線または十字架の模様で、現代の刺青のように針で刺すのではなく、皮膚に薄く切り込みを入れた部分に炭粉をすり込むものでした。タトゥーの意味については、衣服に覆われた場所に入れられているため、装飾的な機能を持つとは考えにくく、体の痛い部分に”お灸”のように入れる治療目的であったと推測されています。その位置が、今日でも有効な鍼の線と一致していることが、この説を裏付けています。刺青に関しては、現在も調査・研究が進められています。

遺伝子検査では、彼が乳糖不耐症であることを明らかにしています。彼の同時代のほとんどの人のように、牛乳の砂糖を消化できませんでした。もし牛乳を飲むと、お腹がごろごろしてしまったと思われます。
2016年には、エッツィの胃の内容物からヘリコバクターピロリ菌が検出されました。このようにな古い時代にも、ピロリ菌が存在していたことの証明となっています。またエッツィは、心臓血管疾患のリスクが高い遺伝的素因を持っていることが明らかになりました。矢で死ななければ、いずれ心臓発作や脳卒中を起こしていたかもしれません。
考古学博物館では、ミイラとその遺品を見ることができます。天然の人間のミイラとしては、紀元前の最も古い時代のものです。

アイスマンの冷蔵庫。ミイラの乾燥を防ぐために、氷河の中に限りなく近い状態を保ち(マイナス6度、相対湿度100%)、特殊なエアフィルターで無菌状態を確保。水分が失われるのを防ぐため、殺菌した水をミイラに吹き付け、表面に薄い氷の層を形成させている。© South Tyrol Museum of Archaeology/Ochsenreiter
アイスマンの冷蔵庫。ミイラの乾燥を防ぐために、氷河の中に限りなく近い状態を保ち(マイナス6度、相対湿度100%)、特殊なエアフィルターで無菌状態を確保。水分が失われるのを防ぐため、殺菌した水をミイラに吹き付け、表面に薄い氷の層を形成させている。© South Tyrol Museum of Archaeology/Ochsenreiter

アルト・アディジェ考古学博物館(南チロル考古学博物館)

名称
Museo Archeologico dell'Alto Adige
住所
Via Museo 43, Bozen/Bolzano, South Tyrol (Italy)
電話番号
+39 0471320100
Email
info@iceman.it
URL
https://www.iceman.it/en/
オープン日
火曜日から日曜日まで
時間
10:00~18:00(切符売り場は17:30に閉場)
入場料
大人一名13ユーロ
その他
開館日や時間が変更されることがあります。必ずご訪問前にホームページ等でご確認ください。また、年間を通じて訪問者の多い人気のある博物館のため、確実に入ることのできるように、博物館では事前予約をおすすめしています。予約はこちらのページから、訪問日の3日前より承っています。https://www.iceman.it/en/last-minute-reservation/

マルケ州の小さな町ウルバニア「死者の教会」のミイラ

死者の教会に保存される18体のミイラ © Chiesa dei Morti di Urbania, Servizio Turismo/Comune di Urbania
死者の教会に保存される18体のミイラ © Chiesa dei Morti di Urbania, Servizio Turismo/Comune di Urbania

ウルバニアの「死者の教会」では、男性12体、女性6体の一般人のミイラが保存されています。イタリアをブーツの形にたとえると、ふくらはぎの位置にあたるマルケ州の人口6800人の小さな町です。緑豊かな田舎の景色の美しさや、大都市にない地元の人々との交流が容易に楽しめます。筆者はこの町に半年住んでいましたので、安全に街歩きができることと、ミイラ教会の他にも観光スポットがある点でおすすめします。今やローマに長期間住んでいる筆者だからこそ、その違いがよく感じられますが、イタリア人にしてはおとなしく、几帳面で真面目な性格の人が多く、日本人に似ている部分がありました。何か分からないことがあれば、町の人に話しかけてみてください。きっとにっこりと笑って、いろいろと教えてくれることと思います。優しくて親切な人達です。

この町の死者の教会では、18体のミイラが保存されています。この教会は、1836年まで「コーラ礼拝堂」だった建物で、ゴシック様式の美しい門などが見どころです。帝王切開で亡くなった若い女性や踊りの最中に刺された若い男性、生き埋めにされた不幸な男性などの一般人の遺体が4世紀以上もの間、安置されてきました。
ウルバニアの死者の教会は、ナショナル ジオグラフィックやミステロに取り上げられるなど、世界中に知られています。特殊なカビが死体の体液を吸い取って乾燥させるため、自然ミイラ化するという不思議な現象で知られています。

