ニューヨークのコト、どれくらい知ってる?場所や街の特徴、歴史を現地在住日本人が解説!
アメリカ最大の都市、ニューヨーク。地名を耳にしたことがあっても、具体的にアメリカのどこにあるのか、何が有名なのか、知らない方も多いかもしれません。そこで、今さら聞けない「ニューヨークってどんな街?」について、ニューヨーク市在住の日本人がわかりやすくご説明します。
ニューヨークって、どこにある?
ニューヨークというと、観光スポットのタイムズスクエアやブロードウェイ、エンパイア・ステート・ビルなどをイメージする方が多いでしょう。これらは、ニューヨーク州ニューヨーク市の5つの行政区のうちのひとつ、マンハッタン区の中にあります。
そのニューヨーク州はどこにあるかというと、上の画像の赤い州で、アメリカの東海岸に位置しています。北はカナダ、東はニューハンプシャー州とマサチューセッツ州、バーモント州など、南はペンシルバニア州やニュージャージー州に隣接しています。
ニューヨーク市にはジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)があります。日本の成田空港または羽田空港からは直行便が出ており、約13時間で着くことができます。
こちらの記事では、ニューヨーク=ニューヨーク市として説明していきます。
何が有名?
ニューヨークの有名なスポットをいくつか挙げてみました。聞いたことがある場所はいくつあるでしょうか。思っているより、知っている場所があるかもしれませんね。
- 自由の女神
- タイムズスクエア
- ブロードウェイ(ミュージカル)
- 摩天楼(高層ビル群)
- エンパイア・ステート・ビル
- ワールド・トレード・センター
- ウォール・ストリート(世界の経済における中心地)
- 5番街(高級ブランドのショッピング)
- ロックフェラー・センター
- カーネギー・ホール
- リンカーン・センター
- ジュリアード音楽院
- メトロポリタン美術館
- セントラルパーク
- ヤンキースタジアム
- マディソン・スクエア・ガーデン
- コロンビア大学
- ニューヨーク大学
- 国連本部
ニューヨークの歴史
もともとはアメリカ先住民(ネイティブ・アメリカン)が住んでいた緑が豊かに茂るマンハッタン島(ニューヨーク市)を、17世紀(1609年)にオランダの「東インド会社」に雇われたイギリスの探検家ヘンリー・ハドソンが偶然発見しました。マンハッタンの語源は、アメリカ先住民レナペ族の言葉で「多くの丘がある島」の意味を持つ「マンナハッタ(Mannahatta)」であると言われています。
ヘンリー・ハドソンがたどり着いたマンハッタン島の西側を流れる川は、ハドソン・リバー(Hudson River)と名付けられ、オランダ人が入植し、開拓されていきました。1626年、オランダ人は土地を所有するという概念がなかったアメリカ先住民から、60ギルダー(現在の24ドル相当)というタダ同然の価格でマンハッタン島を買い取った(だまし取った)のです。
その後、オランダ領として「ニューアムステルダム」(アムステルダムはオランダの首都)と呼ばれ、当時ヨーロッパで需要が高かったビーバーなどの毛皮貿易が栄えました。1664年にイギリスの占領下となり、今度はヨーク公の名前からとって「ニューヨーク」に改名。支配する国が異なっても、常に「ニュー」を冠せられたニューヨークは、新しい流れを受け入れる柔軟性がありました。
イギリスとの独立戦争を経て、1776年7月4日、アメリカはイギリスからの独立宣言を行い、1785年〜1790年にはニューヨーク市がアメリカ合衆国の最初の首都になりました(現在の首都はワシントンD.C.)。ニューヨーク市は多くの移民を受け入れ続け、1886年にはフランスから「自由の女神」が贈られ、リバティ・アイランドに設置されました。
自由の女神については、以下の記事で詳しくまとめています。ぜひ、合わせてご覧ください。
人種や言語、気候、時差について
ニューヨークってどのくらい広い?
ニューヨーク市の大きさは約790平方キロメートル(305スクエアマイル)。
東京都は2194平方キロメートルなので、ニューヨーク市は約1/3の広さです。比べてみると意外と狭いことがわかります。
ニューヨークの人口は?
