機内濃厚接触で向かった東京都の隔離宿泊施設の様子と入所の流れ【2021年12月/グレイスリー新宿】
フランスから日本への入国には、出発72時間以内のPCR検査による陰性証明が求められます。そのため日本行きのフライトに乗る乗客は、全員「陰性」保持者ではあるのですが、なんらかの要因により(PCR検査時には引っ掛からなかったり、その後感染したなど)日本到着時の空港で行われる抗原検査で陽性が出ることがあります。その際、同じ便の機内で陽性者が乗っていた場合は「前後2列を含めた計5列の乗客」が濃厚接触者になります。
現在の濃厚接触者の範囲は「前後2列を含めた計5列の乗客」となっていますが、2021年12月1日~27日までは、陽性者が乗っていた便の乗客全員を濃厚接触者としていました。私が日本へ向かった便も、乗客のなかに陽性者が出たため、当時私も濃厚接触者に認定されました。
帰国時に濃厚接触者となったら、どのような手順となるのか、私が体験したケースについてまとめます。
帰国後待機から濃厚接触者待機までの流れ(私の場合)
▲濃厚接触者宿泊施設からの眺め
当時(2021年12月18日)、フランスから日本入国した際の待機期間は14日間でした。内訳は以下です。
入国後の検疫所施設での待機: 3日間
自宅や各自手配したホテルなどでの自主待機: 11日間
上記、3日間を私の場合は税務大学校の寮で待機しました(詳細は「フランスからの日本入国と検疫所の待機施設について最新まとめ【2021年12月/税務大学校寮】」)。この待機中に「同じ便で陽性者がいた」という連絡が日本の厚生労働省の担当者から電話で入りました。その後、再び厚労省から「その陽性者はデルタ株ではなかった」と連絡を受けました。
厚労省の担当者によると、「オミクロンかどうか判明させるゲノム解析には6日間ほどかかり、オミクロンだと都の施設で、待機期間全14日間の残り11日間を過ごすことになる」とのことでした(注:当時のやり取りで、現在はルールが変わっています)。私は同担当者に対して、「入国時施設からの退所日はもう迫っていますが、今後の対処をどのようにすれば良いですか?」と電話口で尋ねると、担当者は「区からの連絡を待ってください」と答えました。
その後も区から連絡はなく、3日目の施設内検査で陰性だったので、決められた流れに従い税務大学校の寮から退所。ただし、濃厚接触者のため空港まで戻るバスは通常の退所者とは別でした(入国後待機期間を終えた後は現地解散はできず、到着空港に戻り解散します)。その後、自宅待機で数日後過ごしていると携帯が鳴りました。
今度は厚労省ではなく区からの電話で「同じ便に陽性者がいました。ただし陽性者がオミクロンかどうかは、まだ判明していません。いたら濃厚接触者です」という内容でした。そして「もしオミクロンなら施設待機になる」とも言われました。その翌日、再び区から連絡がありました。「陽性者はオミクロンでした」という内容でした。
ただ、まだこの時点では私が入所する施設は決まっていませんでした。「明日から入ってもらいたいのですが施設調整がこれからなので、また連絡をします」という内容でした。その後、都のサイトを確認すると出発日午前に施設決定がされて、同日午後に施設までの送迎車が来るようです。実際そうでした。濃厚接触者としての今回の待機場所は「グレイスリー新宿」でした。
今回の流れをまとめると以下です。
12月15日: 出国72時間以内のパリ市内でのPCR検査(陰性)
12月17日: フランス(パリ)から出国
12月18日: 日本(羽田)到着、入国時に抗原検査(陰性)、検疫所の待機施設へ
12月21日: 検疫所施設内でPCR検査(陰性)、施設を退所、都内の自主待機場所へ
12月26日: 濃厚接触者として自主待機場所から区の宿泊施設へ移動
グレイスリー新宿での待機の様子
▲宿泊した部屋の様子
濃厚接触者の宿泊施設では、帰国後の待機施設と比べて、より接触機会がないように管理されています。施設についてから受付まで、以下の画像のように貼られた案内書に沿って行動します。まるで絵本『注文の多い料理店』のようでした。
区の濃厚接触者隔離施設として1棟貸しを行っているグレイスリー新宿は、個人的な感想としては、以前私が帰国時の待機場所として過ごした「アパホテル&リゾート両国駅タワー」と、ほぼ同じような住環境でした(詳細は「日本入国後隔離の様子、検疫所が確保する宿泊施設と自主待機場所」)。
グレイスリー新宿には以下のアメニティと備品がありました。
【備品一覧】
体温計
パルスオキシメーター
ボールペン
シャンプー
リンス
ボディーソープ
ハンドソープ
剃刀
歯ブラシ
トイレットペーパー
ティッシュペーパー
ゴミ袋
飲料水
紙コップ
テレビ
冷蔵庫
電気ケトル
ドライヤー
Wi-Fi
1日は以下のような形で進みます。
【1日の流れ】
7:00頃 1回目検温とパルスオキシメーター測定
9:00頃 朝食
午前 看護師が電話を通じ問診
13:00頃 昼食
16:00まで 2回目検温とパルスオキシメーター測定
18:00頃 夕食
グレイスリー新宿の場合、食事は時間になると各部屋のドアすぐ横の廊下に置かれて配膳されます。
食事内容は以下のようなものが出されます。
▲朝食
▲昼食
▲夕食
家族や友人からの差し入れや、Uber Eatsなど食事の出前(ただし、すしなど生もの、冷凍・冷蔵食品は除く)、ネットスーパーからの配送は可能です。ただし、必ず事前に受け取り者からフロントへ連絡を入れ、受け取り時間は基本は9:00〜17:00に限られています。
グレイスリー新宿の場合、ランドリーやクリーニングサービスはありません。客室のバスタブや洗面台で洗ってくださいとのことでした。アメニティとして洗剤は用意されており、フロントに問い合わせるともらえます。
その他、東京都が用意する宿泊施設についての一般的な情報は、東京都のウェブサイトをご覧ください。なお、これら状況は宿泊施設や今後の環境の変化によって内容が変わることがありますので、詳しくは関連当局に問い合わせることをおすすめします。
筆者
フランス特派員
守隨 亨延
パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。
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