ハワイで食べるべき定番グルメ&スイーツとロコが愛する名店を紹介

公開日 : 2022年12月12日
最終更新 :
筆者 : Maui Hara

その土地の食を味わうことは、その土地の歴史を知ること、というのはいうまでもありません。太平洋の楽園であるハワイには、世界中からやってきた移民たちのエッセンスが詰め込まれ、独自に進化したおもしろいグルメがたくさんあります。今回は、そんなハワイの定番グルメ&スイーツについてご紹介します。

つまみにも主食にもなる日本人好みの味/ポケ

カパフル通りの人気店「オノ・シーフード」のポケ・ボウル
カパフル通りの人気店「オノ・シーフード」のポケ・ボウル

ポケは、「スライスする、切り分ける」という意味のハワイ語で、簡単にいうとハワイ風の刺身のようなもの。マグロやサーモンといった生の魚のぶつ切りと海藻やタマネギを醤油やゴマ油であえた料理です。

古代ハワイでは、塩、海藻、ククイナッツ(ハワイの州木ククイの実や種から採れるオイル)というシンプルな味付けでしたが、日本人や中国人の移民により醤油やゴマ油が持ち込まれるようになってから、現在のスタイルになったといわれています。

ハワイのマーケットでは、量り売りで販売されており、スパイシーなものや独自の味付けで他店と差別化を図るものまで、バラエティ豊富。アルコールのお供にもぴったりです。また白飯と一緒に提供される丼形式の「ポケ・ボウル」はレストランやカフェでの人気メニュー。

和洋折衷B級グルメの王様/スパムむすび

「スパムむすび」の専門店「むすびカフェ いやすめ」
「スパムむすび」の専門店「むすびカフェ いやすめ」

全米で個人のスパム缶の消費量が最も多いといわれているハワイ。そんなスパムを俵型のおむすびにのせ、海苔で巻いたのが「スパムむすび」です。第2次大戦後、ハワイ在住の日系アメリカ人によって考案されたハワイのB級グルメの王様。ランチはもちろん小腹が空いたときのおやつにと、地元の人々からも愛されています。

ハワイではABCストアといったコンビニやスーパーなどで購入でき、スパムの代わりに揚げ物や玉子焼きを巻いたものなど、こちらも種類豊富。スパムの塩気とご飯との相性が抜群で、日本人好みの味です。ハワイ滞在中は、どうしても油っこいものを食べがち。胃が疲れてしまったときに食べるとほっと落ち着きますよ。

ちなみに、なぜ「スパムにぎり」ではなく「スパムむすび」なのかというと、「東日本ではおにぎり、西日本ではおむすびと呼んでおり、明治時代に日本から移民としてハワイへ訪れた日本人の多くが西日本の人々だった」や「三角型をおにぎり、俵型をおむすびと呼んでいた」など諸説あるようです。

ニンニク×エビのハーモーニーに虜/ガーリックシュリンプ

「ジョバンニズ」のガーリックシュリンプ
「ジョバンニズ」のガーリックシュリンプ

たっぷりのガーリックとバターを、プリプリのエビと一緒に炒めたのが「ガーリックシュリンプ」。オアフ島ノース・ショアにあるエビの養殖地カフクが発祥の地です。カフクは小さな町ですが、フードトラックで「ガーリックシュリンプ」をはじめさまざまな料理を販売したことで人気に火がつきました。

「ガーリックシュリンプ」の名店といえば「ジョバンニズ・シュリンプ・トラック」。ノース・ショアの名物グルメとして知られ、フレッシュなエビと濃い味付けに魅了されるファンがあとを絶たちません。最近ではホノルルエリアでも食べられるようになりましたが、ノース・ショアまで足を運んで食べる「ガーリックシュリンプ」はまた格別です。