2020年のニューヨーク市国勢調査によると、人口は880万4190人です。
東京都の人口1398万8129人に対して、ニューヨーク市は約6割。ニューヨーク市は各国から人がやってきては去っていく街で、出入りが激しいことが特徴です。
また、ニューヨーク市では女性の人口が男性よりも40万人近く多いので、女性が恋人を見つける難易度が高い街とも言われています。
どんな人が住んでいるの?
ニューヨーク市の人種構成は以下のとおりです。
- 白人 30.9%
- ラテン系(ヒスパニック)28.3%
- アフリカ系 20.2%
- アジア系 15.6%
- その他 5%
(2020年ニューヨーク市国勢調査)
ニューヨーク市の人種構成は常に変動していて、現代の傾向としてラテン系、アジア系(主に中国人)が増加。反対に白人、アフリカ系、日本人は減少傾向にあります。
何語が話されているの?
ニューヨーク市では英語が共通言語となりますが、そのほかにも200以上の言語が話されています。スパニッシュ系、中国系の人口増加に伴い、スペイン語、中国語も多く使われています。
ニューヨークの気候は?
春(4月〜5月)は短いですが、マグノリアやチューリップが一斉に花開き、優しい表情のニューヨークを見ることができます。ただし、4月はまだ寒く、冬の延長で雪が降ることもあります。
夏(6月〜8月)は蒸し暑く、最高気温は34℃以上まで上がります。夜は20時半頃まで明るいので1日を目いっぱい使えます。
秋(9月〜10月)は最も過ごしやすい季節で、気温は10℃〜20℃くらいです。しかし10月に入ってしばらくすると気温が下がり、10月末になると夜には暖房を入れなければ過ごせないほど寒くなります。
冬(11月〜3月または4月)は長く、雪が降り、最低気温はマイナス20℃近くまで下がることもあります。気温差が激しく、1日で20℃近く上下することもあるので、気温に合わせて脱ぎ着できる服装にしたほうがよいでしょう。
ニューヨークは、日本でいうと青森県とほぼ同じ緯度です。夏でも、地下鉄やバスなどの交通機関やレストラン内は冷房が強めに効いているので、薄手のウィンドブレーカーやカーディガン、ストールなどを携帯すると安心です。また、5月と11月は比較的雨が多いので、折り畳み傘を持っておくとよいでしょう。
日本とニューヨークの時差は?
日本とニューヨークの時差は14時間。サマータイム(夏時間。3月第2日曜日~11月第1日曜日まで)では13時間の時差です。日本の方が半日ほど早く進んでおり、昼夜が逆です。電話を利用する場合は時間帯に気をつけましょう。
交通機関は?
ニューヨーク市の代表的な交通機関は、地下鉄、バス、郊外電車(ロングアイランド、メトロノースほか)、フェリー(マンハッタン〜スタテンアイランド間、ウォーターウェイほか)、Uber(配車アプリを使った個人タクシーサービス)、タクシーなど。
いずれも渋滞や遅延が日常茶飯事なので、ニューヨーク市で最も正確な交通手段は徒歩といえるでしょう。碁盤の目のようにわかりやすく区画整理されていますので、数ブロックの距離なら歩くことをおすすめします。ニューヨークでは足腰が鍛えられますよ。
まとめ
全米最大都市であるニューヨーク市は、世界中の民族が集まると言われ、多様な文化や異なる価値観を受け入れる柔軟性が大きな魅力といえます。ニューヨークへ旅行する際は、ありのままの自分を受け入れてくれる雰囲気を存分に味わってくださいね。お待ちしています!
TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
PHOTO:Hideyuki Tatebayashi *Do not use images without permission.
監修:地球の歩き方
参照
NYC GOV 2020 Census Results:
https://www1.nyc.gov/site/planning/planning-level/nyc-population/2020-census.page
ニューヨーク今昔物語 2009年9月号 ナショナル ジオグラフィック日本版:
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0909/feature04/
2020年ニューヨーク市国勢調査:
https://www1.nyc.gov/site/planning/planning-level/nyc-population/2020-census.page
筆者
アメリカ・ニューヨーク特派員
青山 沙羅
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。
【記載内容について】
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