
パリのエスプリ感じられる、素敵な隠れ家カフェ
カフェは人が集い、語り、創造が生まれる場所。人と出会う場所。
おしゃべりすることがなにより好きなパリジャンにとって、おいしいコーヒーは欠かせません。星の数ほどカフェがあると言われるパリにおいて、居心地の良いお店を見つけられたら、我が家に帰ってきたような安心感があるでしょう。パリジェンヌも足繁く通う、素敵な隠れ家カフェをご紹介します。
文化の左岸で文豪に思いを馳せるCafé d’autour(カフェ ドトゥー)

「パリ」「カフェ」という言葉から、多くの人が思い描くのがこのサン=ジェルマン地区でしょう。
美しいセーヌ河岸の景色、路上音楽家、どこか素敵なところへ連れて行ってくれそうな石畳の路地など、思い描く「パリ」をそのまま感じられる地区です。
おすすめのカフェは一見、賑やかな表通りからは想像もできない落ち着いた小さな通りにあります。

このつばめ通りに150年の歴史ある、芸術家たちに愛されてきたバーl'Hirondelle(イロンデル)があります。
店内の壁には、ここでアブサン片手に語り合ったという作家たちの名前が彫られています。

このバーが昼の間だけ営業しているのがCafé D'autour(カフェ ドトゥー)です。
オーナーのヤダさんが手がけるブレンドコーヒーには、この地に敬意を表し、作家名がつけられています。例えば、シャルル・ブコウスキー、ニナ・シモーン、セルジュ・ゲーンズブール、モンテスキューなど。それぞれの作品や時代背景から香りや味を想像し、ブレンドされているそう。


古き良き時代の名残を残す店内で、こだわりのコーヒーを。訪れる人によってさまざまな想いがめぐることでしょう。
- 店名
- Café D'autour(カフェ ドトゥー)
- 最寄のメトロ(地下鉄)駅
- 10番線Cluny La Sorbonne または4、10番線のOdéon。シテ島から徒歩可。
- 住所
- 25 rue de l'hirondelle 75006
- 営業時間
- 火・木・土 8:00〜17:00、金 8:00〜16:00、日 14:00〜19:00。バー「l'Hirondelle (イロンデル)」は18:00〜翌2:00まで
- 定休日
- 月、水
ルーブル美術館裏の歴史ある名店、Café Verlet(カフェ ベルレ )

1880年からの伝統あるこちらはパリジャンにも愛されてきた正統派カフェ。店内は、常30種類はあるというコーヒー豆を焙煎する香りで包まれ、20世紀初頭を彷彿とさせるクラシカルな調度品にも癒されます。パリの5つ星ホテルや古き良きビストロもこちらのコーヒーを取り扱いがあり、品質の高さがうかがえます。
店内では昔ながらのFruits confits(フリュイ・コンフィ/果物の砂糖漬け)に加えカール・マルレッティ氏のガトーなど、見た目も麗しい繊細なデザートがいただけます。

分厚いメニュー表からさまざまな産地のコーヒーを選ぶことができ、その中から店員さんにおすすめを聞くのも楽しみのひとつ。観光やショッピングの中心地にありながら、おいしいコーヒーの飲める貴重な存在です。
こちらではたっぷり二杯分楽しめる、カフェティエールでの注文がおすすめです。カフェティエールとはコーヒーを淹れるコーヒーポットの事で、こちらの店では伝統ある陶器のカフェティエールで淹れたコーヒーを香りを逃さず楽しめます。また初夏には選び抜かれた希少なアラビカコーヒーも登場します。見かけた際はぜひ味わってみてください。


- 店名
- Café Verlet(カフェ ベルレ)
- 最寄のメトロ(地下鉄)駅
- 1、7番線のPalais Royal - Musée du Louvreより徒歩3分
- 住所
- 256 Rue Saint-Honoré, 75001
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 定休日
- 日
絶景の庭園Maison de Balzac(カフェ メゾンドバルザック)

