ニュージーランド・ミルフォードトラック縦走の装備と準備

公開日 : 2023年02月12日
最終更新 :

ニュージーランドで一番人気の縦走ハイキングトレイルのミルフォード・トラックから帰ってきました。2年前から計画して、同行の皆さんとガイドに助けられて踏破できました。少しでも参考にしていただければ嬉しいです。
トレールの地図はこちらを参照ください。

ニュージーランドの人気ハイキングトレイルは、ニュージーランドの環境保護省(Department Of Conservation, DOC)が管理していて、ハイキングするには事前に許可証の入手が必要です。キャンプ場もDOC経由で予約ができます。ニュージーランドでは、ハイキングのことをトランピング(Tramping)と呼んでいます。トランピングの起点はQueenstown(ZQN)または、Te Anauです。

トランピングへの申し込みと山小屋の確保

トレールの受付開始日は、3月後半にこのページで公表されます。実際の申し込みは、先着順ですので注意してください。

申し込みは、こちらからお願いします。

Milford TrackやRouteburn Trackなど有名な縦走トレールは、DOC運営の山小屋の他に、ツアー会社が運営する山小屋があり、そちらに申し込んで歩く事もできます。
Milford Trackは、Ultimate Hikesと言う旅行会社がツアーを開催しています。
2つのハイキングの大まかな比較です。

大区分 DOC山小屋利用 Ultimate Hikesツアー
申し込み先 DOCウエブサイト Ultimate Hikesサイト
申し込み開始日 3月末に公表 随時可能
ガイド ガイド無し 4名のガイド(運が良ければ日本人ガイド)
山小屋 DOC管理の山小屋 UH専用のロッジ
ベッド 2段ベッド、寝袋持参 寝具付き。風呂付の個室もあり
食事 食料持参、小屋でのキッチン利用可能 3食付き(豪華)
ランチ 自分で準備 ランチ場所では暖かいコーヒなど飲み物提供
電気 照明はあるが、充電に利用できるかは不明 7時ー22時まで充電可能
洗濯 手洗い、自然乾燥 手洗い、強力乾燥室あり
前後の送迎 自力で手配(*1) Queenstown(ZQN),Te Anauからの送迎バス付
到着後 自力で交通手段確保必要(*1) Milford Soundに宿泊、翌日At Anau,ZQNに送迎
MilfordSound クルーズは別途予約必要(*2) 5日目の午前にクルーズ含む
金額 $330NZD($110/泊・人) $2,495NZDから(*3)

(*1) 出発はTe Anau Downs。帰着はMilford Sound。そこまで/そこから当日の宿まではバスなどの予約が必要。
(*2) TeAnau、またはZQN発のクルーズツアーの予約が必要。Milford Soundのホテルに宿泊も可能。($400NZD位)
(*3) NZD為替レートはこちら

  • Ultimate Hikesのロッジの寝室

    Ultimate Hikesのロッジの寝室

  • DOC Hutの寝室

    DOC Hutの寝室

  • DOC Hutのキッチン

    DOC Hutのキッチン

Ultimate Hikesツアー

始めは、DOCの山小屋利用の縦走を計画していたのですが、不覚にも申し込み開始日を間違えて、気が付いたときは既に満員でした。希望の日に空きが有ったのでUltimste Hikesのツアーに申し込んだのですが、結果から言えば高齢の私には大正解だったと思います。良かったことを挙げると。
1.食料、寝袋の持参が不要で、大幅な荷物の軽減。今回圧縮袋を利用したこともあり、今考えると不要な装備を含めても30LのBackpackで大丈夫でした。
2.山の中とは思えない、豪華な食事。ステーキとかラムのローストとか食べられました。ランチも朝それぞれサンドイッチ作れました。体力回復に大きく寄与してくれたと思います。
3.洗濯室、乾燥室が有って、その日汗かいた衣服は、トレッキングズボンを含め洗濯が可能でした。予備の服装は洗濯乾燥中に着る一組で十分です。
4.電子機器の充電が可能で、予備の電池を持っていかなくて済んで軽量になりました。
5.Milford Soundでの宿泊(約$400)とツアー(約$170)が含まれており、ZQN往復の時間を含め節約出来ました。
6.最後の宿泊地のMilford Soundのロッジには、別送品が送れて、重いデジイチなどは持ち歩かなくてすんで良かったです。

  • 2泊目のロッジ

    2泊目のロッジ

  • 洗濯室

    洗濯室

  • 乾燥室

    乾燥室

  • 共有シャワー室

    共有シャワー室

  • 共有トイレ

    共有トイレ

  • 豪華な食事

    豪華な食事

トランピングに必要な装備例(バックパックの中)

