フランス・サヴォア地方の電気・エネルギー事情
日本は毎日猛暑と言うことでどこまで節電するか各家庭でも工夫しながら暑さを乗り切ろうとしているとのこと。私の九州の実家でもゴーヤ(にがうり)のカーテンを作って、節電に励んでいるという話を聞きました。
さてフランス国内での電力消費は、地域の天候・気象によって大きく左右されるようです。
●クーラーいらず
私の住んでいる地域はフランス南東部のローヌ・アルプ州の中でもアルプス山麓を始め標高の高い位置にある町が多く、涼しめで湿度も低いので一般家庭でクーラーが使われることはほとんどないようです。暑い日には日中の温度が30度を超えることもありますが、直射日光がない時や、夜の時間帯は比較的過ごしやすくなっています。さすがに扇風機くらいはほしいという寝苦しい時期もあるものの、まあエアコンまで要らない、というのがこちらの夏の一般的な空気調節状況です。電気の使用量に気を使うのはむしろ冬の暖房に関してです。
●暖房もエネルギーはいろいろ
冬の長いサヴォア地方では、むしろ冬の暖房が重要です。都心ではほとんどが電気パネルヒーターで暖房。またガスを使ったチューブ式の暖房、さらには薪を使ったストーブや暖炉も一つの主要な暖房手段です。
アヌシー市郊外にお住まいの美代さんご家族宅ではここ最近灯油の値段が上がっているため、冬の暖房を全部薪ストーブにしたそうです。一冬(長くて6ヶ月間)を安心して過ごすのに約600ユーロ分の薪を必要とするそうです。それでも電気や他のエネルギーを併用したりするのに比較すると割安になるようです。
私の家では一昨年まで赤外線パネルヒーターと薪を燃やす暖炉の2つで暖房していましたが、去年暖炉を取り壊して発熱量の高い薪ストーブを設置しました。すると赤外線パネルがなくても十分温度が上がり、暖房用電気代の大幅な節約になったとともに、薪の使用量も以前の約半分ほどに減りました。
木材を燃料とした暖房ってあまりエコではないのでは、と思っていましたが、燃やしたときの炭素排出量は石炭やガスに比較すると木材のほうがはるかに低いそうです。またフランスの電力の8割が原子力発電であることを考えても、なるべく少なく薪を使えば、再生可能ではないにしても、家庭でできるひとつのエネルギー対策なのかもしれませんね。ネットで検索したら、日本でも北海道などで薪ストーブ愛用者が増えているようですね。
写真は発熱量の高い薪ストーブ。中で薪を燃やすと、その熱を利用してストーブ自体が熱を発して家を暖めてくれます。
窓の下にあるのがチューブ式ガス暖房器。ヨーロッパではよく見かけます。
●電気料金
電気料金は会社によって異なりますが、大半の家庭がフランス電力公社(EDF)から供給を受けています。通常使用量は3ヶ月毎に通知が来て、契約料金と使用料金を請求されます。先述の美代さんご家族宅では、Energy&Service de Seysselという会社から供給を受けていて、こちらも2-3ヶ月おきに使用量の通知と料金請求がきています。月ごとの契約料金もEDFよりは少しお安いようです。私のように都市部から離れたところに住んでいると、請求は半年に一回でその年の7月から翌年5月までの11ヶ月間に月割りで銀行口座から引き落とされるという仕組みです。日本みたいに毎月請求が来ないので細かい調節・節約が難しいのが難点。
フランスでは一般にオフ・ピークの時間帯つまり深夜料金の時間帯が夜11時から朝5時に設定されています。日本みたいに夜10時から朝8時くらいにしてもらうと朝の電気代ももっと電気代も節約できるんですが。
●雨に弱い、、、
雨風が強い日に停電することもしばしば。こちらは皆さんクリスマス用や特別な食事のためなどにロウソクを常備しているので、停電時にはキャンドル・ライトの中で電気の復帰を待ちます。晴れた日でも突然4-5分の停電が起こることもあります。初めて停電を体験したときは、「こんなのおかしい!すぐに電力会社に連絡しないと!」と騒いでしまいましたが、今ではあまり気にならなくなりました。。
●ヨーロッパで初めて電気の街燈がついた町
これはすでに以前私のブログで触れましたが、私の住む町は、ヨーロッパで初めて電気の街燈が設置された町ということです。興味のある方はぜひこちらを。
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