ポップなアートを五感で感じよう トリエンナーレ「Arts & Foods」②
戦後以降の展示はイエローの壁を基調として、ポップでキッチュな空間に変わります。何だか懐かしい気持ちになるるのが、航空会社の機内食のテーブルウェアです。プラスチックのお皿やカップなどは、小さな折りたたみ式のテーブルに収まるコンパクトに工夫を凝らしたもの。大陸間での飛行時間が短くなり航空路線が増え続ける中、食事は乗客にとって楽しみな時間でした。イタリアのアリタリア航空、エールフランス、今はなきアリタリアのパンナム航空などでサービスされたもの。コンパクトながらもデザイン性に富み明るい色合いに心が踊りますね。
このあたりから現在でもよく知られている食品メーカーが出てきます。コカコーラの自動販売機やボトルケースは1950年、51年、56年、60年と数年刻みで置いてあり、小さな変化が面白い。コインを入れるところはもちろんのこと、空き瓶ケースや栓抜きもそのまま。今では過去のオブジェとなったマシーンの「Sold Out」という表示に、思わず笑みがこぼれます。
ハーシーズ、ハインツ、デルモンテ、キャンペルなどのポスターや缶詰、そして食品のパッケージ・・・。見れば一瞬にメーカー名が思い浮かぶインパクトがありますね。アメリカのピーナッツ割りマシーンは珍しいものでした。
2階に場所を移すと回顧展からフードのモダンアートになります。空間を進んでいくと、どこからかチョコレートの香りがしてくるではありませんか。近づくとイタリアの集合住宅で使われているゴミ箱にチョコレートでペインティングした作品が。係の方に聞くと「そう、本物のチョコレートよ」と答えてくれました。アートって面白いですね。
その奥には「ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家」ならぬ「パンの家」がありました。小麦粉の匂いがプンプンします。しかもその大きさは、本当に人が住めるほどのもので、どれだけの量の小麦と水を使ったんでしょうか。湿気の少ないイタリアだから実現できたアートなんでしょうね。
その他、イタリアを代表するキッチン用品、アレッシのデザイン美術館からの貴重なコレクションやプリーツ・プリーズbyイッセイ・ミヤケで表現されたデニッシュ、お寿司なども目を楽しませてくれます。
ゆったりと全てを見ると、いつの間にか2時間もたっていました。
もしミラノに数泊されるなら、雨など天気のよくない日には屋内型のトリエンナーレで過ごされてみてはいかがでしょうか。カフェレストランなども併設されていますし、広々としています。それぞれのペースで食とデザインを楽しめるでしょう。
Triennale Design Museum
住所 Viale Alemagna 6
電話 02-724341
開館時間 午前10時から午後11時、無休。11月1日まで。
料金 12・50ユーロ。ただしエキスポのチケット購入者はそのチケットで入場可。
http://www.triennale.org/
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