シルクロードの美しい風景に魅了。前田敦子主演、日本×ウズベキスタン国交25周年記念映画『旅のおわり世界のはじまり』

国内外の映画人からリスペクトされる映画作家・黒沢清が、シルクロードの中心”ウズベキスタン”で全編オールロケ撮影に挑んだ待望の最新作は、言葉も通じない未知の国に飛び込んだ、一人の女性の成長を描く旅の物語。日本・ウズベキスタン国交樹立25周年、ナボイ劇場完成70周年記念の国際共同製作作品『旅のおわり世界のはじまり』は、6月14日(金)全国ロードショーです。
『旅のおわり世界のはじまり』ストーリー

【ストーリー】
「みなさん、こんにちは!今、私はユーラシア大陸のど真ん中、ウズベキスタン共和国に来ています」
カメラが回り、だだっ広い湖畔に明るい声が響く。ジャージに防水ズボンをはき、下半身まで水に浸かっているのは、葉子(前田敦子)。バラエティ番組のリポーターを務める彼女は巨大な湖に棲むという”幻の怪魚”を探すため、かつてシルクロードの中心地だったこの国を訪れていた。

だが、精いっぱい取り繕った笑顔とは裏腹に、お目当ての獲物は網にかかってくれない。ベテランのカメラマン岩尾(加瀬亮)は淡々と仕事をこなすが、”撮れ高”が気になるディレクターの吉岡(染谷翔太)の苛立ちは募るばかりだ。ときに板挟みになりながらも、吉岡の要求を丁寧に通訳するコーディネーターのテムル(アディズ・ラジャボフ)。その間を気のいいADの佐々木(柄本時生)が忙しく走り回っている。
万事おっとしりた現地の人たちと取材クルーの悶着が続くなか、与えられた仕事を懸命にこなす葉子。チャイハナ(食堂)では撮影の都合で仕方なく、ほとんど火が通っていない名物料理のブロフを美味しそうに食べるしかなかった。

もともと用心深い性格の彼女には、見知らぬ異郷の文化を受け入れ、楽しむ余裕がない。美しい風景も目に入らない。素の自分に戻れるのは唯一、ホテルに戻り、日本にいる恋人とスマホでやりとりする時間だけだ。

収録後、葉子は夕食を求め、バザールへと出かけた。言葉が通じないなか、地図を片手に一人でバスに乗り込む。見知らぬ街をさまよい歩き、日暮れとともに不安がピークに達した頃。迷い込んだ旧市街の路地裏で、葉子は家の裏庭につながれた一匹のヤギと出会う。柵に囲われたヤギの姿に、彼女は不思議な感情を抱く。

相変わらずハードな撮影は続いていた。首都タシケントに着いた葉子は、恋人に絵葉書を出すため一人で郵便局へと出かける。広い車道を渡り、ガードレールを乗り越え、薄暗い地下道を通り抜け・・あてどなく街を歩くうち、噴水の向こうに壮麗な建物が見えた。かすかに聞こえた歌声に誘われ、葉子が建物に足を踏み入れると、そこには細かな装飾を施された部屋がいくつも連なっていた。

一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ・・。まるで白日夢のようにそれらを巡り、最後の部屋の扉をあけると、目の前には大きな劇場が広がっていた。
という、バラエティ番組の裏でおこなわれている、見知らぬ土地でのプロ意識と、一人のナレーターが体験するさまざまな出来事と出会いを通じて成長するストーリーです。
シルクロードの美しい風景の中で描かれる心の冒険

舞台は中央アジア、ウズベキスタン。バラエティ番組のリポーターを務める葉子(前田敦子)は巨大な湖に棲む”幻の怪魚”を探すため、かつてシルクロードの中心地として栄えたこの地を訪れた。胸に秘めた夢は、歌うこと。その情熱を心の底に押し込めて、目の前の仕事を懸命にこなしている。ある日の収録後、ひとり街に出た葉子は導かれるように、美しい装飾の施された劇場に迷い込む。そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な経験をする。
心の居場所を見失った葉子が、旅の果てで出会ったものは?

ウズベキスタンに1ヶ月まるまる滞在し、広い国土を存分に使ってロケ撮影された本作は、観客も一緒に異郷を旅しているような、ロードムービー的な魅力に溢れた目覚めの物語。日本映画では見られない雄大なシルクロードの風景から、ホコリっぽい街角の雑踏、バザールの熱気までをドキュメンタルに切り取り、1コマごとに主人公の心の移ろいを映し出している。
公開情報

映画監督・黒沢清が、前田敦子、加瀬亮、染谷将太、柄本時生らを迎え、雄大なシルクロードを舞台に描く旅の物語。“舞台で歌う”という夢を胸に秘めたテレビリポーターの主人公が、番組クルーと取材のため異国を訪れ、その地での様々な出会いによって、新しい扉をひらき、成長していく姿を描く、『旅のおわり世界のはじまり』は、6月14日(金)全国ロードショーです。
■『旅のおわり世界のはじまり』
URL:https://tabisekamovie.com/
6月14日(金)全国ロードショー
配給:東京テアトル
©2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO
”幻の怪魚”がいるかもしれないアイダール湖

DAVID HOLT [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons
葉子(前田敦子)がリポートとしているバラエティ番組の当初の目的でもある”幻の怪魚”は、この巨大な水たまりに?ウズベキスタンのナヴォイ州にあるアイダール湖は、実は1960年代に旧ソビエト連邦による灌漑(かんがい)計画によってシルダリヤ川がせき止められた水が集まってできあがったという、”水たまり”だったりします。ナマズや鯉など釣りを楽しむ地元の人々も多く、たくさんの種類の魚が今では生息している湖。果たして怪魚は本当にいるのでしょうか。
旧日本兵が造ったナヴォイ・オペラ・バレエ劇場


Bobyrr [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons
Русский: Центральный банк Республики Узбекистан English: The Central bank of the Republic of Uzbekistan Oʻzbekcha/ўзбекча: Ўзбекистон Республикаси марказий банки [Public domain], via Wikimedia Commons
1947年、第二次世界大戦で旧ソビエト連邦の捕虜になり、タシケントに抑留されていた日本人が造ったといわれており、美麗な装飾が施された内装のレリーフなどは必見という。今でもウズベキスタン紙幣に描かれるなど、長く愛される劇場。
関連書籍[](https://www.arukikata.co.jp/guidebook/series/plat/plat23)地球の歩き方 Plat 23 ウズベキスタン地球の歩き方編集室
定価:本体1,200円+税
発行年月: 2019年4月
判型/造本:A5変並製
頁数:128
ISBN:978-4-478-82333-0詳細はこちら
【映画にも登場!】関連書籍[](https://www.arukikata.co.jp/guidebook/series/book/D15)地球の歩き方 ガイドブック D15 中央アジア サマルカンドとシルクロードの国々地球の歩き方編集室
定価:本体1,900円+税
発行年月: 2017年5月
判型/造本:A5変並製
頁数:272
ISBN:978-4-478-06053-7詳細はこちら

筆者
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