童話とスワロフスキーの世界が広がるオーストリア・インスブルックのクリスマスマーケット
冬はスキー客でにぎわうオーストリア西部のチロル州にあるインスブルック。小さい町ですが、ここで開かれるクリスマスマーケットには、隣のイタリアからも毎年多くの観光客が訪れます。オーストリア国内でも来場者が多いクリスマスマーケットのひとつとして知られています。インスブルックでは、数ヵ所でクリスマスマーケットが開かれますが、メインは大通りのマリア・テレジア通りから旧市街の黄金の小屋根まで続くクリスマスマーケット。クリスタル・ガラス製造会社、スワロフスキーの本拠地であるチロルらしい装飾がなされるマリア・テレジア通りと童話をイメージした飾りつけの旧市街。そんなインスブルックで開かれるクリスマスマーケットを紹介します。
スワロフスキーのオブジェが建ち並ぶマリア・テレジア通り
オーストリアのチロル州は、クリスタル・ガラス製造会社として世界的に有名なスワロフスキーの本拠地です。チロル州の州都インスブルックのメイン通りともいえるマリア・テレジア通りには、クリスマスの期間中、スワロフスキーで飾られた木やクリスタル・ガラスのオブジェが建ち並びます。
また、このクリスマスマーケットでは、食べ物や飲み物、雑貨のほかに、スワロフスキーの屋台もあり、通常より安く買える商品もあります。昼のクリスマスマーケットも素敵ですが、ここを訪れるならやはりライトアップされる夕方以降がおすすめ。なお、食事(食べ歩きなど)をするなら、次に紹介する旧市街よりも、マリア・テレジア通りの方が道が広く余裕を持って楽しめるでしょう。
黄金の小屋根の前に立つ巨大ツリー
マリア・テレジア通りを抜けてそのまま旧市街へ行くと、目に飛び込んでくるのはインスブルックの象徴でもある黄金の小屋根の前に立つ大きなクリスマスツリー。ツリー用の木は、地元チロル州産のものが使われており、オーストリア国内で行われるほかのクリスマスマーケットにも出荷されています。旅先で見かけるツリーは、もしかしたらチロル州からやってきた木かもしれません。
夜になりツリーのライトアップと周囲の店からこぼれる灯りは、中世の雰囲気が色濃く残る旧市街をより一層幻想的な世界へと変化させます。ツリーの目の前には高台があり、この高台からだと写真のように黄金の小屋根とツリーを一緒に撮影できます。
絵本の世界が広がる旧市街
華やかな旧市街の中心の通りを外れて、細い路地に入ったら建物の上に注目。旧市街のクリスマスマーケットのテーマは童話です。いたるところに童話の登場人物の人形が飾られているので、自分が物語のなかに迷い込んだかのような感覚になります。
旧市街には、たくさんの細い路地がメイン通りから延びています。これらの路地では、どの物語のキャラクターがいるのかを探しながら歩くと、とても楽しい時間を過ごせます。クリスマスマーケットへ行くと、ついつい目の前の店に目を奪われがちですが、旧市街ではちょっと目線を上げてみてください。
これは外せない! 冬だけ食べられるチロル名物
キアヒルは、地元民に人気のチロル名物です。揚げドーナツの上に、ザワークラウトをはじめ、粉砂糖やジャムなどがトッピングされた食べ物です。キアヒルの店は、クリスマスマーケットではいつも長蛇の列ができています。
粉砂糖やジャムはともかく、酸っぱいザワークラウトが揚げドーナツにあうのかと思うかもしれませんが、これが意外にもマッチするのです。揚げたてアツアツ、ほんのり甘いドーナツとザワークラウトの酸味。冬のチロルを訪れたのならぜひともこの組み合わせをお試しください。もちろん、粉砂糖やジャムを乗せたキアヒルも絶品です。
家族連れならこちらのマーケットへ!
インスブルックで開かれるクリスマスマーケットには、マリア・テレジア通りから旧市街へ続くマーケットのほかに、隣の広場(Marktplatz)で行われるクリスマスマーケットも人気です。
こちらは、メリーゴーラウンドやおもちゃの店が中心で、ファミリー向けの内容になっています。そして、ここの目玉となるのは、すべてスワロフスキーで作られたクリスマスツリーです。高さ14メートルのツリー全面に小さなスワロフスキーのクリスタル・ガラスがつけられており、昼でも太陽の光を浴びてキラキラに輝きます。
クリスマスマーケットへのアクセス方法と注意
紹介したクリスマスマーケットには、徒歩で行くことが可能です。インスブルック中央駅からバスも出ていますが、駅から徒歩で8分程度。隣の広場で行われるファミリー向けのクリスマスマーケットにも旧市街から3分ほどで行けます。
どのクリスマスマーケットにもアクセスが簡単なバス停は、Museumstrasseのバス停です。インスブルック中央駅からだと3分。降りる場所はマリア・テレジア通りと旧市街の間になります。
インスブルックは比較的治安がよいところではありますが、スリが起こるのでクリスマスマーケットを歩く際には貴重品の管理はしっかりと。料金を払う時には、バッグを下に置かないでください。スリが行われるのは、荷物から目を離すこの瞬間です。現地でも注意喚起が出されています。
いかがでしたか。雄大なアルプスに囲まれた冬の似合う町、インスブルックのクリスマスマーケットを紹介しました。この町で行われる素朴であたたかいクリスマスマーケットにぜひ一度足を運んでみてください。
初回掲載: 2018年12月6日
筆者
地球の歩き方ウェブ運営チーム
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