© Chiesa dei Morti di Urbania, Servizio Turismo/Comune di Urbania
© Chiesa dei Morti di Urbania, Servizio Turismo/Comune di Urbania

ウルバニアは、1636年まで「カステルドゥランテ」と呼ばれ、古くから焼きものの町として知られています。近隣のウルビーノやペーザロとともに、ルネサンス期の最も美しいマジョリカを生産し、独自の装飾の発明や「イストリアート」と呼ばれる物語絵のジャンルの洗練によって、ファエンツァや他のイタリアのマジョリカの町とは一線を画す存在でした。

「小さなティーテーブルには、カステル・デュランテのマジョリカのカップとソーサーが用意され、独特の優美さを持つ古代のフォルム......」。  

ガブリエーレ・ダヌンツィオ /「イル・ピアチェーレ」第1巻

ルネッサンス期からマジョリカ焼きで有名なウルバニアは、1994年にマルケ州で初めて「芸術的・伝統的陶磁器生産地域」として認定されました。マジョリカ焼きは、この小さな町の思い出として、おみやげにもおすすめです。

ウルバニアの死者の教会とミイラの墓地

名称|Chiesa dei Morti e Cimitero delle Mummie
住所|Via Filippo Ugolini, Urbania (Italy)
電話番号|+39 349 8195469 (ジョヴァンニ氏の携帯電話)
URL|https://visiturbania.com/attrazione/cimitero-delle-mummie/
時間|11:00~12:00、16:00~17:00(月曜日は閉館です)
入場料|大人一名3ユーロ(チケットにはレオナルディ教区博物館への入館料を含む)
その他|開館日や時間が変更されることがあります。必ずご訪問前にホームページ等でご確認ください。また、小さな田舎の教会で、ジョヴァンニさんが一人で対応をしています。確実に入ることのできるように、お電話での事前予約をおすすめします。

ウンブリア州テルニのフェレンティッロの洞窟の中のミイラ博物館

この博物館には、男性、女性、子供を含む町の住民のミイラ24体(3体はペルージャ大学の解剖学博物館に展示)と10体の頭部、270以上の頭蓋骨、密閉されたままの棺、2体の鳥のミイラを展示しています。ウンブリア州は、イタリア半島の真ん中に位置し「イタリアの緑の心臓」と呼ばれる丘陵地帯に緑があふれる美しい州です。州都はペルージャで、聖フランチェスコ聖堂があるアッシジはその近郊にあります。アッシジの聖フランチェスコは、カトリックのフランシスコ会の創設者で、イタリアの国全体の守護聖人にもなっています。同じウンブリア州のテルニという町にあるミイラ博物館です。

19世紀にサント・ステファノ教会の地下室で行われた発掘調査によって、多数のミイラ化した住民の遺体が発見されたことから、この博物館は誕生しました。当初、発掘された遺体は、埋葬された時の衣服を着ていたり、皮膚や髪などが残っているなど保存状態のよいものも多くありましたが、その後の気候条件の変化や保存作業の不手際などから、ミイラの数は減少してしまいました。1992年にこれ以上の損傷を防ぐために、新しい博物館を設立してミイラを保存することを決定しました。
遺体が完璧なミイラ化をした理由は、地下室の土がケイ酸鉄とアルミニウム、硫酸カルシウム、マグネシウムなどを豊富に含むものであったことと、部屋の換気が保たれていたこと、ある種の微生物が、遺体の腐敗物を食べてすぐに乾燥させる働きを持っていた可能性が高いと考えられています。
ミイラ博物館は、ローマからは、列車とバスを利用して2時間半ほどで到着します。

ウンブリア州フェレンティッロのミイラ博物館

名称
Museo delle Mummie di Ferentillo
住所
Via della Rocca, Loc. Precetto, Terni (Italy)
電話番号
+39 328 6864226、+39 335 6543008 (携帯電話)
Email
info@mummiediferentillo.it
URL
http://www.mummiediferentillo.it/info/
時間
毎日開館です。4月1日~9月30日は10:00~13:00、15:00~19:00、10月1日~10月31日は10:00~13:00、15:00~18:00、11月1日~2月28日は10:00~13:00、15:00~17:00、3月1日~3月31日は10:00~13:00、15:00~18:00。
その他
開館日や時間が変更されることがあります。必ずご訪問前にホームページ等でご確認ください。小さな田舎の博物館です。確実に入ることのできるように、メールやお電話での事前予約をおすすめします。

ローマのサンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会の骸骨寺

クリプタとその博物館は、1631年に完成したサンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会にあります。
クリプタとその博物館は、1631年に完成したサンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会にあります。

