《2分で読める!》チェコってどんな国?見どころから治安まで

公開日 : 2023年03月24日
最終更新 :

野球の世界大会、WBC(ワールドベースボールクラシック)で日本と対戦したチェコ。アマチュア選手主体ながら野球愛にあふれ、真摯にプレーする姿は、多くの人に感銘を与え、大谷選手との交流も話題になりました。でもチェコって国、意外に知らないかも? さあ、チェコ入門、Q&A形式で紹介しましょう。

どこにあるの?

チェコはヨーロッパのちょうど真ん中あたりに位置する国です。海のない内陸国で、西はドイツ、北はポーランド、東はスロヴァキア、南はオーストリアと国境を接しています。チェコとその隣国はすべてEU加盟国で、シェンゲン協定にも加盟しているため、国境に検問所はありません。通貨ユーロは導入されておらず、独自通貨のチェコ・コルナが使われています。

2023年3月現在、日本からチェコへの直航便はないので、ヨーロッパや中東の主要都市で乗り継ぐのが一般的です。90日以内の観光での滞在の場合、チェコ入国にビザは必要ありませんが、2024年以降はビザなしの入国にはETIAS(エティアス=EU諸国統一の事前渡航認証システム)の事前申請が必要になる予定です。

チェコの国土は、大きく西のボヘミア地方と東のモラヴィア地方に分けられ、首都プラハがあるのはボヘミア地方、モラヴィア地方には第2の都市ブルノがあります。ちなみに、ボヘミアは英語でドイツ語ではベーメンですが、チェコ語ではチェヒといいます。プラハからブルノへは、鉄道かバスで所要2時間30分〜3時間ほど。

プラハの魅力や見どころは?

ヴルタヴァ川越しに見るプラハ城 ©iStock
ヴルタヴァ川越しに見るプラハ城 ©iStock

日本人が想像する古き良きヨーロッパの町並みは、実はチェコの首都プラハが最も近いのではないでしょうか。旧市街の細い路地や歴史を感じさせる教会、町を見下ろす丘に建つプラハ城 など、まるでファンタジーの世界に足を踏み入れた気分にさせてくれます。また、町を歩いていると、バイオリンやアコーディオンなどの路上演奏をよく耳にするなど、音楽に満ちあふれた町。夕方から夜にかけては、歴史ある教会や建物での室内コンサートが数多く行われ、手軽に音楽鑑賞が楽しめるのもうれしいポイント。より本格的な音楽鑑賞の場としては、国民劇場、国立オペラ劇場、市民会館内のスメタナホールなど、建築、内装的にもすばらしい劇場が数多くあり必見です。スタヴォフスケー劇場(エステート劇場)は、モーツァルトがオペラ『ドン・ジョヴァンニ』を自身の指揮で初演したことで知られており、今でも『ドン・ジョヴァンニ』を公演することが多い劇場。庶民の娯楽としては、人形劇が有名で、いくつか常設劇場があるほか、あやつり人形自体もお土産としても人気です。

プラハ以外にはどんな町があるの?

チェスキークルムロフへはプラハからバスで約2時間40分 ©iStock
チェスキークルムロフへはプラハからバスで約2時間40分 ©iStock

チェコにはプラハ以外にも、個性あふれる魅力的な町が目白押し。国土が日本の5分の1ほどなので、地方への移動に時間がかからないのもうれしい点です。チェコの地方都市のなかで日本人に最も人気があるのは、ピンク色の塔をもつ城が印象的なチェスキー・クルムロフ。プラハに比べとても小さな町ですが、オレンジ色の屋根に統一された町並みは、チェコで最も美しい町といわれるほど。見どころがコンパクトにまとまっているので、プラハからの日帰りに最適です。

レースのような装飾が美しいトルジニー・コロナーダ ©iStock
レースのような装飾が美しいトルジニー・コロナーダ ©iStock

19世紀に王侯貴族が温泉保養に訪れたカルロヴィヴァリは、2020年に「ヨーロッパの大温泉都市群」のひとつとして世界遺産に登録された町。瀟洒なヴィラが建ち並び、古き良き時代の保養リゾートの面影が残っています。ヨーロッパの温泉では、入浴だけでなく、温泉水を飲む飲泉も盛ん。おみやげにもなる飲泉用の陶器カップを購入したら、町中にある複数の飲泉スポットを巡りましょう。飲泉施設のコロナーダは、一つひとつが独特な建築美を誇り、見ごたえがあります。

ザハリアーシュ広場に並ぶカラフルな家 ©iStock
ザハリアーシュ広場に並ぶカラフルな家 ©iStock

モラヴィアの真珠といわれるテルチは、かわいらしいパステルカラーの家が建ち並ぶ町です。1530年の火災で全焼後に建て直され、現在のような町並みとなりました。町の外にはテルチ城というルネッサンス様式の城もあり、城内ではすばらしい天井装飾をみることができます。

代表的な料理とお酒は?

ヴェプショ・クネーデロ・ゼロはチェコ料理を代表する一皿 ©iStock
ヴェプショ・クネーデロ・ゼロはチェコ料理を代表する一皿 ©iStock

チェコ料理は肉料理が中心で、特に豚肉がよく食べられます。豚肉のローストに、小麦粉やジャガイモをゆでて作られるクネドリーキ、発酵キャベツであるザワークラウトを副菜としたヴェプショ・クネーデロ・ゼロは、典型的なチェコ料理といえるでしょう。豚肉以外には牛肉や鶏肉、アヒル肉を使った料理も多く、魚料理ではコイやマスなど淡水魚のフライが伝統料理として知られています。

プルゼニュはピルスナービールの故郷 ©iStock
プルゼニュはピルスナービールの故郷 ©iStock

お酒はなんといってもビールが有名で、チェコはひとり当たりのビール消費量で世界一を誇っています。日本で飲まれるビールのほとんどは、ピルスナーと呼ばれるタイプのビールですが、その発祥地はチェコ西部の町プルゼニュ(ドイツ語名ピルゼン)。また、バドワイザーは、チェコ南西部の町、チェスケー・ブディェヨヴィツェ(ドイツ語名ブドヴァー)が名前の由来となっているなど、ビールにまつわる聖地が多い国です。チェコ語でビアホールはホスポダといいます。醸造所を併設したホスポダも多く、作りたてのビールが楽しめます。

治安は?

駅やバスターミナルなどではスリや置き引きが多い
駅やバスターミナルなどではスリや置き引きが多い

チェコはヨーロッパのなかでは治安が良い国のひとつですが、日本に比べたら犯罪の発生率は高いので、過度に心配する必要はありませんが、安心しすぎるのも禁物です。日本人が最も遭いやすい犯罪はスリと置き引き。日本にいる感覚で荷物を置いたまま席を離れたり、地下鉄やバスの中でリュックサックを背負うようなことは避けましょう。また、少ないながら強盗に襲われるという事例もあるので、人通りが少ない場所や夜間のひとり歩きは避けたほうが賢明です。

チェコの最新安全情報(外務省)

チェコの治安については、外務省が提供する以下の最新安全情報も合わせてご覧ください。

筆者

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