イギリス発着便り〜サントリーニ島〜

公開日 : 2022年12月01日
最終更新 :

先月まで「今年はまだ生暖かい」とお伝えしていたイギリスも、師走に入りめっきり冷え込むようになりました。クリスマスやお正月へのカウントダウンが始まるなか、パーリーメイのブログでは少しでも暖をとるため、時計の針を少し戻し10月末でも辛うじて海水浴ができた、ギリシャは(サントリーニ)島の様子をお伝えします。

夏のピークどきを避けた秋の同島は、適度な気温と混み具合で快適、ホテルもお値打ちとよいこと尽くしでした。

現地の気候

ロンドン郊外、ヒースロー空港に次ぐイギリス第2のガトウィック空港より4時間半ほどで到着したサントリーニ島は、想像していたとおり同じ地中海性気候のマルタ島(関連記事)とよく似ていました。

早朝まだ辺りは暗く、その後嵐が到来したという悪天候のイギリスから出発した乗客は、機長によるアナウンスで「現地の気温は26度」と知らされ歓喜に沸きました。

市街のフィラ(Thira)へ向かうバスからは、旅を終えた観光客がリゾートワンピースの裾をはためかせながら、満ち足りた様子で降りてきました。わが家を含め、あちこちで分厚い上着を脱ぐイギリスからの到着客。ロングブーツなど履いていかず、心底よかったと思いました。むしろビーチサンダルが必要なくらいで、実際に買い求めている人を別の日に見かけることになります。

中心地「フィラ」

島での移動に必須なバスは、毎回乗るときにスタッフから現金(フィラ⇄空港間は大人€1.6)で買い求めます。20分ほどして到着したフィラのバスターミナルは、島の“首都”にしてはこぢんまりな気がしましたが、ほかの場所に行くときでも迷うことなくわかりやすいです。

周辺には洋食のほかに中華など、多国籍なレストランや土産店、スーパー、出店まであり人でごった返しています。

トマトがうまい!ギリシャサラダがイチオシ

家族全員腹ペコで、すぐにでも食事をしたかったはずにもかかわらず、子供たちは久々のリゾートホテルの大型プールに大興奮。さっそく水着に着替えて水遊びに興じたので、食事に出る頃には陽も落ちかけていました。

そのおかげで、来るなりすばらしい夕日を見ることができましたが。海を眺めながらのロマンチックな食事は家族連れには懐面でも厳しいので、少し奥まったひっそりとしたレストラン「Ouzeri」に入りました。

海沿いの店が客であふれ返っているのに対し、空席が目だつ同店にかすかな不安を覚えましたが予想に反しこれが大当たり。肉食ばかりのイギリスから来た身としては常にシーフードに飢えているので、さっそくエビのグリルやタコがたっぷり入ったパスタなどを頼みましたが、国を冠した「ギリシャサラダ(The Greek Salad)€8.5」は記念すべき初日の食事としては最高でした。

同店に限らず、概してギリシャのトマトは甘くジューシーで、このサラダに必須のギリシャ名物、フェタチーズとともに、無限に食べられそうです(チーズは重めでキツいですが……)。

サントリーニではロバに乗って移動する「ロバ・タクシー」が観光客に人気ですが、昔からロバは生活に欠かせない動物だったようで、島のマスコットとしてもよく見かけます。

Ouzeriでは、そんなロバがラベルに描かれた地ビール「Yellow Donkey(€8.5)」を試してみました。クラフトビールなのか、エールビール天国のイギリスに住むわれわれには高く感じました(Redは€9.5)が、その分マイルドで飲みやすくおいしかったです!

また、ほかの客に聞かれて「サントリーニには大学も仕事も観光しかないから」などと答えていたスタッフでしたが、料理の分量がわからなかったので尋ねると、「これを止めて代わりにこちらを頼めばよい」などと親切に教えてくれました。

給仕を担当した店員は別のスタッフの息子のようにもみえ、家族経営なのかもしれません。創業15年だという同店の雰囲気はカジュアルで、気さくなサービスと伝統的な郷土料理、手頃な価格で「Good food. Good people. Good times.」というキャッチフレーズのとおりだと思いました。

◼️
Ouzeri
・住所
Fabrika, Fira town, 847 00 Santorini

歩いて行ける隣町「フィロステファニ」

食後は周囲にひしめく土産物屋を冷やかしながら、海岸線に沿っていくらでも歩けてしまいます。途中にある教会や暗闇に沈んだ町並みを眺めながら進むと、15分ほどでフィロステファニ(Firostefani)という別の町へ到着しました。

フィラと似たようなレストラン街と土産店が続きますが、崖沿いのホテルも多く、全体的に高級感が漂っています。

こちらは聖ゲラシモス教会
こちらは聖ゲラシモス教会

広場の中心にあるその名も「フィロステファニ」という教会を、背後から撮るのが必須アングルなようですが、あいにく正面側にいたためそれだと気づきませんでした。

そのままいくらでも歩けるようでしたが、キリがないのでそのままフィラに向かって引き返しました。帰りは下り坂で楽ちん、途中ギリシャヨーグルトのアイスで休憩しました。

Louyo」という店で、味とトッピングを選んだら、計量して分量ごとの値段を支払います。盛り過ぎが怖いですが、私のように「ギリシャ」の文字に誘われた同じような観光客たちが、嬉々として盛んに撮影していました。

このように22時近くでも人通りが多く、比較的安全とされるフィラですが、混雑に乗じて盗みを働くスリがけっこういるそうです。とある土産店にて、蓋がきちんとしまっていなかった私のカバンを見て店員が注意してくれました。買い物天国でもあるフィラ、土産選びに夢中になっているときなど、気をつけてください。

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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