4000体のカプチン派修道会の修道士の骸骨で飾られたクリプタ(地下聖堂)で有名なローマの「骸骨寺」です。
骸骨寺は、1960年公開のフェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活 / ラ・ドルチェ・ヴィータ」の映画の舞台ともなった、高級ホテルやカフェなどが立ち並ぶヴィットリオ・ヴェネト通りの始まりにあります。入場すると、最初は博物館を見学し、コースの一番最後で骸骨寺を訪れることになります。30メートルの長さのクリプタを、6つの小さな礼拝堂で分断し、その中に約4000体が保存されています。
イタリア生まれのコーヒー「カプチーノ Cappucino」の名称は、カプチン修道会の修道士の服の茶色に似ていることから由来しているとの説もあります。

ミイラというより骸骨の方が多いスポットですが、4000人というと本当に信じられないくらいの量の骨があります。骨でシャンデリアを作ったり、天井や壁を飾ったりしています。これらは、1528~1870年にかけて集められたもので、クリプタには修道士以外にも、身寄りのない方の骨などもおさめられています。死というとネガティヴなイメージを連想させますが、ここでは恐怖はあまり感じません。むしろ、骨やミイラの展示を見ることで人生を考えさせられたりと、この場所では人それぞれ内省する時間を持つことができます。小さなブックショップには、ミイラと骸骨のかわいいおみやげも充実しています。

ローマの「骸骨寺」カプチン派修道会のクリプタとその博物館

名称
Il Museo e la Cripta dei Frati Cappuccini (Chiesa di Santa Maria Immacolata a via Veneto)
住所
Via Vittorio Veneto 27, Roma (Italy)
電話番号
+39-06-88803695
URL
https://museoecriptacappuccini.it/en/
オープン日
毎日
時間
10:00~19:00(切符売り場は18:30に閉場)
入場料
大人一名8.5ユーロ
その他
開館日や時間が変更されることがあります。必ずご訪問前にホームページ等でご確認ください。

シチリア島パレルモのカプチン派修道会のカタコンベ-世界一美しい少女ロザリアちゃんのミイラ

シチリア島の州都パレルモにある、1920年に2歳で亡くなったロザリア・ロンバルドちゃんのミイラです。「世界一美しいミイラ」「眠れる森の美女」とも呼ばれ、何年か前に、ロザリアちゃんが日中に瞬きをしていると話題になりました。それほどに、まるで生きているかのように見えるロザリアちゃんです。

カプチン派修道会の地下墓地には、8000体の遺体が安置されています。最も有名なミイラが、1918年12月13日にパレルモで生まれ、1920年12月6日に肺炎でこの世を去ったロザリア・ロンバルドちゃんです。愛する娘を亡くし取り乱した父親の希望により、アルフレッド・サラフィア教授が遺体にエンバーミングを施しました。遺体の防腐処理には、ホルマリン、アルコール、グリセリン、サリチル酸、亜鉛塩を混ぜたものが使用され、脳や内臓も保存されています。当時のイタリアでは、技術的に遺体の防腐処理は高価なものでした。地下墓地には、服や装飾品を身につけているミイラも見られますが、エンバーミングにお金がかかるため、彼らの多くは上流階級出身でした。地下墓地に最初に埋葬されたのは、1599年10月におさめられた修道士です。このカプチン派修道会のカタコンベは、パレルモの街の中心部にあり、アクセスも便利です。

パレルモのカプチン派修道会のカタコンベ

名称
Catacombe dei Cappucini
住所
Piazza Cappucini 1, Palermo (Italy)
URL
https://www.catacombefraticappuccini.com/en/
オープン日
毎日
時間
9:00~12:30(最終入場は12:15まで)、15:00~17:30(最終入場は17:15まで)
入場料
大人一名3ユーロ
その他
開館日や時間が変更されることがあります。必ずご訪問前にホームページ等でご確認ください。

まとめ

イタリアにはさまざまなミイラの遺跡があり、歴史やミイラに興味がある人にはおすすめの国です。今回ご紹介したのは5カ所ですが、その他にも、イタリア全土にたくさんの素晴らしいミイラスポットがあります。どの場所を訪れても、ユニークで思い出に残る体験ができることは間違いありません。次回のイタリア旅行では、ぜひこれらのミイラが見られるスポットも訪問場所としてリストに入れてみてください!

ウルバニアの死者の教会とミイラの墓地 © Chiesa dei Morti di Urbania, Servizio Turismo/Comune di Urbania
ウルバニアの死者の教会とミイラの墓地 © Chiesa dei Morti di Urbania, Servizio Turismo/Comune di Urbania

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

【記載内容について】

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