アッペンツェルで和牛を育てるセップ農場
世界的に有名になりつつある和牛。
海外のスーパーやレストランでも、アルファベットで「Wagyu」と表記されている商品やメニューをみかけます。
スイスの中でもっとも保守的と言われている、ここアッペンツェル地方にも和牛を育てている農家があるくらい、世界的に認められ、需要があるのでしょう。
先日ご紹介した、アッペンツェルの和牛農家が出店したグルメッセの記事はこちら。
今回は、和牛を育てる農家、セップさんのところに夫と車で行ってきました。
スイス人の夫も興味津々だったので質問をしたからということもありますが、セップさんは自分から積極的に、親切丁寧に、農場や餌、牛の種類、数などを説明してくれました。
今のところ、牛は30頭いて、その中の和牛(ブラウン種とのかけあわせ)は3頭。
他は、ブラウン種だったり、赤毛だったり、濃い茶色だったりしているのですが、驚いたことに、みんなセップさんになついていて、「撫でて!撫でて!」と寄ってきます。
撫でてもらっているあいだはうっとりし、セップさんが手を離すと、牛は満足げにまた餌を食べ始めていました。
朝晩、1時間ずつブラシとビールでマッサージをしていることもあり、牛たちもセップさんが大好きなのがうかがえます。
私は正直なところ、牧場や牛の臭いが大の苦手で、あまり長居したくありません。
でも、セップ農場は臭いがまったくないのです。
聞くと、朝晩しっかり掃除をしていて、干し草をしきつめた土はとっても綺麗。
餌が置かれているところも、乾燥していて、こちらも臭いがまったくありません。
放牧を終えた牛たちは、牛小屋でのんびり餌を食べているのですが、空気の通りもよく、おひさまもしっかり当たる快適な場所でした。
セップさんは、餌についても語ってくれ、地元のビール会社Locher AG(過去記事はこちら)から酵母やビールを作ったあとの液体などを仕入れ、牛に飲ませ、その後マッサージをしています。
和牛だけではなく、他の種類にもビールを飲ませてマッサージをしていることから、その牛たちを「Kabier(カビエー)」と名付けているのですが、意味は、Kalb(カルプ、子牛)+Bier(ビアー、ビール)の造語。
他の農家もそうだとは思いますが、特に、このセップさんからは牛への愛情、農業(酪農)という職業への誇りと情熱、そして上質の和牛やKabierを地域の人々と助け合って生産し、お客様に届けたいという気持ちが伝わってきました。
Sepp Dähler
住所 Bindenau 9063 Stein AR Switzerland
筆者
スイス特派員
ヘス 順子
スイス東部のアッペンツェルに住んでいます。日本とスイスの橋渡しになるような仕事をし、それを深めていきたいです。
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