番号 装備 メモ
1 BackPack Gregory ZULU30(30L)ハイドレーションパック付き
2 Trekking Pole 長さ調節可能、折り畳み式、カーボン
3 圧縮防水袋 SEATOSUMMIT、サイズM衣服圧縮収納
4 小物入れ袋 食料入れなど
5 トイレットペーパ 非常用、ZipLocに収納
6 雨具(上着) ゴアテックス、防寒具兼用
7 雨具(ズボン) ゴアテックス、防寒具兼用
8 ウエストポーチ 行程中の小物入れ
9 救急用品 市販のEmergency Kit
10 サングラス サングラス、メガネ入れ
11 GoPro GoPro、簡易三脚
12 GoPro用品 充電器、予備バッテリー、予備メモリーなど
13 ウインドブレーカー 防寒具
14 ホッカイロ 現地で購入
15 緑茶ティーバッグ 最後に出番
16 セータ 防寒用、アルパカ
17 JetBoil JetBoil MicroMo,ガスボンベ、防水袋
18 予備ハイキングパンツ 小屋でのパジャマ兼用
19 Tシャツ 小屋でのパジャマ兼用
20 脚絆 雨のハイキング時用
21 サンダル 小屋でのサンダル(必須)
22 痒み止めなど ムヒ、バンドエイド
23-27 行動食 チョコレート、ようかん、カロリーメイト、ウイスキーなど
28 日焼け止め
29 ヘッドライト 赤いライトが使えるヘッドライト、ケース
30 虫よけ Deet入りの虫よけクリーム
31 タオル ハイキング用速乾タオル
32 バンダナ
33,34 トレッキング下着 ウールなど
35 ハイキングソックス ウールx2
36 防寒下着 足を覆う物
37 靴紐 予備の靴紐
38 コーヒー ランチ用のインスタントコーヒースティック
39 予備バッテリー 非常用のモバイルバッテリー
40 SPOT Gen4 非常救助要請用(追加情報参照)
41 虫よけネット 虫(Sandfly)除け用の頭からかぶるネット
42 防水防止 ゴアテックス
43 手袋 ウール手袋
44 長袖Tシャツ ロッジ用
45 長袖Tシャツ ハイキング用高機能Tシャツ
46 長袖Tシャツ ハイキング用ウールTシャツ
写真無 ダウンジャケット 防寒用、Patagonia,Down90%
写真無 マグ SnowPeakDoubleWall, Titanium300
写真無 小物入 MILLET小物入れ(肩ベルト用)
写真無 スマホ 写真・メモ用、トランピング中は圏外
写真無 Ultra-SIL Daypack Sea to Summit, 洗濯時とかの袋として重宝

これ以外に自分が着ていく服装が必要です。私の当日の服装はこんな感じでした。

トランピング開始時の服装
トランピング開始時の服装
番号 装備 メモ
1 ハイキング用上着 ウール長袖
2 ハイキング用Tシャツ Patagonia高機能Tシャツ
3 ハイキング用ズボン ウール、ニッカーボッカ
4 ハイキング用ソックス ウール
5 ハイキング靴 ローカット登山靴

装備に関する追加情報

1.Ultimate Hikesを利用する場合、毎日洗濯/乾燥が可能なので、下着・ソックスの予備は1組で十分です。私は2組持っていきましたが、全く不要でした。
2.Ultimate Hikesで行く場合、最終日を除き、ランチ時にも温かい飲み物が出るので、JetBoilは無くても不自由しないです。マイマグも同様で、他に持ってきている人はいませんでした。
3.サンダルは非常に重宝しました。Ultimate Hikesのロッジ内は登山靴使用禁止です。ZQNで購入できます。
4.緯度が稚内と同じぐらいなので、寒いことを想定して秋用の服装(ニッカーボッカー、ウール長袖)で行きましたが、少し暑すぎたと思います。日本の2000m超えの夏山の服装で良かったです。3日目午後からは下着の長袖Tシャツで行動しました。雨が降ると寒いのでその準備はお忘れなく。年間降水量7000mmです。
5.ヘッドライトは、夜空の観測時に邪魔になるので、赤色灯になるものをご持参ください。
6.圧縮パックは、替えの服をコンパクトにしてくれるのでとても役に立ちました。

SPOT Gen 4に関する追加情報

SPOT Gen4は、ハイキング中の位置情報を定期的に記録し、BASIC契約で3年間ログを保存してくれます。また、追加で、救助保険に加入する事が出来ます。
SPOTの契約は、日本語はこちらのページを参照ください。英語はこちら
カバーエリアは、こちらです。(1世代前のGen3のカバーエリアです)