ハワイが生んだ傑作ローカルフード/ロコモコ

「レインボー・ドライブイン」のロコモコプレート
「レインボー・ドライブイン」のロコモコプレート

ハワイで最も有名なローカルグルメといえるのが「ロコモコ」かもしれません。お皿に盛ったご飯の上に、ハンバーガーパテと半熟の目玉焼きがのり、たっぷりとグレービーソースがかけられているのが一般的。目玉焼きとパテをぐしゃっと混ぜ合わせて食べるのがロコ流です。

「ロコモコ」の発祥は、ハワイ島ヒロにある「リンカーングリル」。お腹を空かせた若者に、残りもので満腹になる料理を振る舞ったのが始まりといわれています。現在ではハワイのファミレスの定番料理としてメニューに名前を連ねるほか、素材にこだわりパテの代わりにステーキを使うなど、グルメな「ロコモコ」を提供するお店も増えています。

素朴な味わいが五臓六腑に染み渡る/サイミン

サイミンの有名店「シゲズ・サイミン・スタンド」
サイミンの有名店「シゲズ・サイミン・スタンド」

ハワイで最も有名なローカルフードが「ロコモコ」なら、逆にあまり馴染みがないのが「サイミン」ではないでしょうか。「サイミン」とは干しエビや醤油ベースのだしに、ネギ、錦糸玉子などの具がのり、細いちぢれ麺が入ったラーメンに似た料理。スープは薄味でさっぱりしたものが多く、疲れた胃にやさしい味わい……といった感じ。ロコの中にはこれに辛子醤油を合わせたり、サブオーダーでハンバーガーやBBQスティックをサイミンのスープにディップしたりして食べる人もいます。

サイミンの起源についてはよくわかっていませんが、プランテーション時代の移民たちが農作業の合間に食べていたソウルフードで、故郷のラーメンを恋しく思い似せて作ったものという説もあるのだそう。和風のだしに麺を茹で、残った具材を入れるだけで食べられるサイミンは、忙しい農作業の合間に食べるのに最適だったのかもしれません。

シゲズ・サイミン・スタンド

住所
70 Kukui St, Wahiawa, HI, United States, Hawaii
営業時間
10:00〜22:00(日、月曜休み)
電話番号
808-621-3621

揚げたてをその場でほおばって!/マラサダ

「レナーズ・ベーカリー」のあつあつマラサダ
「レナーズ・ベーカリー」のあつあつマラサダ

ロコたちの定番おやつといえば、「マラサダ」は欠かせないでしょう。たっぷりの砂糖をまぶした、いわゆる「揚げパン」。揚げたてはふんわり感がありながらももっちりとした弾力があり、大人も子供も大好きなスイーツです。カパフル通り沿いにある老舗の「レナーズ・ベーカリー」などは常に行列ができるほど賑わっています。

そんな観光客にも大人気のマラサダですが、元はポルトガルの伝統的なおやつ。一つひとつ手作業で揚げていくため、形がそれぞれ異なる「不揃いな」という意味のポルトガル語がつきました。ハワイではポルトガルからの移民によって持ち込まれ、先述の「レナーズ・ベーカリー」のような「マラサダ」を販売するベーカリーが増えたことでハワイ全土に広がっていったのです。

暑いハワイで食べるとよりおいしい/シェイブアイス

「マツモト・シェイブアイス」のレインボーシェイブアイス
「マツモト・シェイブアイス」のレインボーシェイブアイス

厳しい炎天下の中、日系移民が農作業の合間に乾いた喉を潤したハワイ版かき氷。赤、青、黄色などカラフルなシロップをめいっぱいかけてくれるシェイブアイスは、きめ細かいパウダースノーが特徴です。口の中に入れたとたんジュワッと溶けるまろやかな口あたりは一度食べたらやみつきになります。

シェイブアイスの有名店といえばノース・ショアにある「マツモト・シェイブアイス」。元は食料雑貨店として営業をスタートし、サービスとして提供したアイスが大ヒットしました。モチや小豆といったユニークなトッピングがあるのも人気の理由のひとつです。

