ブラジルの総合格闘家、ホジマールに注目!
ブラジルでVale Tudo(バーリトゥード)といわれる「何でもあり」の総合格闘技、一般的にはMMA(ミックスド・マーシャルアーツ)といわれ、有名な大会に『PRIDE』がありました。
今でも同大会で初代ヘビー級王者に輝いたAntônio Rodrigo Nogueira(アントニオ・ロドリゴ・ノゲイラ、BTT所属)、同じくミドル級王者のWanderlei Silva(ヴァンデレイ・シルバ、シュート・ボクセ所属)などブラジル人格闘家には目を見張ってしまいます。
12月6日、サンパウロで『FURY FC5』(フューリーFC5)というブラジルでのMMA各級ナンバーワンを決定する大会を観戦しました。
注目はミドル級(83キロ以下)のRousimar Palhares(ホジマール・パリャーレス、BTT所属)、通称、Toquinho(トッキーニョ)という若手格闘家です(写真上、右)。
1980年2月26日、ミナス・ジェライス州ドーレス・ド・インダイアという田舎町で10人兄弟姉妹の3番目として生まれたトッキーニョ。
大豆やコーヒー、サトウキビの収穫をして暮らす生活は非常に貧しく、食べるものに困った時、「母親が豚のエサで作ってくれた料理まで美味しく感じられた」という素朴な青年です。
トッキーニョの父親は10年前に失踪、女手一つで子どもを育ててきた母親をみて、昔から力持ちだったトッキーニョは「格闘家になって母親を助けたい」との夢を抱きました。
17歳で武術を習い始め、現在はリオに住むトッキーニョ。
トレーニングを行うジムの裏にあるファヴェーラ(貧民街)の小さなアパートでルームメート3人と暮らしています。
食べ物は彼の実力を見込んだシュラスコレストランのオーナーが提供してくれるのだそう。
このトッキーニョの生い立ちと総合格闘技にかける意気込みは、2007年3月に再放送されたNHKのBSハイビジョン特集「世界最強の男はこうして生まれる〜バーリトゥードの世界〜」でも取り上げられました。
さて、『FURY FC5』ではセミファイナルでFábio Negão(ファビオ・ネガオン)に第一ラウンドで見事なレッグロックを決めたトッキーニョ。
ファイナルで対戦するパラナ州クリチバの強豪、Daniel Acácio(ダニエル・アカッシオ、シュート・ボクセ所属)といえば、『PRIDE武士道』にも出場経験のあるファイターです。
悪戦苦闘を予想していましたが、トッキーニョは得意の寝技で第一ラウンド、敵のヒールを捉え華麗な勝利を収めました。
優勝を決めて、リングに飛び上った婚約者と熱い抱擁を交わすトッキーニョ(写真中)。
婚約者はこの瞬間まで、格闘家の精神状態を乱さないよう、ひっそりと身を隠していたそうです。
優勝者への賞金は4万レアル、日本円にして約240万円。
大業を成し遂げたトッキーニョは満面の笑みで、「これで母親に家を買ってやりたい」とインタビューに答えていました(写真下)。
トッキーニョの目標は、いつか世界チャンプになること。
いつかその夢を果たしてもらいたいと祈らずにはいられません。
[参考資料]
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