味覚で旅するアンダルシア。スペインの食文化を満喫するグルメスポットを巡ってみよう
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スペインのワイン文化
さて、スペインの食文化を語るうえで欠かすことができないのはスペインワイン。歴史や産地、そしてアンダルシア州が誇るヘレス・デ・ラ・フロンテーラのシェリー酒と見学におすすめのボデガ(酒蔵)を紹介します。
スペインワインとは
約3000年の歴史があるスペインのワイン造り。ブドウの栽培面積は世界1位、生産量は世界第3位と世界屈指のワイン国として知られています。
スペイン全域でワインが造られており、ワイン好きであればスペイン最古のワイン産地といわれるリオハや、発泡性ワイン「カバ(Cava)」で有名なペネデス産のワインを飲んだことがある方も多いはず。多くのボデガでは、観光客向けに見学ツアーを行っている所も多く、製造方法を学んだり試飲したりできます。
近年では、マドリードのグレドス山脈で造られる繊細な赤ワインや、メンシアと呼ばれる黒ブドウから造られる赤ワインが高評価され、注目を集めています。
シェリー酒の産地ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ
スペイン各地でそれぞれ有名なワインがありますが、なかでも外せないのはヘレス・デ・ラ・フロンテーラのシェリー酒。シェリー酒は世界3大酒精強化ワインのひとつで、スペイン語ではヘレスと呼ばれます。
シェリー酒の種類は辛口から甘口までさまざまな種類がありますが、大きく分けると4種類。辛口のものは食前・食中酒として、甘口のものはデザートワインとして飲まれます。
- フィノ Fino:辛口。軽い口当たりで酵母の風味が感じられる。
- アモンティリャード(アモンティジャード) Amontillado:フィノをさらに熟成させたもの。ミディアムドライ。
- オロロソ Oloroso:琥珀色で、カラメルのような香りがある。
- クレアム(クリーム) Cream:オロロソに甘味を加えたもの。
シェリー酒がほかのワインと異なるのはその醸造過程。最初に発酵したワインを造り、そこにブランデーを入れて発酵を止めます。その後熟成樽に移し、空気に触れさせて酵母による膜(フロール)を作ります。このフロールが、ワインを守るとともに独特の風味を与え、シェリー酒ならではの薫香が生まれるのです。
シェリー酒とギターコレクションが楽しめる「エスピノサ・デ・ロス・モンテロス」
ヘレス・デ・ラ・フロンテーラにある「エスピノサ・デ・ロス・モンテロス」は、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)などの大会で受賞経験がある歴史あるボデガ。
1階が醸造所となっており、たくさんの熟成樽が置かれています。シェリー酒は古いワインと新しいワインをブレンドするソレラと呼ばれる技法で醸造されるため、なかには60年もののシェリー酒もあるそう。
見学時は、シェリー酒の造り方の説明を受けながら発酵年月が浅いものから長いものの順にシェリー酒を試飲することができます。年月が浅いものだとフレッシュさがありますが、発酵が終盤に近いものはシェリー独特のコクのある味わいが生まれているのがわかります。
見学後には試飲したシェリー酒を含め、ボデガで造ったワインを購入することができます。辛口や甘口など、オーナーに好みを伝えて見繕ってもらうとよいでしょう。
また、2階にはオーナーが収集したギターコレクションがあります。19世紀に作られたギターも多くあり、ギター好きであれば一見の価値ありです。見学ツアーは、公式サイトおよび電話で申し込むことができます。
エスピノサ・デ・ロス・モンテロス
- 住所
- C/ Einstein F2, Jerez de la Frontera, Cádiz 11407
- 電話番号
- 655-899-592
まとめ
スペイン料理やワイン、1日5食といわれる食習慣、はしご酒タペオ。スペインの食文化には、まだまだ語りきれないほどの魅力があります。その国の食文化を知るいちばんの近道は、地元の人々に交じってその場所の食や会話を楽しむことかもしれません。ぜひ食べ歩きや見学ツアーを通して、スペイン、アンダルシア州の食文化を堪能してみてください。
取材協力・監修
協力:現代ギター社編集部
『現代ギター』3月号の特集では、こちらの記事で紹介した食文化だけでなく、フラメンコ愛好家が運営する文化協会「ペーニャ」や、スパニッシュギターに関する観光スポットやギター工房の様子など、魅力的なアンダルシア文化が紹介されています。ぜひ、合わせてご覧ください!
筆者
地球の歩き方 永倉
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