エッフェル塔を望むレストランやカフェはどこも敷居が高いもの。ですがバルザック記念館に併設されているこちらのカフェは、エッフェル塔を目の前に自分の庭のようにくつろぐことができます。
バルザック記念館(メゾンドバルザック)は、フランスの小説家オノレ・ド・バルザックのかつての邸宅を記念館として公開、展示を行っています。ここで彼は一日に50杯ものコーヒーを飲みながら執筆していたのだそう。館内では机や椅子など当時の様子がうかがえる、さまざまな展示品が見られます。


オーガニックカフェとして有名な「ローズベーカリー」が運営するこちらのカフェでは、モンマルトル店と同じヘルシーなデリはもちろん、人気のキャロットケーキやバナナブレッド、スコーンもいただけます。



- 店名
- MAISON DE BALZAC(メゾン ド バルザック)
- 最寄のメトロ(地下鉄)駅
- 6番線 Passyまたは9番線La Muette
- 最寄のRER線駅
- BoulainvilliersまたはRadio France
- バス
- 32, 50, 70, 72番線
- 住所
- 47, rue Raynouard 75016 Paris
- 営業時間
- 火~日10:00~18:00
- 定休日
- 月
庭園カフェがお好きな方には同じローズベーカリーが運営する、パリ市立ロマン主義博物館の庭園カフェもおすすめです。こちらも博物館併設のため、落ち着いて過ごすことができます。カフェのみの利用も可能。

- 店名
- サロン・ド・テ(パリ市立ロマン主義博物館内)
- 最寄のメトロ(地下鉄)駅
- 12、2番線Pigalleより徒歩8分
- 住所
- 16 Rue Chaptal, 75009 Paris
- 営業時間
- 火~日10:00~18:00
- 定休日
- 月
パリで最初のコーヒーショップ、Caféotheque(カフェオテック)

パリで最初にシングルオリジンを提供したのがこちら、元グアテマラ大使の女性が開いたコーヒー店、Caféotheque(カフェオテック)です。
選び抜いた産地から取り寄せた焙煎前の生豆を、店内で直火式焙煎をしており、豆を焙煎する芳しい香りが店内にたちこめます。コーヒーにこだわりのあるパリジャンなら知らない人はいない有名店で、自宅用に購入する際はフィルター、フレンチプレスなどお使いのコーヒーマシンに合わせて豆を引いてくれます。

併設のカフェには芸術家の多いマレ地区にあり、音楽家、画家などさまざまな芸術家が集います。
広い店内はいくつかのサロンに分かれており、インテリアと雰囲気も異なります。この自分の居心地よく過ごせる空間を見つけてもらえるようにという配慮も、人が集まる理由のひとつ。


週末はプロのジャズバンドの演奏が行われ、壁には常時新進気鋭の芸術家の作品が並ぶ、まさに文化発信地。コーヒー好きなパリジャンなら必ず一度は訪れているといわれるのも納得です。

- 店名
- La Caféothèque(カフェオテック)
- 最寄のメトロ(地下鉄)駅
- 7番線Pont Marieより徒歩1分、または1、11番線Hôtel de villeより徒歩5分
- 住所
- 52 Rue de l'Hôtel de ville, 75004 Paris, France
- 営業時間
- 9:00~19:00
- 定休日
- 無し
美味しいコーヒーは人の気持ちをほぐし、会話を生む大切な要素。ご紹介したカフェは、ひとりでも家族でも気軽に入れ、店主のこだわりの詰まった居心地良い店内で、ゆっくり時間を過ごす人と打ち解けあえるのが魅力です。ひとりでふらりと入ったカフェで、隣にいる方と話が弾む、なんてこともパリならでは。
ぜひパリで美味しいコーヒーを味わってください。きっと忘れられない出会いがあるはずです。
監修:地球の歩き方

筆者
フランス特派員
HIROMI
2018年より在仏。フランスにて妊娠、出産を経て現在子育て中。
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