最近では果物から作っている自家製シロップを使ったシェイブアイスなどヘルシー路線の店も増えてきています。

年々進化を遂げるヘルシースイーツ/アサイボウル

「ダ・コーブ・ヘルス・バー」の「アサイボウル」
「ダ・コーブ・ヘルス・バー」の「アサイボウル」

ハワイのスイーツとして最もポピュラーなのが「アサイボウル」ではないでしょうか。アサイをペースト状にしたものに、フレッシュなフルーツ、グラノーラ、はちみつなどをかけていただくヘルシーなスイーツです。

アサイというフルーツの原産はブラジルのアマゾン。ヤシ科の植物で、ブルーベリーのような果実をつけています。スーパーフルーツともいわれ、アンチエイジング効果のある抗酸化作用を多く含むなど、日本でも大きく注目されました。

「アイランド・ヴィンテージ・コーヒー」の「カカオモアナボウル」
「アイランド・ヴィンテージ・コーヒー」の「カカオモアナボウル」

ハワイでは朝食代わりに食べることが多く、特に健康志向の女性や若者に人気。アサイペースト自体にあまり味はしないのですが、そこにフレッシュなフルーツやはちみつ、グラノーラを加えて食べやすくアレンジした「アイランド・ヴィンテージ・コーヒー」のアサイボウルが登場し、ハワイ各地にブームが広がっていきました。ちなみにハワイでアサイボウルをはじめに提供したのは、モンサラット通りにある「ダ・コーブ・ヘルス・バー&カフェ」という説が有力です。

近年ではアサイだけではなく、ドラゴンフルーツを使用した「ピタヤボウル」や「スムージーボウル」も人気で、ハワイのカフェメニューの定番になりつつあります。

ブームから定番人気になった鉄板メニュー/パンケーキ

「エッグスン・シングス」のパンケーキ
「エッグスン・シングス」のパンケーキ

最後にご紹介するスイーツは、言わずと知れた朝食の定番、「パンケーキ」。もともとハワイでは昔から朝食メニューの定番でしたが、盛り盛りのクリームにたっぷりフルーツがどん!とのったハワイアンな「パンケーキ」がトレンドになったのは、1974年に誕生した朝食の人気店「エッグスン・シングス」がきっかけといっていいでしょう。

モチモチのパンケーキ生地にシロップをかけ、大ボリュームなクリームをほおばるあの瞬間は、何にも代えがたい幸せなひととき。インパクト大な見た目とおいしさに老若男女から愛される大人気スイーツになりました。

「カフェ・カイラ」の「全部のせバターミルクパンケーキ」
「カフェ・カイラ」の「全部のせバターミルクパンケーキ」

今ではブームから定番のスイーツになった「パンケーキ」ですが、「エッグスン・シングス」のようなクリーム&フルーツたっぷり系、フルーツシロップがしっかりかかったソース系、日本でも人気のふわふわスフレ系の3ジャンルに分けられます。ぜひお気に入りのパンケーキを探してみてくださいね。

エッグスン・シングス サラトガ通り本店

住所
339 Saratoga Road, Honolulu, Hawaii 96815
営業時間
7:00〜14:00 年中無休
電話番号
808- 923-3447

ひと口にハワイのローカルグルメ&スイーツといっても多種多様。次回のハワイ滞在の際は、ロコたちと交ざってハワイで進化を遂げた料理やスイーツを味わってみてはいかがでしょうか。

監修:地球の歩き方

筆者

地球の歩き方編集

Maui Hara

制作会社オフィス・オハナの編集者・ライター。「地球の歩き方」ハワイⅠ、グアムをおもに担当する。ハワイ渡航歴は約30年。ハワイのダイナーで提供されるうっすいコーヒーが大好き。ハワイのマイベストグルメは「ニュー・ヒュン・ジェ・コリアンレストラン」のアンチャン。

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