Planには、大きく分けて、1.年契約(Basic Planなど)と 2.FlexPlanがあります。
1.年契約は、SPOTの基本的機能(私はBASICを利用)を、年一括で払うか、月々払うかが選べます。一括だと割引があります。自動更新です。BASIC, Premium,Enterpriseがあり、こちらが比較表です。
2.Flex Planは、利用する月のみの支払いですが、月々の料金は割高になります。

救助プラン
いずれの場合も、「Global Overwatch & Rescue Plan 」と言う救助プランに加入できます。Focuspoint社が提供しています。年契約で$29.99です。Flexでも1年契約で、途中休止はできません。

日本でのサービスの料金と、米国での料金に差があります。日本にいて米国での契約が可能かは不明ですが、クレジットカードの請求書住所が日本だと難しいかもしれません。

トレイルに向かわれる方への参考情報

1.ハイキングに旅行の荷物を持ってはいけません。私は、ハイキングの前後で同じ宿に泊まって、ハイキング中はそこに荷物を預かってもらいました。無料で預かってくれました。
2.自力で行く場合、やはり出発地点に近いTe Anauのホテルが良いかもしれません。ZQNからTe Anauへは路線バスが数は少ないですが運行されています。約2時間かかります。
3.ZQNの宿泊はLakeside Motelに泊まりました。決して豪華ではありませんが、湖に面していて良かったです。ただ早朝フロントが閉まっています。たまたま通りかかったスタッフに頼んで荷物を預かってもらいましたが、いつもいるとは限らないので要注意です。
4.ZQN空港と、町との行き来は、路線バスが15-30分ごとに走っています。片道$5でした。
5.別の記事にも書きましたが、ZQN内の登山用品店では、こちらが圧倒的に品揃えが豊富でした。
6.ガイドのお話では、ハイキング中にケガをした場合、ヘリでの搬送などはニュージーランド政府が無償で行ってくれるとのことでしたが、海外からの訪問者もその恩恵にあずかれるのかは不明です。私は、全世界(一部除外あり)の救難保険に加入していきました。SPOTと言うトラッキングを行ってくれる機材の契約に、追加で遭難救助保険が購入できます。救難保険を入れても年間$150USDぐらいです。月額契約も可能です。衛星通信を利用しているので、携帯の圏外でも機能します。もちろん日本でも大丈夫です。私は単純機能のSPOT Gen4を利用しています。 Garmin社が、テキスト機能付きの小型の機器inReach mini2を販売しており、こちらも救難オプションが購入可能です。
7.スマホは、airalo社経由でNZCOMのeSIMを購入して使用しました。30日10GBで$31.5USDでした。速度は決して早くは無いですが、Google Mapsで運転のナビに使っても不自由はなかったです。容量も十分でした。
8.ハイキング中の地図アプリは、AllTrailを使いました。事前に全行程の地図をダウンロードしておけば、圏外でも問題なく使えます。トレールはよく整備されており案内も丁寧で、行程中道に迷ってこのアプリを使うことは無かったです。
9.トランピングとは直接関係ないですが、予備の単4電池を数個バラで持っていったら、AKLでZQN行の国内線のセキュリティチェックで取り上げられてしまいました。4本パックで包装されてあるのは大丈夫でした。1本のみ別の袋に入れていたのも大丈夫でした。お互いに接触してショートするのを気にしているのかもしれません。気を付けてください。

現地でのお勧めショップ

Westpack Small Planet Sports

住所
15-17 Shotover Street, Queenstown 9300, New Zealand
営業時間
9:00~19:00

Four Square Supermarket

住所
Cnr Stanley &, Shotover Street, Queenstown 9348, New Zealand
営業時間
07:00 - 21:00
URL
https://www.foursquare.co.nz/south-island/otago/queenstown

Noel Leeming Queenstown

住所
Tenancy 31, Building 6, Five Mile Shopping Centre
Corner Frankton & Grant Rd
Qu 9300
営業時間
09:00-17:30
URL
https://www.noelleeming.co.nz/stores/queenstown.html?utm_source=organic&utm_medium=google-my-business&utm_campaign=1M
行き方
中心地からは、ZQN空港行のバスでFrankton Bus Interchangeで下車し、徒歩15分

筆者

特派員

テッド@サンフランシスコ

2000年よりサンフランシスコ近郊で生活。定年後はサンフランシスコを起点に日本からの訪問者のご案内をしています。

【記載内容について】

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