なぜこんなところに!?へんてこゴミ〜ロンドンのゴミ出し事情〜
日本では新型コロナウイルスによる外出自粛要請の影響を受け、「以前よりも家庭ゴミの量が増え、清掃員の負担になっている」という記事を先日目にしました。イギリスでも事情は同じではないかと思いますが、こちらでも普段のゴミ収集は変わらずなされているのでとてもありがたいです。
強いていえば、近くの粗大ゴミ集積場は閉鎖中なので、芝刈りの草を出せなくて少々困っている程度です。ロックダウン(関連記事)前は普段からよく歩いていたのですが、こちらの道にはいろんな物が落ちています。
バナナやミカン、リンゴの芯といった果物の残骸を始め、片足の靴や車タイヤのホイールなどさまざまですが、なかにはとんでもない物まで放置されており、スーパーのショッピングカートが道端に置かれていました。今回はロンドンのゴミの種類、分別方法などゴミ全般に関するローカル情報をご紹介します。
ロンドンのゴミ事情
日本が治安上の問題から町のゴミ箱を減らす傾向にある一方で、ロンドンでは比較的多く見かけます。プラスチック製のゴミ箱から金属製でハンドルを引いて中に捨てる物まで、豊富に設置されているので便利です。
それにもかかわらずポイ捨てなど、ゴミのマナーは日本より悪いように感じます。私の住んでいるクロイドン行政区(関連記事)は不法投棄の根絶に力を入れており、通報システムを設けています。ウェブサイトを見てみると、上記で述べたスーパーのカートの放置についても記述されているので、こちらでは珍しいことでもないようです。(出典:Your Croydon)
ロンドン(クロイドン)のゴミ分別方法
クロイドンを例に挙げますと、家庭ゴミを処分してもらうには各家庭に配布された、4種類のボックスに分ける必要があります。生ゴミボックスには燃えないビニール袋などが厳禁で、中に敷く袋には植物由来の土に還る袋が推奨されます。ほかに段ボール、雑誌、雑紙などの紙類専用ボックス、缶、瓶類のボックス、そのほか不燃ゴミのボックスがあります。
生ゴミ以外は隔週の回収です。ボックスの大きさは生ゴミが一番小さく、不燃ゴミが車輪つきの Wheerie bin と呼ばれるどデカいボックス、そのほかふたつが色違いの四角いコンテナだったのですが2018年より、生ゴミ以外がすべてが車輪つきの大型に統一されました。
隔週の収集ですと缶、瓶類はかさばり、箱からあふれてたいへんだったので個人的には大歓迎ですが、変更理由が「より多くのゴミをきちんと分別して貰うため」だそうで、当時リサイクル率40%のものを50%に、年間500万ポンド(約7500万円)の経費削減を目標に実施されたとのことです(出展:Your Croydon)。日本人的思考?ですと、箱は小さい方が自助努力でゴミをなんとか増やさないようにしそうで、それをわざわざ大きくするということは、安心してすぐにゴミを増やしてしまうような感じがするのですが......コンテナに入りきらなくて不燃ゴミに回していた再生可能な容器などを、大型になったボックスに思う存分入れて欲しい、という意味かと思います。
実際翌2019年には、リサイクル率を目標通り10%弱上回り、48%まで上がったそうです。(出典:Your Croydon)
ゴミ出しの注意事項
このゴミボックスの変更にともなってゴミ出しの日まで変更されてしまったのですが、行政の方でも思うところがありいろいろと努力しているようです。以前はゴミが指定日に回収されないことがたまにあり、ゴミ箱をしまったら翌日早朝に収集車が来て出しそびれたり、それに懲りて、回収されなかった日はその後数日間ゴミ箱を出しっ放しにしていたところ、回収されるどころか通行人が犬のフンなどを入れて行き「公共のゴミ箱」状態になってしまったりしていました。
それが新システム導入後は、未収集分については住人が簡単に報告できるようになり、ゴミ回収業者へのペナルティなどを課すようになったため、回収率が劇的に上がりました。
以前は収集日の前夜からゴミ箱を外に出していたのですが、冬になると餌が減るのか去年初めて狐にゴミ箱を荒らされてしまったので、以来当日までは家の中に置いておくようになりました。
こんな物まで回収
イギリスならではのユニークなものとして、冬場の使用後クリスマスツリーの回収期間があります。こちらでは、本物の木を毎年クリスマスツリーとして利用する家庭も多く、クロイドンでは毎年1月の一定期間は不燃ゴミと共に回収してくれます。ただ、何故かこれも結局は回収されず、春先まで玄関に放置されている枯れきったツリーを幾つも目にしました......。
ゴミ出し(クロイドン)最新情報
先月4月に届いた最新のクロイドン広報誌では、やはり清掃員への負担などを考慮し、ゴミ自体を減らすことを推奨していました。特に始めに述べたように、現在クロイドンでは粗大ゴミ集積場が閉鎖中なので、庭のゴミも含めて大きくかさばる物は処分を延期するようすすめています。
同じく、不用品を持ち込めるリサイクルショップのようなチャリティショップ(関連記事)も閉鎖中なので、処分に困った住民が不法投棄する可能性を懸念し、そういったこともしないよう呼びかけています。
また、自主隔離中の家庭では家庭ゴミを二重に袋でくるみ、かつゴミ出しまで72時間置いてから出すよう指示がありました(参照:"Environment" your croydon April 2020 Covid-19 Update: 4. Print.)。これからも清掃員の方に感謝しながら、ゴミ減らしや分別に努めていきたいと思います。
筆者
イギリス特派員
パーリーメイ
2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。
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