イギリス・ロンドン郊外のゴルフ場、ファーリー・ゴルフ・クラブの楽しみ方
イギリスのスコットランドが起源とされ、日本でも根強い人気があるゴルフ。本場でプレーしてみたい人も多いのではないでしょうか。物価が高いことで有名なイギリスですが、グリーンフィー(利用料)は日本よりも安い施設が多く、おトクにプレーすることができます。ロンドン郊外にあるファーリー・ゴルフ・クラブを紹介します。
ファーリー・ゴルフ・クラブの予約、受付手続きの方法
ファーリー・ゴルフ・クラブ(Farleigh Golf Club)は、ロンドン中心部から車で1時間以内の近距離にあります。すてきなレストランやカフェバーが併設されており、レストランが入るクラブハウスは一般開放もされています。
プレーに関係なくクラブハウスに出入りできますので、ゴルフをしない同伴者や観光客も施設を利用することができます。郷土料理のサンデーローストが食べられるレストランが人気で、連日、多くの人でにぎわいます。
ゴルフ場の入口の看板を抜けると、早くも青々とした芝が目の前に広がります。5分ほど車を走らせると大きな建物に着きます。 1997年創業のファーリー・ゴルフ・クラブは比較的新しいこともあり、レストランやゴルフ用品を売るプロショップがあって、明るく近代的です。
イギリスのゴルフ場は、事前にメールやオンライン、代行業者やゴルフサイトを通じてスタートタイムの予約を入れますが、たいてい空きがあるので、平日であれば当日思い立って電話をしてもパブリック・コースの場合はほぼ予約が取れるでしょう。
一般のイギリスのゴルフ場では、通常、プライベート・コース(メンバーシップ・コース)は会員メンバーのみの利用となっていますが、ファーリー・ゴルフ・クラブでは、プライベート・コースを含め、そのほとんどのコースをビジターも回ることができます。
また、名門コースの場合、利用に際しハンディキャップ証明書を求められることがありますが、ファーリー・ゴルフ・クラブでは口頭で申告するだけで快く受け入れてくれます。
ファーリー・ゴルフ・クラブ場内の用具と施設
ファーリー・ゴルフ・クラブの受付はプロショップが兼ねています。こちらで精算をはじめ、クラブのレンタルや電動カート(バギーと呼びます)の手配などを済ませます。
ラウンドする際は基本的にキャディーなしで、トローリーと呼ばれる手押しカートかゴルフバッグを自ら担いでまわります。電動カートは数が少ないので、利用したいのであれば事前に予約しておくことをおすすめします。
ロッカーは会員専用なので、ビジターは使えません。貴重品は自分で管理することになります。シャワーも同様の理由で使用することができません。ただ、イギリスは夏でも湿度が低く、ゴルフをしても汗をかくことは少ないです。シャワーがなくても大丈夫でしょう。
現地の人たちは子供の頃からゴルフに慣れ親しんでいる人が多く、生活の一部としてゲームを楽しんでいます。クラブハウスにはバーやレストランがあり、日本のような広さはありませんが、メンバー同士でグラスを傾ける社交の場にもなっています。
プロショップのスタッフも気さくな人が多く、「うちのコースはどうだった?」「気に入ったかい?」「終わったらぜひ感想を聞かせてくれ」と声をかけてきたり、親切にいろいろと教えてくれます。
ラウンド中やクラブハウス内での服装ルール
ゴルフウェアがファッションとしても注目されるようになって久しいですが、紳士淑女の国・イギリスでは、名門コースや有名コースでの服装がとりわけ厳しいです。名門コースの場合、靴下の色まで指定されていたり(白のみ)、仕立てたズボンを着用することまで決められているところもあります。
ファーリー・ゴルフ・クラブの服装ルールは、基本的には日本のそれと大差なく、ゴルフ用のズボンにポロシャツなどスタンダードな格好であれば問題ありません。また、イギリスのどこのゴルフ場でも共通しているのは、とにかくシャツはイン! わざわざ記載しているところが多いです。
ファーリー・ゴルフ・クラブでは、男女共に半ズボンに襟付きポロシャツ、全体的には落ち着いた色味(カラフルなモノでも問題ありません)を着用している人が多いです。流行りのおしゃれなミニスカートなど東南アジアなど暑い国では普通ですが、こちらではあまり見かけません。
クラブハウス内のバーで、メンバーとビジターで分かれているような場合は特に注意が必要です。夏場でも半ズボンは禁止で、着替えるまで中に入れないところもあります。また、スパイクシューズを履いたままでは中に入れないクラブハウスやバーも多いです。その点、ファーリー・ゴルフ・クラブのクラブクラブは一般にも開放されているので、クラブクラブ内ではTシャツやサンダルでも大丈夫なほど、規定がゆるいです。
初心者から経験者まで幅広く楽しめるコースプラン
クラブハウスのそばには、打ちっ放し場(ドライビング・レンジ)やパターとバンカーの練習エリアがあります。これらのエリアでは人がいなければすぐに打ってよく、ラウンド中の服装ルールとは違って、あまり時間には厳密ではありません。わりとゆるい雰囲気で利用できます。
いよいよティー・グランドに上がり、ティーアップです。ファーリー・ゴルフ・クラブは3種類のコース、計27ホールから成ります。全米ゴルフ協会仕様のコースとして、2018年にはPGAアシスタント・プロの、2019年にはPGA Fourball Championship の公式会場になるなどサリー州屈指の優良コースです。
