ニューヨークのシンボル、自由の女神。アクセスや楽しみ方と、行く前に知っておきたいその歴史

公開日 : 2022年12月02日
最終更新 :

ニューヨーク旅行で、鉄板の観光スポットといえば「自由の女神」。この像は、自由の国アメリカを象徴し、多種多様な民族・文化を受け入れ、見守ってきた包容力があります。堂々とそびえ立つその姿は威厳にあふれ、見る人の心を揺さぶるでしょう。今回はアメリカを象徴する自由の女神について、アクセス方法などの基本情報から、筆者(ニューヨーク市在住)一押しの見どころ、さらにモニュメントとしての歴史までをご紹介します。

そもそも自由の女神ってなに?

Photo by Hideyuki Tatebayashi

「自由の女神(英語名:Statue of Liberty)」は、イギリスからの独立100周年を記念して、1776年にフランス国民の募金によりアメリカに寄贈されました。自由の女神が右手に掲げる松明は自由への道を照らし、左手に抱えている銘板には独立記念日(1776年7月4日)が刻まれています。女神の足が踏みつけているのは、束縛や暴力からの解放を意味するちぎれた鎖で、すべてが「自由」を象徴しています。1984年に、ユネスコの世界遺産に登録されました。

自由の女神はここにいる!リバティアイランドの基本情報

Photo by Hideyuki Tatebayashi

「リバティアイランド(英語名:Liberty Island)」までは、有料の観光フェリーでマンハッタンから20分ほど。島内への上陸は無料で、自由の女神を見るのに入場料はかかりません。ただし、自由の女神の台座内部を見学する場合はフェリー料金が変わります。台座の内部を見たい場合は“PEDESTAL ACCESS”付きのフェリーチケットを購入しましょう。

※2020年3月以降、感染防止のため女神像の王冠内への入場はできなくなっていましたが、2022年10月より2年半ぶりに入場できるようになりました。

リバティアイランドで何を見るべき?

1.自由の女神の大きさ

リバティアイランドに入島したら、まずは「自由の女神」の大きさを体感してください。地面から掲げた松明までの高さはなんと92.99m。構造にもよりますが、地上25階建ての高層ビルほどの高さです。そう考えると、どれほど大きいかがわかります。下に自由の女神のパーツごとのサイズ一覧を載せますので、ぜひ身近なものと比較してみてください。

自由の女神のサイズ一覧
全体像(地面から松明まで) 92.99m
体重(像全体の重さ) 225t
身長(かかとから頭まで)  33.86m
手の長さ  5.00m
人差し指の長さ 2.44m
頭部の長さ 5.26m
頭の幅 3.05m
目の幅 0.76m
鼻の長さ 1.37m
右腕の長さ(松明を掲げる手) 12.80m
右腕の幅(松明を掲げる手) 3.66m
ウエスト幅 10.67m
口の幅 0.91m
台座 46.94m

<参照> Statue Statistics National Park Service
Statue of Liberty Liberty State Park

2.自由の女神の台座に刻まれた詩

自由の女神の台座(英語名:the pedestal of the Statue of Liberty)には、自由の女神を「移民の母」として表現した、名詩が刻まれています。

自由の女神の台座に刻まれた詩

Give me your tired,
your poor,
Your huddled masses yearning to breathe free,
The wretched refuse of your teeming shore.
Send these,
the homeless,
tempest-tossed to me,
I lift my lamp beside the golden door!”

Emma Lazarus, 1883

疲れ果て、
貧しさにあえぎ、
自由の息吹を求める群衆を、
私に与えたまえ。
人生の高波に揉まれ、拒まれ続ける哀れな人々を。
戻る祖国なく、
動乱に弄ばれた人々を、
私のもとに送りたまえ。
私は希望の灯を掲げて照らそう、
自由の国はここなのだと。

エマ・ラザラス(意訳 青山沙羅)

©Pixabay

自由の女神が左手に抱えている銘板には、アメリカの独立記念日である「1776年7月4日」が刻まれています。

3.自由の女神博物館

時間があれば、2019年にオープンした「自由の女神博物館(英語名:Statue of Liberty Museum)」へどうぞ。自由の女神の歴史や意義について知ることができ、オリジナルの松明や等身大の顔や足を間近で見られます。自由の女神の顔(レプリカ)に触れることもできますよ。
入館料はフェリー代に含まれているため、無料です。

近くにはサンドイッチやハンバーガーなどの軽食が食べられるクラウン・カフェや、自由の女神グッズが買えるおみやげ屋さんもあります。

自由の女神博物館

クラウン・カフェ(英語名:Crown Cafe)

自由の女神ミュージアムショップ(英語名:Statue of Liberty Museum Shop )

以上3つが筆者一押しの見どころですが、時間が許せば、移民の歴史に触れられるエリスアイランドの移民博物館もオススメ。エリスアイランドへの乗船料は、リバティアイランド行きの観光フェリー乗船料に含まれています。

エリスアイランド移民博物館(英語名:Ellis Island National Museum of Immigration)

自由の女神へはどうやっていくの?

じっくり見たいあなたは、有料の観光フェリーで上陸しよう!

Photo by Hideyuki Tatebayashi

自由の女神は、ニューヨーク市とニュージャージー州の間の「リバティアイランド(英語名:Liberty Island)」にあります。リバティアイランドへ上陸するためには、有料の観光フェリーに乗船します。観光フェリー乗り場は、マンハッタン最南端のバッテリー・パーク(Battery Park)にあります。バッテリー・パークへは、ミッドタウンから地下鉄に乗った場合、乗車時間10〜15分ほどで到着します。ニュージャージー州から乗船するコースもあります。
チケットは、オンラインで購入することができます。現地のチケット窓口で購入することも可能ですが、時期によっては長蛇の列になりますので、事前に購入しておいたほうがよいでしょう。

リバティアイランド行きの観光フェリー乗り場 バッテリー・パーク(英語名:Battery Park)

住所
1 Battery Place, New York, NY 10004
アクセス
地下鉄(MTA) 4または5ライン(緑のライン)の場合 “ボウリング・グリーン(Bowling Green)”下車
地下鉄(MTA) Rライン(黄のライン)の場合 “ホワイトホール・ストリート(Whitehall Street)” 下車
地下鉄(MTA) 1ライン(赤のライン)の場合 “サウス・フェリー(South Ferry)” 下車
注意
進行方向前方の車両に乗ってください。ホームが短いので、後方車両はホームに降車不可。

観光フェリー(Statue City Cruises)

乗船料
自由の女神見学のみの場合は往復24ドル
台座も見学する場合は往復24.30ドル
※詳細は以下ページにてご確認ください。
https://www.nps.gov/stli/planyourvisit/fees.htm
乗船スケジュール
下記にてご確認ください(季節や天候により変更あり)
https://www.cityexperiences.com/new-york/city-cruises/statue/departure-schedule/

サクッと見たいあなたは、無料フェリーを活用しよう!

Photo by Hideyuki Tatebayashi

自由の女神は見たいけど、時間が取れない、節約したい……という方におすすめなのが、スタテンアイランド(Staten Island)とマンハッタンを行き来する通勤・通学用フェリー。このフェリーに乗れば、自由の女神を無料で鑑賞することができます。像の前を通りすぎるだけではありますが、想像以上にはっきり見られます。

こちらのフェリーは、リバティアイランド行き有料観光フェリーとは乗り場が異なりますので、間違えないようにご注意を。乗り場には、大きくスタテンアイランド・フェリー(Staten Island Ferry)の文字が出ています。チケットは必要なく、列に並んで出発時間を待てばOK。乗船時間は約30分、川風に吹かれながら気持ち良く、無料でクルーズが楽しめます。

スタテンアイランド行きの無料フェリー乗り場 

住所
4 Whitehall St, New York, NY 10004
アクセス
地下鉄(MTA) 4または5ライン(緑のライン)の場合 “ボウリング・グリーン(Bowling Green)”下車
地下鉄(MTA) Rライン(黄のライン)の場合 “ホワイトホール・ストリート(Whitehall Street)” 下車
地下鉄(MTA) 1ライン(赤のライン)の場合 “サウス・フェリー(South Ferry)” 下車
注意
進行方向前方の車両に乗ってください。ホームが短いので、後方車両はホームに降車不可。
公式サイト
https://www.siferry.com
スタテンアイランド(Staten Island)行き通勤・通学フェリー乗り場
Photo by Hideyuki Tatebayashi スタテンアイランド(Staten Island)行き通勤・通学フェリー乗り場

乗船料は無料ですので、周囲で声をかけてくる客引きは相手にしないようにしましょう。

Photo by Hideyuki Tatebayashi

フェリーに乗船したら摩天楼を後にして、スタテンアイランドへ向かいます。少し進んだら振り向いて、摩天楼の写真を撮っておきましょう。スタテンアイランドからマンハッタンへ戻る時は、摩天楼が迎えてくれますよ。

観光客がスマートフォンで自由の女神を撮影する様子
Photo by Hideyuki Tatebayashi 観光客がスマートフォンで自由の女神を撮影する様子

スタテンアイランド行きフェリーは無料で自由の女神が見られるため、観光客にとても人気です。自由の女神は進行方向右側に見えますので、乗船したら急いで場所を確保することをおすすめします。

Photo by Hideyuki Tatebayashi

フェリーから見た、自由の女神。これだけ見えれば立派なものだと思いませんか。筆者はこの無料フェリーが大好きで、夏になるとよく乗船し、自由の女神や摩天楼鑑賞を楽しんでいます。

まとめ

初めて自由の女神を見るあなたはリバティアイランド行き有料観光フェリーで上陸、ニューヨーク旅行リピーターのあなたはスタテンアイランド行きの無料フェリーでサクッと見るのがよいかもしれませんね。アメリカの象徴として堂々とそびえ立つ自由の女神。その姿は、どんなときも人々を暖かく見守ってくれているかのようです。自由の女神の大きな懐に抱かれたくなったら、ぜひニューヨークへいらしてくださいね。お待ちしています!


TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
PHOTO:Hideyuki Tatebayashi *Do not use images without permission.
監修:地球の歩き方

※こちらの記事は2022/12/2のものです。最新情報は必ず各自でご確認ください。

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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