ただし、こちらの人はあまり素振りなどをせず、ポンポンと速いペースで回る人が多いので、18ホール通しで3時間ほどで終えてしまいます。スロープレーには厳しめなので、後からラウンドを始めたグループに追いつかれてしまった時などは先を譲りましょう。
ファーリー・ゴルフ・クラブは敷地が広く、イギリス特有のススキのような草やヒースの群れがあちこちに点在し、ボールを失くしやすいのもプレーヤー泣かせ。ボールはたくさん用意しておきましょう。
イギリスの一般的なゴルフ場はコースによっては標識が少なく、次のホールの場所がわかりづらいことも多々あります。その点、ファーリー・ゴルフ・クラブではGPS機能つきのマップとデジタルスコアカードがついた電動カートが利用できますので、安心してプレーすることができます(電動カートは数が少ないので事前に予約しておきましょう)。
イギリスでのゴルフ料金の相場
日本と比べてイギリスではどれくらいの料金でコースをまわれるのでしょうか。時間帯や平日か週末かによって異なりますが、午後スタートの方が安いようです。誰でも利用できるパブリック・コースと会員制のプライベート・コースがありますが、イギリスでは、そのほとんどがプライベート・コースとなっています。
一例ですが、パブリック・コースで昼12時過ぎのスタートであればひとり25〜35ポンド(約3,500〜4,900円)、電動カート代が25ポンド(約3,500円)程度です。日本はもちろん、最近では物価が安いはずの東南アジアにあるコースよりもイギリスの方が安かったりします。プライベートや名門コースであっても午前が65ポンド(約9,100円)、午後が50ポンド(約7,000円)程度です。
なお、ファーリー・ゴルフ・クラブでは、平日の午前がひとり35ポンド(約4,900円)、午後30ポンド(約4,200円)、15時以降はさらに20ポンド(約2,800円)まで下がります。これからの季節は陽が落ちるのが早まりますが、夏場は21~22時まで明るいので夕方からゆったり安くまわることができます。
無料で加入できるファーリー・フレンズというプログラムに申し込むと、さらに安くなるうえに、レストランの割引も適用されます。受付時にその場で手続きができますので簡単に加入できます。
ファーリー・ゴルフ・クラブでは年会費を払い、好きな時に好きなだけ(数ホールで終わるなど)プレーし、その後は仲間と軽く1杯を楽しむ。そんなプレーヤーが多いようです。
日曜日はビュッフェ・ランチでサンデーローストを!
海外やイギリスのほとんどのゴルフ場では、ラウンドは昼食などの途中休憩を挟まずに18ホールを続けてまわるスループレーが一般的です。そのため、午前スタートの場合、コースを回り切る頃にちょうど昼の時間になります。
ファーリー・ゴルフ・クラブには、飲食だけの一般客も利用できるレストランやカフェ・バーがあります。バーには、屋内席だけでなくテラス席もあります。ひと汗かいた後にビールで乾杯しているグループがいます。
「子供の頃、日曜日は毎週サンデーローストだった」。ファーリー・ゴルフ・クラブのレストランでは、イギリス人にとって思い入れのある特別な肉料理「サンデーロースト」をビュッフェ形式で提供しています。イギリスで人気の料理でも「サンデーロースト」を提供する店が見つけにくいので、それを食べに来るだけという客もいるほど。
こちらのレストランでは、前菜やメインのロースト料理、デザートのコーナーが分かれており、それぞれ適量ずつ楽しめます。ただ、ビーフやポーク、チキンの3種類があるメインの肉料理はとても食べ切れない量が盛られるので、複数人でひと皿がちょうどよいでしょう。
提供される野菜はローストされています。何でも茹で過ぎる傾向があるイギリス料理にあって、きちんと野菜に歯ごたえが残っているのが珍しいです。見かけはニンジンで、味は香りのあるイモのようなパースニップという野菜が提供されているのは、ほかの店では見かけないので貴重な存在です。味、量ともにたっぷりで、大人ひとりあたり23ポンド(約3,200円)です。
大きな窓からコースのグリーンが眺められ、カメラを取り出すと「撮りましょうか」と気軽にシャッターを押してくれる気さくなスタッフ、「少しで」とお願いしても大盤振る舞いしてくれるメインコーナーのシェフなど雰囲気もサービスも抜群によいレストランです。アフタヌーンティーは、ひとり21ポンド(約2,900円)で毎日提供しています。
ファーリー・ゴルフ・クラブ自慢の芝は、水切れがよく、冬でも良好な状態で1年中快適にプレーできます。手ぶらで参加可能な日系の現地手配代行業者もありますし、日本人在住者は仕事帰りにフラッとひとりでプレーする人もいるくらいお手軽なコースです。
いかがでしたか。ロンドン郊外にあるファーリー・ゴルフ・クラブを紹介しました。どこまでも続く美しいグリーンを目の保養に、気持ちのよいプレーとおいしい料理に舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。
※記事中の価格、および為替レートは、2019年11月現在のものです。
筆者
イギリス特派員
パーリーメイ
2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。
【記載内容について】
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